リューココネの香り
リューココリネの香りの種類は2つ
香りの良さもリューココリネの特徴の一つです。花きに関する調査・研究を行っている「大田花き花の生活研究所」の芳香花の調査研究によると、
リューココリネの市場流通品種(12品種)を調査したところ、品種によって、異なる2つのタイプ、「バニラ」の香りと「スパイシー」の香りに分類できる。
バニラ系
この調査研究によると「バニラ」系の香りの特徴は、
バニラや桜餅を思わせるフローラル調の独特な甘さと、ややパウダリーな香りが特徴
スパイシー系
一方「スパイシー」系はというと、
“全体的に香りは弱いが、バラ様のすっきりした甘さにハーバル感のあるスパイシーな香り”
が特徴。原種の「コキンペンシス」や「ナルシオイデス」はスパイシー系に属します。園芸種でいうと「ディーセント」などはこちらに属します。
リューココリネの育て方① 栽培の注意点
高温多湿に注意
リューココリネの育て方のポイントは日当たりと水やりです。生育に適しているのは、日当たりが良く水はけの良い場所です。気をつけなければならないのは日本の高温多湿です。
5月頃〜秋まで休眠する
リューココリネは5月から6月ごろには葉が枯れ、秋まで休眠します。この時育て方を間違え、高温多湿にさらしてしまうと、球根が腐ってしまう恐れがあります。「水やり」の項を参考に、水分管理に充分注意をしてください。
寒さに注意
リューココリネは半耐寒性の球根植物ですから、寒さにあまり強くありません。耐寒温度は4℃程度。暖地なら、霜よけ対策をしっかりとすることで庭植えも可能になりますが、それ以外の地域では土が凍結した状態になると球根が枯れてしまいます。
寒い時期はベランダや室内へ
寒い地域の場合は、無理に戸外で栽培するのではなく、鉢植えにして、霜の当たらないベランダや室内での栽培を考えると良いでしょう。室内での育て方も戸外と同じです。充分な日当たりを確保するようにしましょう。
花期の注意
冬の間は葉っぱだけですが、春になると一気に花が咲き始めます。リューココリネの特徴でもある「細長い花茎」が伸びると、花の重さで倒れやすくなりますので、支柱をしてあげましょう。この時期には充分な日当たりを確保しなければなりません。蕾が出た時期に日当たりを良くしないと、花色が鮮明にならないからです。
花が終わる時期の注意
花の時期が終わると、葉が伸びてきます。葉は、気温が低い間は日当たりを確保しますが、日中の気温が25℃を超える頃に、強い日ざしに当てると、葉が早く枯れるおそれがあります。日中は暑すぎないよう注意して、葉が長く活動できるようにしましょう。
リューココリネの育て方② 植え付け
リューココリネの球根は、直径1cm~2cmほどです。その小ささに似合わず、30cm~60cmも茎を伸ばし、多くの花をつけます。球根の植え付けの適期は9月下旬~10月。市販の球根用培養土または、赤玉土4、鹿沼土4、腐葉土2の配合をめやすに培養土を作ってください。水はけと通気性の良さが肝心です。
鉢植えの場合
リューココリネの茎は非常に華奢です。ひとつの鉢に2~3球植えただけでは、少し寂しい印象になってしまいます。5号鉢なら5球程度、7号鉢なら10球程度が目安です。球根の上に用土が2cm~3cmほど被る程度の深さに植えつけます。
庭植えの場合
地植えの場合は、球根の高さの2倍の深さ、間隔は球根の幅3個分を目安に植え付けます。南向きの軒下など、日当たりと水はけのよいところに植えます。寒い季節には霜よけ対策をお忘れなく。
リューココリネの育て方③ 水やり
リューココリネには、球根植物ならではの育て方、水やりのコツがあります。
成長期の水やり
リューココリネの育て方で、最も注意が必要なのが水やりです。葉が開いてから開花までの成長期は、土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをする、というのが基本ですが、過湿にならないよう注意します。庭植えの場合は、花が終わる頃には水やりは控えめにする必要があります。土が過湿になると、土中で球根が腐るおそれがあるからです。
休眠期の水やり
花が終わったら、徐々に水やりを減らします。その後、葉が枯れると、休眠に入ります。ここからは、水やりを完全に停止します。鉢植えの場合も同様に、雨の当たらない場所で夏越しをさせます。できるだけ、涼しい環境においておきましょう。再び水やりを再開するのは秋、涼しくなってからにします。
リューココリネの育て方④肥料
植え付け時に緩効性肥料を与えます。葉が伸びはじめたら、根が肥料を欲しがっている合図。月3~4回程度液肥を与えます。
リューココリネの育て方⑤ 害虫・病気
ほとんど見られません
リューココリネの育て方⑥ 剪定
リューココリネは特に剪定の必要はありません。
リューココリネの育て方⑦ 球根のふやし方
鉢植えの場合
鉢植えの場合は、必ずしも分球が必要というわけではありません。リューココリネの茎や葉は細長く、葉の数も多くありません。そのため、2~3年植え替えなくても、それほど鉢の中が込み合わないという利点があります。その場合も水やりのやり方のところでご説明したように、雨の当たらない涼しい所で夏越しをさせる、という事にご注意くださいね。花が咲いたあとに種を採取。それをまいて増やすことも可能ですが、開花まで5年程度、とても長くかかりますので、個人で育てるにはあまり現実的ではないかもしれません。
庭植えの場合
リューココリネは育て方に注意すれば、毎年花を咲かせることも可能です。ぜひ挑戦して次の年も美しい花を咲かせてください。球根多年草ですから、植え替え時に分球して増やすことができます。庭植えの場合は、地上部が枯れたら球根を掘り上げてよく乾かし貯蔵しましょう。
まとめ
リューココリネは、秋~春に雨が降り、夏は乾燥するアンデスが原生地です。気候から言えば日本ではやや育てにくい植物といえます。しかし近年、日本ではたくさんの美しく新しい品種が開発され、花束やアレンジメント、生け花に欠かせない花となっています。束にして、洋風のアレンジメントの主役になることもあれば、その細長い華奢なシルエットを生かして、生け花の脇役を果たすこともあります。はかなげな外見とは裏腹に、切り花にすると、丈夫で長持ち。ぜひご自分で育てて、アレンジを楽しんでくださいね。
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