サギソウの育て方!球根の植え付けから季節別の管理のコツまで徹底解説!

サギソウの育て方!球根の植え付けから季節別の管理のコツまで徹底解説!

こちらでは、サギソウの特徴やサギソウに似た花、品種についてご紹介していきます。また、初めて栽培する方にも分かりやすく、サギソウの球根と種の違い、植え付けや植え替え時の注意点、冬越しの方法等を季節の流れに沿ってご説明していきます。

記事の目次

  1. 1.サギソウの特徴
  2. 2.サギソウの品種
  3. 3.サギソウに似た花
  4. 4.サギソウの季節別の育て方①早春
  5. 5.サギソウの季節別の育て方②春
  6. 6.サギソウの季節別の育て方③夏
  7. 7.サギソウの季節別の育て方④秋
  8. 8.サギソウの季節別の育て方⑤冬
  9. 9.まとめ

サギソウの特徴

サギソウ( 鷺草)は夏に花を咲かせる山野草です。空を飛ぶシラサギのような花が美しく、園芸研究家の勧修寺経雄氏は、"涼しさは、よし(葦)、い(藺)、おもだか(沢潟)、ひつじぐさ(未草)、はちす(蓮)、かわほね(河骨)、さぎそうの花"と、夏の七草にも数えています。環境の変化や乱獲により自然界で見る機会はほとんどなくなりましたが、今なお多くの愛好家が栽培しています。

サギソウの基本情報

  • ラン科
  • 多年草
  • 生育環境:本州以南の低湿地
  • 高さ:10cm~40cm程度
  • 花期:7月~8月

サギソウとシラサギ

Photo by AMCOW

シラサギは全国の水田や川に見られる鳥です。細く分かれた翼や白い体、くちばしの黄色は確かにサギソウとよく似ていますが、実は「シラサギ」という種類のサギは存在しません。ペリカン目サギ科のうち、コサギなどの全身が白い鳥をシラサギと呼んでいるのです。

サギソウの品種

銀河

サギソウには、葉の斑が特徴の「銀河」や「天の川」、花の形に特徴のある「飛翔」、その他にも大輪の花が咲いたり、芳香を放つものなどさまざまな品種があります。同じサギソウでも品種により丈夫さに差があったり、育て方が異なったりします。もし初心者向けの品種をお求めの方は、よく流通している「銀河」や「飛翔」などを選ぶと栽培に関する情報を得やすくなります。

サギソウに似た花

サギソウはラン科ですので、ランの仲間の中に特徴が似た花を見つけることができます。

サギソウと似た花①カトレア・パープラータ

Photo by sunoochi

カトレアは南米大陸の大西洋側に自生し、ランの女王とも呼ばれるほど世界中で人気があります。写真のような白を基調とする花の他にも、さまざまな色彩の品種が存在しています。

サギソウと似た花②トキソウ

Photo by yamatsu

トキソウは、サギソウと同じくラン科の山野草で、花は薄い赤色です。北海道から本州にかけての湿地に多く自生していましたが、サギソウと同じく乱獲され、現在は数を減らしました。サギソウとは異なり、球根ではなく地下茎から芽を出すので、植え替える時には株分けを行います。

サギソウに似た花③デンドロビウム

Photo by sunoochi

鮮やかな花色が印象深いデンドロビウムですが、写真の様に白い花色の品種もあります。丸みを帯びた花弁に優雅さが漂いますが、花を咲かせるための適切な管理が必要な品種です。

サギソウに似た花④鳥の名前が付いている花

Photo by Shigeyama

サギゴケ

花の形だけではなく、名前が似た花もあります。ダイサギソウ、サギゴケ、シラサギカヤツリなどです。ダイサギソウは、名前だけではなく姿もサギソウに似た花ですが、寒さに弱いなどの特徴があります。サギゴケは湿地に自生する小さな花で、暑さにも寒さにも強いのが特徴です。シラサギカヤツリは北米産の水生植物で、潅水して育てる点がサギソウと大きく異なっています。

サギソウの季節別の育て方①早春

出典:BOTANICA

ここからは、サギソウの栽培方法を早春の植え付けから冬越しまで、季節順にご説明します。

植え付けは2月中旬頃から

サギソウの植え付けや植え替えは、冬越しを終えた2月から3月ごろに行います。前年の鉢から植え替えを行う場合は、鉢をひっくり返し、土の中で冬越しした球根を掘り出すところから始まります。

植木鉢の選び方

植え付けは平鉢(浅鉢)がおすすめ

サギソウは横に根を伸ばすので、浅い平鉢での栽培が適しています。平鉢は、底の穴から取り込んだ空気を根に届けやすいという特徴があります。もし赤玉土や鹿沼土で栽培する場合は底穴の上に網を置いて土がこぼれないようにし、網の上には大粒か中粒の土を敷くと水はけがよくなります。

通気性のよさは素焼きの鉢が一番

サギソウの根は、水分と同時に新鮮な空気も求めます。素焼き鉢は、プラスチック鉢と比べ通気性や透水性に優れ、水苔のような保水性の高い用土でも蒸れにくいという特徴があります。もし粒が大きめの鹿沼土など水はけのよい土を使う場合は、壁が厚めの素焼き鉢を合わせるとよいでしょう。風通しのよい場所では、壁が薄い素焼き鉢で風に吹かれているとすぐ乾燥してしまうからです。また、駄温鉢(だおんばち)も素焼きの鉢に比べ通気性や透水性は劣りますが、用いることができます。

土作り

サギソウは保水性がある用土に植え付けや植え替えを行います。生育に適した酸度は中性から弱酸性の間(ph7~3)です。代表的な用土は水苔、鹿沼土、赤玉土で、肥料を混ぜ込む必要はありません。

水苔

水苔はph4.5~6の弱酸性で、保水性も高く、サギソウの栽培に向いています。サギソウは水苔だけでも栽培できますし、赤玉土や鹿沼土の上に敷いて乾燥を防ぐために使うこともできます。乾燥した状態で売られている水苔を購入した場合は、使う前に水かぬるま湯で戻します。植え替える時は必ず新しい水苔と取り替え、もし栽培中にカビで黒ずんだときは、その部分だけ替えます。

鹿沼土と赤玉土

*素焼きの平鉢と鹿沼土

サギソウは水苔だけではなく、鹿沼土のみ、赤玉土のみでの栽培も可能です。赤玉土は、ph5~6の弱酸性の土で、鹿沼土よりも保水力があるのが特徴です。鹿沼土は、ph4~5の弱酸性の軽石です。鹿沼土は濡らすと色が変わるため、水やりのタイミングが分かりやすいという特徴があります。いずれも粒の大きさは、小粒または中粒を用います。粒が大きくなるほど水はけがよくなります。

山野草用土

各種配合された土を購入したいのであれば、山野草用土を選びます。山野草用土は鹿沼土、赤玉土などを混ぜ合せたもので、弱酸性に調整されています。花や野菜用の用土と同様に、園芸店やホームセンターで購入できます。

植え付け・植え替えの仕方

サギソウの球根

サギソウは、球根から栽培するのが一般的です。サギソウは群生を好みますので、球根は2~3cm間隔に詰めて植え付けます。ひとつの球根は秋になると3個ほどの球根を地下茎の先に付け、翌年になると新しい球根から芽が出ます。サギソウの球根は小さく、「イモ」とも呼ばれています。

サギソウの種

サギソウは、花がらを摘まなければ種を採取することもできます。花の後で実が大きくなりますので、熟して破れる前には採取するようにします。しかし種からの栽培は育て方が難しく、無事に開花するまで3、4年ほどかかりますので、球根から栽培するのが一般的です。

植え替えは毎年行う

サギソウの植え替えは毎年行います。病気を防ぐためや、鉢の端にできた新しい球根の場所を整えるためです。用土は新しいものと取り替え、植木鉢が汚れている場合はきれいに洗います。

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サギソウの季節別の育て方②春

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