ハリエンジュの育て方
ハリエンジュは本種ではない園芸品種があり、耐寒性が強く初心者でも育てやすい樹木です。園芸品種では、爽やかなライムイエローの葉をつける『フリーシア(別名:黄金ニセアカシア)』と、赤紫色の花をつける『カスケルージュ』という種類があります。葉色が爽やかなハリエンジュの育て方をご紹介します。
土作り
土壌は通気性と保水性のバランスが取れた環境を好みます。赤玉土や鹿沼土をベースに土作りを行うのが最適です。苗木の若いうちはまだ幹が細いので、土作りの際に腐葉土などをすきこむようにします。
水やりや施肥
地植えの場合は、自然の雨水で水分は十分です。鉢植えの場合には、夏場に水が切れてしまう場合があるので注意しましょう。肥料ですが、ハリエンジュは『*根粒菌』という微生物と共生します。そのため、肥料を与えていなくても日当たりがあまりに悪くなければ、成長が衰えることはありません。
ボタ爺
ハリエンジュは微生物から養分を分けてもらっておるんで、肥料が必須では無いんじゃ。
『根粒菌』とは
マメ科の植物の根に住む微生物で、空気中の窒素を吸収して有機物(養分)を作りだし、ハリエンジュから光合成物質をもらう代わりに養分を渡します。
剪定時期・方法
剪定は落葉時期の12〜2月頃に行います。枝が混雑している部分や、伸びすぎた枝は途中から切り落とし、樹形を整えます。あまりに混みいっていれば、枝元から切り落とします。また、台風シーズンに枝が伸び過ぎていると、根のつきが浅いハリエンジュは倒木などの危険があります。台風前には伸びた枝を整えるように剪定しておくと安心です。
植え付け・植え替え時期
植え付け、植え替えの時期は剪定時期と同じ12〜2月頃に行います。根の付きが浅い樹木なので、土は株の3倍程の深さまで掘り下げます。樹木がまだ若いうちは幹が細く曲がりやすいので、まっすぐ伸びるよう添え木をしましょう。
気をつけたい病害虫
湿度が原因で『カビ』の繁殖による、『うどんこ病』や『炭そ病』に注意が必要です。梅雨の時期や、秋口の乾燥時期にはよく観察をして、発生した場合には薬剤を使った早めの対処が必要です。害虫は5〜6月頃にはアブラムシが発生しやすくなります。また、枝や幹の中に入り込み、樹木の内部を食い荒らすカミキリムシ(テッポウムシ)に注意します。株元にオガクズ状の虫糞が落ちていたり、幹から『ヤニ』が出ている場合には幹に穴が空いてないか観察しましょう。
ハリエンジュの花言葉
ハリエンジュには『慕情』『親睦』『友情』『優雅』『頼られる人』など素敵な花言葉ばかりなので、最後にご紹介したいと思います。部屋にハリエンジュの花を飾ると、甘い香りに癒されますよ。
花言葉の由来
ハリエンジュの花言葉の『頼られる人』は木が腐りにくく、丈夫であることから付けられています。また、『親睦』『友情』などの花言葉もあるので、花がたくさん取れたときには、シロップ漬けなどにして、親しい友人へ贈るプレゼントとしてもいいかもしれませんね。
まとめ
ハリエンジュは日本の緑化などに貢献した樹木ですが、繁殖力が強すぎて栽培の規制をかけられそうになる『外来種問題』や、『ニセアカシア』の別名で広まり、『ニセ』があまり良くないことから『アカシア』のハチミツとして売られるなど、少し気の毒なエピソードを持つ樹木であるかもしれません。ですが、花言葉の『頼られる人』はさまざまなことに活躍したハリエンジュに合った花言葉ですね。園芸品種でも繁殖力は強いので、栽培する際には隣の植物から離して植えたり、花を楽しんだら、種が勝手に飛んでいかないよう摘み除いたりと、少し注意してみましょう。
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出典:写真AC