コウゾリナはどんな植物?
コウゾリナの基本情報
英名 | Hawkweed oxtongue |
別名 | かみそりな・かおそりな(剃刀菜・髪剃菜・顔剃菜) |
学名 | Picris hieracioides var. glabrescens |
分類 | キク科 コウゾリナ属 |
原産地 | 日本、朝鮮半島、中国、ロシア |
名前の由来は?
コウゾリナは別名カミソリナ、カオソリナといい、漢字で書くと「剃刀菜」「髪剃菜」「顔剃菜」。硬い毛が剃刀(かみそり)のように鋭いこと、顔剃り後の感触に似ているのでこの名がついており、若葉を食べていたことから最後に「菜」がついています。中国では同じ由来からこの植物名を「毛蓮菜」と書きます。
コウゾリナの特徴
特徴①ロゼット状の葉っぱ
コウゾリナはロゼット状に葉っぱを広げ、寒い季節を越します。ロゼット状とはタンポポのように地面に近い部分から葉が密集し、丸形状になるものです。その葉っぱには硬い短毛が生えています。補足、ロゼットとは本来はバラの花の形を現す言葉です。
特徴②茎
茎の高さは30~100cmほどになり、全体に硬い毛おおわれていて触るとザラザラします。1~2mmの毛の先は船の錨(いかり)に似た形をしています。
特徴③花
花が咲く季節は5~10月と長く、茎の上部で枝分かれし、黄色い2.5~3cmの小花がたくさん咲きます。この時期にロゼット状の葉っぱは枯れます。花はタンポポと同じ舌状花(ぜつじょうか:花びらにみえる一枚一枚が一つの花となっている形状)。菊の仲間にある総苞(そうほう:花を包むうろこ状の集まり)にも硬い毛がほぼ一列並んで生えています。
コウゾリナの花言葉
花言葉①
「私に触らないで」
茎や葉がとげのような硬い毛におおわれていることに由来します。
花言葉②
「見かけ倒し」
硬い毛はとげと違い、先が船の錨(いかり)状になっていて、刺し傷にならないことに由来します。
ミヤマコウゾリナとの違いは?
コウゾリナとミヤマコウゾリナ生息地が違うので、一緒みることはできませんが、茎の高さ、花の大きさに違いがあります。
コウゾリナの種類
コウゾリナは植物の仲間分けではキク科になり、その中のタンポポ亜科、さらに細かくコウゾリナ属です。キク科コウゾリナ科の仲間には高山種のカンチコウゾリナ、名前にコウゾリナと入っていますが、属違いで別の種類になる、エゾコウゾリナ属のエゾコウゾリナ、ヤナギタンポポ属のミヤマコウゾリナ、詳しくは下記のキク科の植物図鑑でご確認ください。
高山種、二種類の比較
同じ高山種で間違いやすい、カンチコウゾリナとミヤマコウゾリナの違いを比べます。生息地は本州(中部地方以北)の亜高山帯~高山帯の乾燥した草原。そのほかでは、カンチコウゾリナは北海道、ミヤマコウゾリナは四国(剣山)を生息地としています。花が咲く季節は夏の7~8月です。
カンチコウゾリナ
カンチコウゾリナ | ミヤマコウゾリナ | |
和名 | 寒地髪剃菜 | 深山髪剃菜 |
分類 | キク科コウゾリナ属 | キク科ヤナギタンポポ属 |
葉先 | 尖っている | 丸く、下部に大きな葉 |
頭花 | 2.5~3cm | 1.5~2cm |
茎丈 | 25~50cm | 15~50cm |
ミヤマコウゾリナ
高地で黄色いタンポポに似た花を見つけたら、葉っぱの先を確認してください。葉先が尖っているのがカンチコウゾリナで、葉先が丸いのがミヤマコウゾリナです。
コウゾリナまとめ
見た目はとげとげしくて花言葉の「私に触らないで」のコウゾリナ。でも、触ると痛くなく黄色い可愛い花を初夏から秋に咲かせ季節を彩ってくれています。本当に「見かけ倒し」か、ぜひ見かけたら触ってみてくださいね。
出典:写真AC