フランスゴムの木とは
育てやすさが人気の観葉植物、フランスゴムの木。ユニークに仕立てられた「曲がり」仕立てのものが多く出回り、存在感のあるインテリアグリーンとしても人気です。原産はオーストラリアですが、フランスの植物学者が発見したことからフランスゴムの木と呼ばれるようになりました。
フランスゴムの木の基本情報
名称 | フィカス・ルビギノーサ |
和名 | コバノゴムビワ(小葉のゴム琵琶) フランスゴムノキ |
学名 | Ficus rubiginosa |
科名 | クワ科 |
属名 | フィカス属 |
原産 | オーストラリア |
耐寒温度 | 5℃ |
生育適温 | 18~30℃ |
特徴
フランスゴムの木は観葉植物の中でも生育がよく、品種によっては高さが数メートルになるものもあります。日本では室内向きの観葉植物として比較的コンパクトに育てられますが、原産地のオーストラリア東部では街路樹などとして外に植えられ、大きいものでは10mを越すものもあるほどです。
葉色(緑葉と斑入り葉)
緑葉
フランスゴムの木でもっともよく見られる葉色がこの緑葉です。丸みを帯びた形とつやつやの濃い緑色は、強い生命力を感じさせてくれます。シックな色合いの鉢に植えれば、和の雰囲気も漂います。葉の大きさが均一で艶のあるものを選びましょう。
斑入り葉
斑入り葉の魅力は何と言っても葉色の明るさです。深い緑とは違い、白や黄緑が入った葉はパッと室内を明るくしてくれます。模様の入り方や葉のサイズは、株によってさまざま。緑葉よりは葉焼けしやすい特徴があるため、屋外や室内の強光下は不向きです。明るい日陰やレース越しの窓辺など、置き場所さえ気を付ければ、緑葉と同様に育てやすい品種です。
フランスゴムの木の育て方
室内での置き場所
ゴムの木は日光が大好きな植物ですので、できるだけ明るい部屋で管理するのが基本です。日陰での管理も可能ですが、日照不足になると葉色が悪くなったり元気がなくなったりするため注意しましょう。室内で育てる場合は、リビングの南側など日光のあたる窓際に置くのが理想です。
春と秋の置き場所
春と秋は、室内では日光のよくあたる場所におきます。この時期は生育期なので、穏やかな日差しの日であれば外に出して直射日光にあててもいいでしょう。ただし、急に日光にあてると葉焼けの原因になるので、日陰に置いてあった株などは徐々に慣らしてから外に出しましょう。直射日光にあてることで、新芽の形成も促されます。せっかくなので、ゴムの木全体のほこり落としも兼ねて、散水シャワーで水浴びさせるのもいいですね。
夏の置き場所
日差しが強くなる季節は、リビングのレースカーテン越しに置くのが理想です。強い日差しは葉焼けの原因になります。またエアコンの風が直接当たるような場所も避けましょう。外で管理する場合は、直射日光のあたらない日陰で管理します。
冬の置き場所
生育環境にもよりますが、ゴムの木は5℃を下回ると葉を落とし始めることがあるため、5℃以上を保てる明るいリビングに置きましょう。この時期の窓際は気温が下がるため注意が必要です。葉を落とし始めた場合は気温の低下が疑われますが、枯死した訳ではありませんので、このまま春になって新芽が出るまで管理し続けましょう。
水やり
ゴムの木は乾燥に強いのが特徴です。春から秋は、土の表面が乾いてからたっぷり水を与えます。室内では鉢皿の上で管理することが多いかと思いますが、鉢底から出た水をいつまでも溜めておかないよう注意が必要です。11月を過ぎたあたりから水やりの頻度を少なくし、冬季は土が完全に乾いてから水を与えるようにしましょう。
空気の乾燥に注意
ゴムの木は、土の乾燥には強いのですが、空気が乾燥するとカイガラムシなどの害虫が発生しやすくなります。そのため、こまめに葉水をすることをおすすめします。
肥料
肥料は春から秋の成長期に与えます。手間をかけたくないなら、観葉植物用の置き肥を使いましょう。水やりや葉水を兼ねておこないたいなら、液体肥料を与えるか、アンプル剤もお手軽なのでおすすめです。また、植え替え直後や冬季の肥料は不要です。
観葉植物の生育に必要な15種類の栄養素をバランス良く配合。葉色を濃く・鮮やかにし、生育を促進する効果があります。葉面散布にも利用できます。
鉢土にさすだけ!根からすばやく吸収され緑をより鮮やかに丈夫な株を育てます。
切り戻し
フランスゴムの木は、生長につれて葉が茂りすぎたり、枝が伸びすぎて見栄えが悪くなったりします。そんな時は、切り戻しが必要です。置き場所に応じて邪魔な枝を取り除いたり、増えすぎた枝を切り落とすなどして、お部屋にあった樹形になるよう剪定してみましょう。切り戻すことで必要な枝や葉のみに栄養が行き渡るため、株が元気になるという効果もあります。
剪定の時期
フランスゴムの木の剪定は成長期の6月、9月~10月が理想です。成長期に剪定を行うと新芽の形成が上手くいくため、早いうちに新芽が出て、理想の樹形に仕上がっていきます。この時期は外に出してもいい時期ですので、大きいフランスゴムの木は外に出して思い切って剪定してみましょう。ただし、暑い時期や休眠期の剪定は株を弱めることがあるので避けましょう。
剪定の仕方
剪定は、剪定後の枝ぶりをイメージしながらおこないます。また葉が茂りすぎて日照不足になるような場合は、どの葉にも光が届くように剪定をしてみましょう。枝数が多いようであれば、分枝した根元をカットして枝数を減らすのもコツのひとつです。剪定した枝は水に挿しておくと、発根して長く楽しめます。花瓶で楽しんだ後には、春か秋に土に植え込んで鉢植えに仕立て直してもいいですね。
剪定する箇所のポイント
- 傷んだ葉や枝を取り除く
- 重なり合った枝の分枝点を剪定する(主の幹に向かって内側に向いている枝など)
- 幹の根元から伸びている枝を剪定する
- 部屋の置き場所に応じて伸びては困る向きの枝を剪定する
剪定時の注意
フランスゴムの木は、剪定すると切り口から白い樹液をが出てくるという特徴があります。この白い樹液がゴムの原材料であるラテックスという成分です。これが直接肌に触れるとかぶれる恐れがあるので、剪定する際には軍手や手袋を使用し、樹液に直接触れないよう気をつけましょう。また、樹液が床に付着すると落ちにくいため、室内でゴムの木を剪定する際には、床が汚れないよう新聞紙を敷いておくなどの工夫も必要です。
植え替え
葉が小さくなってきたり、成長が乏しくなってきたら、根詰まりしている可能性があります。また鉢底から根が出てきているような場合も植え替えの時期です。そんな症状が見られたら、4月から10月に一回り大きい鉢に植え替えます。急に大きい鉢に植え替えると根腐れを起こすこともあるので、徐々に大きい鉢に植え替えましょう。
植え替えは水はけがよく元肥のはいった観葉植物用の土を利用するのもおすすめです。
冬越し
先述のとおり、フランスゴムの木の耐寒温度は5℃くらいだと言われています。実際は、生育環境などによって前後はしますが、温度が下がりすぎると休眠状態に入り、葉を落とし始めます。冬季はなるべく温かい室内で管理しましょう。また水やりは完全に乾くまでは与えないようにしましょう。
病害虫
カイガラムシ発見@ゴムの木 pic.twitter.com/AL9fODBcNM
— Lawn (@lawn_rep) August 30, 2015
フランスゴムの木に付きやすい害虫としてカイガラムシが挙げられます。カイガラムシはその名の通り貝殻のように密着し、成虫になるとあまり動く様子もみられないため、一見虫とは分からないかもしれません。また種類も大変多く、色や形もさまざまです。幹や葉の裏に塊のようなものがついていたら、カイガラムシを疑いましょう。予防には葉水が効果的なので、こまめな葉面散布や、切り戻しをして風通しをよくするのも効果的です。
カイガラムシを放置しておくと、カイガラムシの排泄物や分泌物を餌にしたすす病が発生することがあります。すす病は、発生すると植物の葉や幹、枝が黒いすすで覆われたようになるため、光合成を妨げ株を弱らせる原因になります。早めにカイガラムシを駆除しましょう。
土に置くだけで2ヶ月程効果が持続。葉色を鮮やかにしてくれます