クスノキの仲間
タブノキ
名前 | タブノキ |
分類 | クスノキ科タブノキ属 |
分布 | 中国、フィリピン、韓国(主に済州島に分布)日本 |
タブノキとはどんな木でしょう。日本では本州から沖縄に分布していて、街路樹にも使われています。クスノキに似ていて、イヌグス、タマグスと呼ばれることがあります。漢字表記は日本では「椨」で、中国では「楠」です。若葉の季節になると、芽鱗に包まれた新芽がするすると伸びていきます。樹皮からは線香の粘料が作られますが、タブノキの樹皮はクスノキの樹皮ほど縦の割れ目が深くありません。
月桂樹
名前 | 月桂樹、ゲッケイジュ、ローレル |
分類 | クスノキ科月桂樹属 |
分布 | 地中海沿岸 |
月桂樹とはどんな木でしょう。月桂樹は地中海沿岸に分布する常緑広葉樹です。古代ギリシャでは月桂樹の葉で作った冠を勝者の頭を飾る習慣があり、勝利や栄誉を象徴する木となっています。葉に香りがあり、乾燥させたものが香辛料のベイリーフ(ローリエ)です。香りがあるのはクスノキ科の特徴で、新芽からもローリエの香りがします。開花の季節は4月~5月です。
セイロンニッケイ
名前 | セイロンニッケイ、セイロン・シナモンツリー |
分類 | クスノキ科ニッケイ属 |
分布 | スリランカ、インド |
セイロンニッケイとはどんな木でしょう。クスノキと同じクスノキ科ニッケイ属で、インドやスリランカ(旧称セイロン)に分布しています。英語名は「True cinnamon tree」で、香辛料のシナモンの木です。新芽は紅色をしていて葉には光沢があり、観葉植物としても魅力ある木です。
シナモンの木
セイロンニッケイの樹皮は香辛料として世界に流通しています。樹皮を乾かして粉末状にしたシナモンパウダーや、内樹皮をロール状に巻いたシナモンスティックなどがあります。ニッキもシナモンのことですが、樹皮から作ったものをシナモン、樹皮ではなく、日本に分布するニッケイ(肉桂、学名:Cinnamomum okinawense)の根皮から取ったものをニッキと呼び分けることがあります。
終わりに(庭木としてのクスノキ)
クスノキは魅力的な樹木ですが、庭木にするにはスペースにかなりの余裕が必要です。樹高は剪定して低く抑えることができますが、根は周囲に張り巡らされています。細根は地表近く(深さ30cm)に伸びていますので、アレロパシー(他感作用)で、クスノキの周りでは他の植物の生育が悪くなる可能性があります。
アレロパシーとは、植物に含まれる成分が周りの生物に与える影響のことです。
クスノキがどんな木か、知れば知るほど親しみと興味がわきます。「ダニ室」やアレロパシーについても、日々研究や調査が進められてます。愛好家レベルでも情報を分かち合って、クスノキを四季折々に楽しみたいですね。
photo by Sandy