ローズマリーの概要
ローズマリーは、地中海沿岸原産の常緑低木で、青や水色などの小さな花を咲かせます。日本の気候でも栽培しやすく、ほぼ一年中収穫ができるため家庭での栽培におすすめです。清々しい香りがあり、古くから料理や香料などさまざまに利用されています。また、リースやアレンジメントなどクラフトにも利用され、日本でも人気の高いハーブです。
ローズマリーの効果
ローズマリーは、記憶力や集中力を高めるのに効果的です。血行促進・抗酸化作用など健康や美容に関する効果があるとされるのもうれしいポイントです。また、消臭・防虫・抗菌作用・抗ウイルス作用といった暮らしに役立つ効果も期待できるでしょう。
ボタニ子
感染症が流行るタイミングで使いたいハーブなのね。
基本情報
園芸部類 | ハーブ |
形態 | 低木 |
科名属名 | シソ科マンネンロウ属 |
原産地 | 地中海沿岸 |
樹高 | 30~200cm |
花の色 | 青、紫、白、ピンク |
耐寒性 |
強い(耐寒性の弱い品種もあります) |
耐暑性 | 強い |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ボタニ子
葉をすぐ食べるような虫がつきづらく、難しい管理もないから育てやすいですよ!日本の温度にもなじみやすいのね。
ボタ爺
ただし、日本でも温度が低い北海道での越冬は難しいかもしれん。越冬するなら移動しやすい鉢植えのほうが安心じゃな。
立性・匍匐性・半匍匐性がある
ローズマリーには、立性・匍匐性・半匍匐性の3つのタイプがあります。タイプの見分け方のポイントは、枝の伸び方です。立性は枝が真っすぐ伸びるタイプで、横に広がらず樹形が整いやすいです。匍匐性は、地面を這うように伸びます。半匍匐性は、立性と匍匐性の中間です。立性のローズマリーは扱いやすく、初心者の栽培におすすめです。
ローズマリーの収穫方法
収穫のタイミング
ローズマリーは常緑で、枝が20cm以上の元気な株であれば一年中収穫が可能です。ただし、冬は成長が鈍くなるため、冬の収穫は少なめにしましょう。
収穫が可能な目安は?
苗がまだ小さい場合は、収穫は控えます。苗の枝を増やすために枝先の摘芯だけにとどめて、苗の成長を待ちましょう。摘芯した枝は量が少ないですが、料理などに利用できます。枝の長さが20cm以上に伸びたときが収穫可能の目安です。
ローズマリーの香りが最も高い時期は?
ローズマリーの香りが最も高いのは、開花前です。また、朝は香りが高いため、開花前の朝が最も香りの高いタイミングです。「開花前の天候のよい朝」のタイミングを狙って、収穫してみましょう。まとめて収穫して、料理用やクラフト用に乾燥させて保存すると長く楽しめます。
ボタニ子
花も楽しみたい場合は、開花させる枝を残しましょうね。
切り方のポイント
ローズマリーは難しい管理が少なく、初心者向きともいわれるハーブです。そのため、栽培している人は多いですが、収穫のやり方や枝の切り方、どこから切ってよいのかなど迷う人も少なくありません。切り方やどこから切ればよいかのポイントを押さえて、上手に収穫してみましょう。
①よく伸びた長い枝を選ぶ
収獲する枝は、よく伸びた長い枝で葉のきれいな枝を選びます。長く伸びて飛び出している枝から切るようにすると、樹形も整います。
②枝先から10cmくらいの脇芽の上で切る
枝先から10cmくらいの位置で、脇芽より少し上を目安にカットします。脇芽とは、葉の付け根から出てくる新しい芽のことです。脇芽の上で切るとその後脇芽が伸びてよい枝になり、また収穫ができるようになります。
ボタニ子
適切な切り方で収穫して、ローズマリーの枝を増やしていこう!次の年も長い日数の収穫を楽しめるよ。
収穫後の保存方法
収獲したローズマリーは、できるだけ早く利用するのが適切です。たくさん収穫できたけれどすぐに使えない場合は、冷蔵庫で保存したり、乾燥ローズマリーにしたりして保存しましょう。また、ドライフラワーで、さまざまなハンドクラフトに利用することもできます。
冷蔵庫での保存方法
冷蔵庫で保存する場合は、まず水でよく洗ってからキッチンペーパーなどで水分を取ります。新しいキッチンペーパーに包んだら、ジッパー付き保存袋や保存容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。保存に適した温度は、7~10℃です。
レンジで簡単に乾燥ローズマリー
まず、水でよく洗いキッチンペーパーなどで水分を取ります。次に電子レンジの600Wで3分間加熱します。初めて加熱する場合は、温度が上がりすぎないように様子を見ながら数分ずつ加熱しましょう。冷ましたら葉を取って完成です。しっかり乾燥できていれば、簡単に葉が取れます。乾燥剤とともに瓶などの密閉容器に入れて保存します。
保存期間はどのくらい?
冷蔵庫で保存したローズマリーは、できるだけ早く利用することをおすすめします。1~2週間ぐらいで使い切りましょう。乾燥ローズマリーは「消毒をした清潔な密閉容器に乾燥剤と一緒に入れて冷暗所に置く」ことで6ヶ月~1年は保存できますが、なるべく2~3ヶ月くらいに使い切ることをおすすめします。
ボタニ子
温度が高くなる部屋を避けて保存してね。6ヶ月よりも前に使い切って、新しい枝を収穫しよう!
出典:筆者撮影