はじめに
ここでは春の訪れを告げてくれるチューリップの球根の保管方法をご紹介します。「堀り上げ」といって花が終わった後に、球根を収穫し、上手に保管すれば次の年も変わらず美しい花を咲かせてくれますよ。方法をチェックしましょう。
保管せず植えっぱなしだとどうなる?
植えっぱなしにされた球根は、品種にもよりますが、「つぼみがつかず、花が咲かない」「つぼみが小さく、花が咲いても去年より小さい」ことが多いです。休眠状態の球根はとても繊細です。毎年美しい花を楽しみたいのであれば、やはり球根を収穫し、保管しておく方法がベストです。
チューリップの球根って毎年新しいものを植えるのかと思っていたんだけど、きちんと収穫して保管すれば次の年も楽しめるのね。
毎年同じ球根から花を咲かせる喜びも感じられるよね。そのためには少し手間かもしれないどお世話してあげるのがいいんだね。
チューリップの球根の収穫
「掘り上げ」とは球根を地面から収穫することをいいます。掘り上げを行う方法や、適切な時期を見極めるポイントをご紹介します。
①チューリップの球根の収穫時期
チューリップは開花時期にもよりますが、大体は、花が咲き終わる5~6月ごろに堀り上げの準備を始めます。花を咲かせたまま放置しておくと、種を作るために栄養を使ってしまい、地中の球根が痩せてしまいます。状態のいい球根を掘り上げるためにも、開花期を迎えたはしっかり観察を続けましょう。
②チューリップの球根の収穫方法
チューリップの開花が終われば球根の収穫準備が始まるということですが、具体的にはどのようなことを行うのでしょうか。順を追ってご説明します。
1.枯れた花を摘み取る
3~4月にかけて開花期が訪れるチューリップ。1~2週間の間、美しい花で私たちの目を楽しませてくれたあと、花が枯れ始めます。花が枯れ始めたときを見計らって、花を摘み取ります。引き続き、光合成で養分を作り出せるように葉はすべて残しておきます。
確かに、植物は次の世代へ命をつなぐために花を咲かせるのだから、種を作るために栄養を花へおくるのは当然のことだね。
そうね。その花をとって種を作れないようにすれば球根に栄養が蓄えられるということなのね。
2.液肥で球根に栄養を与える
花を摘み取ることで、種を作るエネルギーはすべて球根に蓄えられるようになります。チューリップ自身が作るエネルギーに加え、さらに液肥で栄養を与えましょう。頻度は1~2週間に1度程度で十分です。たっぷり力を蓄えた球根をこの時期に作ります。
3.堀り上げして球根を収穫する
球根が十分に太って、葉が黄色く変色し、枯れ始めたころが掘り上げのタイミングです。地面と茎の境目のあたりでハサミをいれ、葉と茎を球根から切り離します。あとは丁寧に球根を掘り起こしましょう。
4.球根を分ける
堀り上げた球根は、土を落としながら1つずつに分割します。この際、あまりに小さな球根は年を越せず芽を出す可能性も低いので、破棄して構いません。分割した球根は水で洗ったあと、風通しのよい日陰に置き、しっかりと乾燥させます。
出典:BOTANICA