コスモスの概要
コスモスは、メキシコが原産地のキク科の植物です。コスモスの名前は、ギリシャ語の「kosmos(調和、秩序、美しい)」に由来します。その名前のとおり、花びらが整然と並ぶ姿はとても美しく、日本では秋の代表的な花として親しまれています。
コスモスの種類
コスモスとは、特定の品種を指した花の名前ではありません。日本で栽培されているコスモスは、大きく分けて「オオハルシャギク」「キバナコスモス」「チョコレートコスモス」の3種類に分類され、その中でさらに多くの品種があります。
ボタニ子
品種によって特性が違うから、まずは栽培をする前に確認しよう!
①オオハルシャギク
日本で多くの人が思い浮かべる「コスモス」が、オオハルシャギクです。色はピンク、白、赤などカラフルで、品種改良により草丈の低い品種や、6月ごろから咲く品種もあります。
②キバナコスモス
キバナコスモスは、オオハルシャギクより草丈が低く葉の切れ込みが少ないことが特徴です。草丈は30~100cmで、黄色やオレンジ色の花が咲きます。
③チョコレートコスモス
草丈が40~50cmほどの、チョコレートの香りがする不思議なコスモスです。オオハルシャギクとキバナコスモスは一年草ですが、チョコレートコスモスは宿根草です。
コスモス栽培の基本情報
ボタニ子
コスモスはこぼれ種から育つくらい強い花だけど、多湿は苦手で枯れる原因になるから注意だよ!寄せ植えにする場合は、コスモスと同じ性質の植物と合わせよう。
コスモスの栽培時期
コスモスは日照時間が短くなると開花する短日植物ですが、近年では日照時間にあまり影響をうけない品種が増えています。開花の時期で「夏咲き」「秋咲き」「早咲き」の3種類があります。
- 夏咲き:6月下旬から開花する早生品種
- 秋咲き:8月以降に開花する晩生品種
- 早咲き:日の長さに左右されず、種まきから2~3カ月で開花する品種
コスモスの栽培カレンダー
コスモスの育て方のポイント
育て方のポイント
- 日当たりと風通しのよい、夜に光が当たらない場所で育てる
- 水やりは地植えでは基本的に必要がなく、鉢植えは土が乾いたらたっぷり与える
- 肥料は元肥のみで、基本的に追肥の必要はない
- 直根性のため植え替えはしない
ボタニ子
栽培を始める前に上の4つのポイントは覚えておこう!
コスモスの育て方【栽培日記】
ここからは日記形式で栽培の様子を紹介します。育苗は直まきよりも難易度は上がりますが、種まきの時期に庭などに植える場所が用意できないときに役立つため、覚えておきましょう。
栽培者のプロフィール
コスモス栽培1日目:種まき
5月27日
コスモス栽培6日目:発芽
6月1日
コスモス栽培9日目:間引き
6月4日
コスモス栽培18日目:本葉が出てくる
6月13日
ボタニ子
この後に長い梅雨の時期になって、水やりも注意をしたのにいくつか枯れちゃったよ…。多湿はやっぱり枯れる原因になるんだね。
コスモス栽培42日目:摘心
7月7日
下葉が枯れる原因はやはり多湿です。枯れた葉はすぐに取り除きましょう!
コスモス栽培55日目:地植えの準備
7月20日
コスモス栽培63日目:植え付け
7月28日
ボタニ子
摘心をしなかった苗は蕾が付きだしていたよ!
植えるタイミングは本葉が8枚のときです。大きくなると根付きにくくなってしまうので早めに植えましょう。
コスモス栽培68日目:蕾・うどんこ病発生!
8月2日
初期の場合は殺菌剤で治る可能性が高いのですぐに対処しましょう!
コスモス栽培73日目:開花
8月8日
8月21日
ボタニ子
枯れるんじゃないかって心配だったけど咲いて本当によかったね。
コスモス栽培73日目以降:その後の育て方
花がら摘み
花が終わったら、種を作るために栄養がとられてしまう前に早めに摘み取ります。
摘心・切り戻し
ボタニ子
成長して日照時間が変化してくる時期に摘心をすると、蕾がつかなくなるから注意だよ!切り戻しは弱った葉を見付けたらこまめにしよう!
支柱立て
ボタニ子
草丈が高くなる品種の場合は、草丈50cmのタイミングで支柱を立てよう!
コスモスの増やし方【栽培日記】
コスモスの増やし方には挿し木と種まきがあります。挿し木は6~7月、9月が適期です。種を採取すれば翌年に花を咲かせられるため、種の取り方も覚えておきましょう。
挿し木での増やし方と植え方
種の取り方
ボタニ子
種の取り方のコツは、花を支える茎の部分が茶色く変わってきたら、はじける前にすぐ取ることだよ!
こぼれ種での増やし方と育て方
コスモスはこぼれ種でも翌年に花を咲かせられます。こぼれ種の場合は密集して生えてくることもあるため、株間20cmになるように間引きを忘れないように育てましょう。
コスモス初心者でも育て方は難しくない
今回の栽培では、育苗中に1カ月間も日光に当たれず多湿になるという、コスモスにとって過酷な環境になってしまいました。栽培スケジュールを事前にしっかりと考え、たくさんの花を咲かせられるように管理するのが大切です。コスモスは品種によってさまざまな魅力があるため、地植えだけでなくプランターや鉢植え、寄せ植えなど、自分好みの植え方で栽培を楽しみましょう。
出典:筆者撮影(本記事掲載の、出典記載のない全ての画像)