ルピナスとは
ルピナスの原産地は、地中海沿岸や南アフリカ、南北アメリカです。マメ科ルピナス属、学名はLupinusの一年草、二年草または多年草の植物です。200以上の種類があり、春から初夏にかけて長い花穂にたくさんの花を付けます。葉は、天狗が持つヤツデの葉のような形をしています。
ボタニ子
ルピナスの花色には、赤やピンク、オレンジ、イエロー、青、紫、白と色とりどりで、見ているだけでワクワクしちゃうかもね!
ルピナスの品種
ルピナスは、品種によって花穂の長さが異なり、高さが低いものから約60~70cmと大型になるものまであります。古代ヨーロッパでは、食用や薬用としても栽培されていましたが、現在は観賞用として親しまれています。
ボタニ子
カラフルで華やかな花と手を広げたような葉の形も特徴的でおしゃれだわ!
人気の品種
ラッセル・ルピナス
アメリカのカルフォルニア州からカナダ産の交配品種です。大型タイプの宿根草で、生育後、地上部は枯れます。
ボタニ子
日本ではラッセル・ルピナスが有名で、大型でお庭に地植えにしても鉢植えにしても見応えがあるよ!
ピクシーデライト
花穂の長さ約20cm、草丈約40cmの丈の低い一年草です。分岐性があり、暖地向きの品種です。
リリアン
促成栽培による3~4月頃に開花する早咲き宿根草です。花穂は短めで、草丈約50cmとやや小型。プランター栽培にちょうどよいサイズです。
キバナルピナス
南ヨーロッパ原産の一年草です。草丈約50cm、花色は鮮やかなイエローです。
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花穂が短い品種は「曲がる」「折れる」の心配がないから育てやすそうだね!
ルピナスの育て方
ルピナスは、品種によって暖地でも栽培しやすい多年草タイプもありますが、基本的には、寒さに強く暑さに弱いのが特徴です。そのため、暖地に強いタイプを除くと日本の夏を越えられす、一年草の植物として扱われます。また、苗を冬の寒さに当てることが開花を促すポイントです。
育て方①環境
日当たり、水はけのよい場所を好み、酸性の土壌を嫌います。貪欲に土壌の栄養を吸い上げる力があり、荒れた土地でもよく育ちますが、日本の蒸し暑い気候は苦手で冷涼な環境を好みます。品種によっては、極端な寒さを嫌うものあるため、品種の性質や特徴をよく確認しておきましょう。
育て方②用土
水はけと保水性を考えた用土作りをします。鉢植えで育てる場合は、草花用の培養土か、赤玉土6に腐葉土3と軽石やパーライトを1の割合でブレンドした用土を使うとよいでしょう。地植えで酸性土壌の花壇に定植する場合には、植え付け前に苦土石灰をまいてよく耕し、土壌の酸度を中和しておきます。
育て方③肥料
ルピナスは、根から土壌の養分を吸収しやすく「吸肥性」の高い植物です。そのため、土中の養分に加え肥料の養分が多すぎると、根が「肥料焼け」を起こしてしまいます。したがって、必要以上に肥料を与え過ぎないよう注意しましょう。植え付け前に緩効性の肥料を施し、春の成長時期に追肥をする程度で十分です。
育て方④種まき
ルピナスの種まきは秋の9~10月に行い、翌年または2年目の春に花を楽しめます。暖地に強いピクシーデライト(極端な寒さに弱い)などは、秋だけでなく春まきも可能です。ルピナスの種は表面が硬いため、一晩水につけてから植え付けます。種まきをして発芽するまでは、風通しのよい日陰で水が切れないように管理しましょう。
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暖地では育ちにくいラッセル・ルピナスの場合は6月に種まきをするよ!
育て方⑤植え付け
2週間程経って、発芽が確認できたら、次は日当たりのよい場所に移動して管理をしましょう。葉が6枚程になれば、鉢植えか地植えを選んで定植します。ルピナスの根は直根性のため、基本的に移植を嫌います。したがって、植え替えの際には、根を傷めないよう細心の注意を払いましょう。
直根性とは
直根性とは、いくつにも枝分かれした根と違い、真っ直ぐに地中に伸びる太い根のことをいいます。そのため、少しでも根に傷が付くと、すぐに株全体に影響を及ぼします。株を弱らせないためにも必要以上の移植は避けましょう。
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花壇の場合は、株間30cm程あけて植え付けよう!
仕立て
花穂が特に長くなるラッセル・ルピナスなどは、成長に伴い、花茎が曲がる、または折れる心配があります。花姿を美しく保つためにも、支柱を立てるなどの仕立てをしましょう。
育て方⑤水やり
鉢植えで栽培する場合、土が乾いてきた頃に水やりをしましょう。土が乾き切ってしまうと枯れやすくなるため、特に乾燥しやすい冬の時期の管理には注意が必要です。また、夏の時期には、蒸れに注意しましょう。地植えで栽培する場合は、根がよく張ってきたら水やりは不要です。降雨など自然に任せてしまいましょう。
ルピナスの剪定
開花が全体的に終わりかけたら、花穂の根元から剪定します。花穂をそのままにしておくと栄養が花後の種作りに優先されてしまうのです。種を収穫する場合を除いては、脇芽を伸ばして、2番花、3番花を咲かせるために、この剪定作業を行います。長く花の時期を楽しみましょう。
ボタニ子
根元に黄色くなった葉があれば、蒸れ防止もかねて、見付け次第すぐに剪定しよう!
ルピナスの増やし方
ルピナスは、宿根草でない限り、秋に種まきをして次の年の苗を育てます。たとえ宿根草タイプでも日本の東北よりも西の気候では、夏越しが難しく枯れてしまうことがあります。できるだけ、花後の種を収穫するようにしましょう。
種の収穫
花が終わった後には、枝豆のような形の「さや」ができます。そのさやが茶色に変色していきます。これが、さやのなかの種が熟した合図です。この段階で採取しましょう。
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種が熟し過ぎると「さや」から飛び出すので、熟す前に採取しよう!
ルピナスの種の取り方
茶色に乾燥したさやを採取して、さやを半分に割り開くとなかから種が出てきます。採取した種は、乾燥剤と一緒に袋や容器に入れて、秋の種まきの時期まで冷蔵庫で保管するとよいでしょう。
ルピナスの名所
北海道には、いくつかのルピナス畑があります。ルピナスが育ちやすい冷涼な環境で、日当たりのよい広大な土地があるため、色とりどりの絨毯のような見事な景色は、ぜひとも訪れてみる価値がありそうです。
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北海道で大規模のルピナスを味わってみたいわ!
・彩りの丘
・フラワーランドかみふらの
・北のオアシス十勝ヒルズ
・フラワーパーク花夢
・美瑛四季彩の丘
まとめ
ルピナス魅力あふれる植物です。お庭がないご家庭では、プランター栽培に適したルピナス・リリアンがおすすめです。ベランダなど日当たりのよい環境があれば気軽に楽めます。ぜひ、種を収穫して一年草、多年草問わず毎年の開花を楽しんでください。
出典:BOTANICA