ハリエンジュとは?街路樹にも利用される樹木の特徴や育て方を紹介!

ハリエンジュとは?街路樹にも利用される樹木の特徴や育て方を紹介!

ハリエンジュという名前を聞いたことがありますか?ニセアカシアの名前で馴染みがあるかもしれませんが、ハリエンジュとニセアカシアは同じ樹木のことを指してます。今回は、本来の和名ではなかなか呼ばれないハリエンジュの特徴や、樹木の育て方などついてご紹介していきます。

記事の目次

  1. 1.ハリエンジュとは?
  2. 2.ハリエンジュの特徴
  3. 3.ハリエンジュの育て方
  4. 4.ハリエンジュの花言葉
  5. 5.まとめ

ハリエンジュとは?

ハリエンジュの木

別名は「ニセアカシア」

『ハリエンジュ』という名前を耳にしたことはありますか?日本では『ニセアカシア』の名前の方が馴染みがあり、ハリエンジュと聞いてもピンとこないかもしれません。北米原産の『落葉高木』に分類される樹木です。夏季にはふさ状に白い花を咲かせ、花から採取されるハチミツは、香りがよく人気があります。今回は、北米からやってきたハリエンジュの特徴や育て方についてご紹介していきます。

ボタニ子

ボタニ子

『ハリエンジュ』と『ニセアカシア』って同じ樹木のことなの?

ボタ爺

ボタ爺

同じ樹木のことじゃぞ。本来『ハリエンジュ』が和名になるんじゃがな。それは、基本情報で紹介しようかの。

街路樹として日本へ渡来

ハリエンジュが北米から日本に入ってきたのは明治初期の時代です。成長が早く、養分の乏しい土壌でもよく育つハリエンジュは、環境が悪く他の樹木が育ちにくい山や荒地の緑化や、海沿いの防風、砂防など災害を防止する目的、街路樹として植えるため日本に渡来しました。たくさんのハリエンジュが植えられ、日本の緑化などに貢献した樹木だったのです。

ボタニ子

ボタニ子

日本で大活躍した樹木なんだね!

ボタ爺

ボタ爺

ハリエンジュは耐寒性もある、強い樹木なんじゃ!

ハリエンジュの基本情報

出典:写真AC

分類 マメ科ハリエンジュ属
学名 Robinia pseudoacacia
和名 ハリエンジュ(針槐)
英名 Locust tree
別名 ニセアカシア
分布 北海道から九州、沖縄まで広く分布
樹高 20〜25m

『ニセアカシア』の名前で一般的に知られる『ハリエンジュ』ですが、学名がラテン語で『pseudo=偽りの acacia=アカシア』と表記されます。ここから、『ニセのアカシア』という名前の方が広がり、現在でも本来の和名であるはずのハリエンジュは別名のように扱われています。

ボタニ子

ボタニ子

本来の和名よりも『ニセ』とつく名前が広まったんだね!『ニセ』ってあまり印象がよくないんじゃない?

ボタ爺

ボタ爺

そうじゃな。『ニセアカシア』からは香りのいいハチミツが取れるんじゃが、商品名は『ニセ』という文字を取って『アカシア蜂蜜』として並べられておるんじゃ。

ボタニ子

ボタニ子

そうなんだ〜。でも『アカシア』って、確か違う種類の樹木だよね・・。

アカシアとの違い

アカシアの花

『ハリエンジュ(ニセアカシア)』のハチミツに『アカシア』と記載されますが、厳密にいうアカシアとは『マメ科アカシア属』に分類される違う種類の樹木です。葉のつき方などは多少似ますがハリエンジュよりも小ぶりで、黄色の花を咲かせます。

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ハリエンジュの外来種問題

困った顔のイラスト

荒れた土地の緑化や、街路樹として活躍したハリエンジュですが、その繁殖力の強さから在来種の生態系に悪影響が出てきてしまいます。現在では環境省により『生態系被害防止リスト』の中の『産業管理外来種』という区分に指定されています。一時期は栽培などの規制も検討されたようですが、ハチミツを作るための蜜源植物としてハリエンジュは貴重だったため、現在そこまでの規制はかけられていません。

ボタニ子

ボタニ子

外来種のハリエンジュは繁殖力が強くて、在来種の居場所にも繁殖したんだね!

ボタ爺

ボタ爺

そうなんじゃが・・ハリエンジュはクセのない上質な蜜が取れるんで蜜源植物としての需要が高いのじゃ。栽培ができなくなってはハチミツを作れなくなってしまうんじゃよ。

ボタニ子

ボタニ子

在来種に影響があるのも困るけど、ハチミツが取れなくなると養蜂家の人達も困っちゃうね。

ハリエンジュの街路樹

出典:写真AC

北海道の札幌市には街路樹や公園樹として、ハリエンジュが人気です。白い花をたわわに咲かせるハリエンジュは雪国である北海道にぴったりな花かもしれません。開花時期には花の香りがふんわりと漂います。

ハリエンジュの特徴

出典:写真AC

ハリエンジュは背が高く、木陰を作りやすいので街路樹や公園樹として人気があります。花はとても甘く華やかな香りで、1本の樹木からたくさんの花を咲かせます。ですが、花以外の樹皮、葉、実には毒性があるので注意が必要です。ここでは、部分ごとにハリエンジュの特徴をご紹介していきます。

実・種子の特徴

ハリエンジュの実は『豆果(トウカ)』という分類で、インゲンの鞘ような形をした実が特徴です。成長すると赤褐色になり、乾燥して果皮が裂けることで中の種子が飛びだします。また、果皮に種子をつけたまま風にのって遠くへ飛んでいき、芽を出します。種子は5mm程の大きさで、色は黒褐色で扁平な形をしています。ハリエンジュの種子は休眠性のものと、非休眠性のものがあります。

休眠性、非休眠性の種子

ハリエンジュを種子から育てようとした場合、芽が出てこなければ休眠性の種子の可能性があります。親木によって、休眠と非休眠が分かれるわけではなく、同じハリエンジュの親木から休眠、非休眠の異なった性質の種子が取れます。

花の特徴

ハリエンジュの花

出典:写真AC

ハリエンジュは白い花を鈴生りにつけるのが特徴です。花ひとつひとつから伸びた柄が一本の軸に数十個つき、垂れ下がるようにして花を咲かせます。花の大きさは柄の部分も入れて2cmくらいで、蝶の羽のような花弁が特徴です。5〜6月の開花期には華やかな甘い香りに、ミツバチなどが集まり、虫によって受粉が行われます。

ボタニ子

ボタニ子

白い花がたくさん咲いて、すごく綺麗だね!

ボタ爺

ボタ爺

花に毒性はないから、天ぷらや漬け込み酒などにして食べることができるぞ。華やかな香りを楽しめるんじゃよ。

葉の特徴

出典:写真AC

ハリエンジュの葉は薄く、『全縁』といって、葉の縁にギザギザがなくツルリとした楕円形で、葉先は少しくぼんだようになっています。枝から『互生』して葉をつけます。

樹皮の特徴

ハリエンジュの幹
Photo byHans

木が若いうちには幹と枝にトゲがありますが、成長していくにつれトゲがなくなっていきます。樹皮表面はゴツゴツとしていて、縦方向に裂け目が入ります。成長してくると裂け目が途中で交わるようになり、樹皮が網目状になります。

ボタニ子

ボタニ子

続いて、ハリエンジュの育て方をご紹介

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ハリエンジュの育て方

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