ナメクジの退治方法まとめ！発生原因と予防法・対処法を詳しく解説！

ナメクジが好んで集まるエサを利用すれば、簡単に駆除することが可能です。

ナメクジは麦芽や酵母の香りが大好きです。そこでおびき寄せて駆除する方法として、ビールを利用し溺れさせます。ビールは深めの容器に入れて、ナメクジが出そうな庭やベランダの数箇所に置きます。アルコールに強い個体は逃げるので、容器から滑って出られないようサラダ油をプラスするか、塩または殺虫剤を加えておきましょう。

もしも用意したビール容器にナメクジが1匹も入っていなかったら、その原因は行動範囲外にあったためかもしれません。容器はナメクジが潜む場所から3m以内が理想です。もうひとつの原因として考えられるのはビールの材料です。駆除するのにビールはもったいないと、第三のビールを使うと見向きもされないので退治はできません。材料が麦であればアルコール飲料ではない、ノンアルコールでも効果はあります。

ナメクジを誘引するのに米ぬかを利用するのも有効です。ビールと同様、深さのある容器に大量の米ぬかと水を入れて溺れさせます。蓋のあるヨーグルトなどの容器に入れて、側面にナメクジが入る穴を開けます。これならば雨が降っても大丈夫です。

ナメクジに消毒用アルコール（エタノール）をスプレーで吹きかけると、浸透圧によって水分を蒸発させるために駆除できます。アルコールの他にも界面活性剤が含まれるキッチン用洗剤や、洗濯用漂白剤・トイレ用洗浄剤の酸や塩基を掛けても効果があります。

ナメクジを駆除するには、殺虫剤が効果的です。犬や猫などペットがいても安心な成分の殺虫剤もあります。例えば「燐酸第二鉄」は土壌に含まれている成分なので、犬や猫が口にしても中毒を起こしません。反対に「メタアルデヒド」を含む殺虫剤は有害であるため、使い方を慎重にする必要があります。

コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインは、ナメクジにとって神経毒となります。カフェイン2％を目安に濃いめに入れたコーヒーや、紅茶（水1リットルに対してティーバック3つくらいで煮出す）をスプレーして吹きかけると、ナメクジ対策として利用可能です。

食用のお酢や木酢液でも、ナメクジ撃退効果があります。クエン酸を使う場合は、水と1：1で希釈します。直接ナメクジに吹きかける以外にも、地面や鉢植えに吹きかけておくと他の害虫を含めて忌避剤になります。お酢は動物に無害な成分ので、ペットがいるご家庭も家の中へ侵入しない忌避剤として最適です。

ナメクジの天敵はコウガイビルです。この虫はナメクジの発生している場所に存在し、姿はミミズよりも細く、頭部がハンマーのような形をしています。コウガイビルはナメクジの体に巻きつき、捕食します。

折角ナメクジを退治しても、再び発生させてしまっては元も子もないでしょう。そこで、ナメクジを発生させない、嫌って寄り付かないようにする対策をご紹介します。

ナメクジが好む環境は酸性の土壌です。従いまして、その反対であるアルカリ性の土壌を作る必要があります。簡単なのは石灰を撒くことですが、ほかに木灰や木酢液を500倍に希釈してスプレーしても効果があります。また湿気のある場所も好むので落ち葉はコンポストで堆肥にしたり、鉢植えなどは棚に上げて潜む場所を減らしましょう。

ナメクジは秋の時期に多くの卵を産むといわれます。これが孵る前の時期、すなわち冬の間に卵を駆除することでナメクジが大量発生する原因を防げます。ナメクジの卵は円形をした2～3mmの透明ビーズのような形をしていて、土の中や落ち葉の積もった下に産み付けられていることが多いです。潰すよりも40度以上の熱湯を掛けると確実に撃退できます。

銅イオンを嫌う習性があるナメクジは、酸化して緑青（ろくしょう）が発生した銅線を鉢植えに巻き付けておくことで被害を防げます。もっと手軽にナメクジ忌避剤として市販されている、銅テープを利用してもよいでしょう。

前日飲んだ紅茶の葉を乾燥させて、鉢植えや種を蒔いた周辺を囲えばナメクジ忌避剤となります。飲んだ紅茶の葉にもカフェインが残っているため、危険であることを本能的に知っているので近づきません。紅茶と同様にコーヒー豆のカスも効果があります。ただし、梅雨の時期にはカビが発生する原因となるので、大量に撒かずに薄っすらと土が隠れるくらいにしておきましょう。

砂利は忌避剤というよりも、ナメクジの体に付着して移動を困難にする対策です。表面がザラザラした軽石のような種類の砂利を、人が歩く道に敷き詰めます。砂利以外では籾殻などでも同じ効果を得られます。

害虫であるナメクジは寒い冬の時期以外、いつも活動をしています。その被害は言葉では言い尽せない、無念さを抱かせます。家の中やペットがいると殺虫剤の使用をためらいますが、アルコールやお酢を使えば安全にナメクジを排除できます。大切な植物を守るためには、時間を掛けてコツコツとナメクジ対策をしていく必要があるようです。