もみじの天ぷらってどんな食べ物?
もみじの天ぷらとは
もみじの天ぷらは、紅葉したもみじの葉に衣をつけて、油で揚げたお菓子です。もみじの名所とされる大阪府箕面市の伝統銘菓で、多くは歴史のある箕面公園に軒を連ねるおみやげ物店が通年で店頭や店内で揚げながら販売しています。
ボタニ子
もみじの天ぷらは京都の高尾などでも販売されています。
もみじの天ぷらの味
もみじの天ぷらは、もみじの葉と衣のパリパリとした食感が特徴的で、かりんとうのような味とも例えられます。見かけはあまり変わりませんが、売っているお店によってこだわりの味付けがあり、近年はブラックペッパー味など甘くないもみじの天ぷらも販売されています。
もみじの天ぷらの賞味期限
袋詰めで販売されるもみじの天ぷらの賞味期限は、約1カ月です。もみじの天ぷらは一般的な天ぷらと違い揚げたてよりも、しっかりと油を切って味を馴染ませたほうがおいしくなります。
ボタニ子
開封後のもみじの天ぷらは、賞味期限内でも早めに食べましょう。
もみじの天ぷらの歴史
もみじの天ぷらの歴史は諸説あります。確実な説がない点は、もみじの天ぷらのミステリアスな魅力といえるでしょう。
歴史①旅人へのおもてなし
もみじの天ぷらの歴史は古く、約1300年前に役行者という修行僧が、修験道場にやって来る旅人にふるまったのが始まりとされています。役行者は、箕面の山で修業をしていたときに大滝に映えるもみじの色に心うたれて、灯明の油でもみじを揚げたと伝えられてきました。
歴史②お供え物だった
もみじの天ぷらの歴史には、箕面公園内の聖天宮西江寺の本尊である大聖歓喜天(通称:しょうてんさま)に、境内に多く生えている楓の葉を油で揚げてお供えしたのが始まりという説もあります。
歴史③おみやげ物として販売
もみじの天ぷらは、明治時代のはじめごろから箕面の大滝近くでおみやげ物として販売されていたといわれています。1898年(明治31年)に大阪府営箕面公園が開園、1910年(明治43年)に箕面有馬電気軌道(現在の阪急電鉄箕面線)が開通して広く観光客のあいだに知られることとなりました。
もみじの葉は食べても大丈夫?
もみじの葉は食べられます。現在食用にされているもみじは、食べやすくするために品種改良して葉脈を柔らかくしたり、農薬を控えたりして、食べるために特別に栽培されたものだけです。
ボタニ子
公園や庭の観賞用もみじは、病害虫駆除のために農薬が散布されている場合があります。
ボタ爺
もみじは天ぷらだけでなく、お茶やジャム、料理やスイーツのいろどりなどに利用されるのじゃ
もみじの天ぷらに使う葉
もみじの天ぷらに使われる葉は、一行寺楓というハウチワカエデの園芸品種のひとつです。一行寺楓の葉は、掌状に5~9裂に先が裂けています。おもに箕面近郊の山林でもみじの天ぷら用に栽培して、葉が黄色になるころに収穫されます。
ボタニ子
掌状に9裂に先が裂けている一行寺楓の葉は珍しいそうです。
ボタ爺
もみじの天ぷらの中に9裂の葉があればラッキーじゃな
もみじの効能
効能①成人病の予防
もみじの葉は、ポリフェノールを多く含みます。ポリフェノールは糖類の分解・吸収を抑える効果があるとされます。油と糖を一緒に摂ったときに脂肪の吸収や、血糖値が上がるのを抑えるため、成人病の予防が期待できるでしょう。
効能②疲れ目予防
もみじの葉にはアントシアニンが含まれます。アントシアニンは、血行をよくしたり、網膜を保護する機能を高めたりする効果があるとされるポリフェノールの一種です。筋肉の緊張を緩和する作用もあるといわれ、目の焦点が合いにくくなるのを防ぐなど、機能を改善する効果が期待できます。
ボタニ子
次に、もみじの天ぷらがどうやって作られていくのかを、見ていきましょう。
出典:筆者撮影