カシューナッツとは?
甘く柔らかな食感で、ナッツ類の中でも認知度が高い「カシューナッツ」ですが、ベトナムやインドなどの熱帯や亜熱帯地域を好む「常緑高木」で、冬がくる日本では栽培されない植物です。おいしくてついつい手が止まらず食べ過ぎてしまうことがあるかもしれません。今回は、カシューナッツを1日にどのくらい摂取してもいいのか、食べ過ぎるとどうなるのかという疑問や、効果・効能についてご紹介していきます。
「カシューアップル」と呼ばれる実
日本では栽培されていないので、カシューナッツが木になっているところを見ることは難しいですよね。普段日本で食べる、かわいらしい丸みをおびた姿の前は、ピーマンのお尻から大きなカシューナッツが突き出ているような不思議な見た目をしています。生産国などでは赤や黄色に色づく実を「カシューアップル」と呼び、熟すとそのまま食べたり、ジャムなどに加工したりするそうです。
ボタニ子
大きな種子の中に、普段食べているカシューナッツが包まれているんだよ!
ボタ爺
普段食べているのは種子の中心部分で「仁(ニン)」と呼ばれるものじゃ。
ボタニ子
梅干しの種を噛みくだいたときに、中にある白い玉なんかも「仁」だよ!
含まれる成分
カシューナッツに含まれる栄養成分にはオレイン酸や、ビタミン類に分類される「ビタミンB1」、ミネラル類に分類される「鉄」「亜鉛」「銅」「カリウム」「モリブデン」が多く含まれます。ビタミンB1、鉄、亜鉛、銅は他のナッツ類(アーモンド、落花生、マカダミアナッツなど)と比べてトップクラスの含有量です。
カシューナッツの効果・効能
ナッツ類の中でも、カシューナッツに多く含まれるビタミンB1は体内の「糖質」をエネルギーに変えてくれる効能をもっています。疲労を回復したり、神経の働きを正常に保ちイライラを抑えたりといった効果があります。また、ミネラル類は美容面での効果にも優れ、オレイン酸には血液をサラサラにしてくれる効果が期待できます。さまざまな栄養成分を含むカシューナッツですが、食べすぎは逆に健康を損ねてしまうので、適正量も後述します。
効能・効果①ビタミンB1について
じつはお酒を飲んだときに、血液中のアルコールを分解するため多くのビタミンB1が消費されています。糖質をエネルギーに変える効能をもつビタミンB1が多く失われると、体を動かすためのエネルギーが不足し体が疲れたり、だるくなったりといった症状を引き起こします。ナッツをお酒のお供として食べるときには、ビタミンB1を多く含むカシューナッツがおすすめですよ。
効能・効果②ミネラル類について
カシューナッツに多く含まれる「鉄」「亜鉛」「銅」はダイエット中にも心強い味方です。鉄は赤血球を作り、亜鉛は免疫力を高めたり、皮膚炎を抑えてくれたり、女性ホルモンを活発にする効能があるので、美容効果への期待もできます。銅は「活性酸素」を減らす「抗酸化酵素」や鉄の働きをサポートしてくれる効能があるので、ダイエット中は摂取する量に気をつけてカシューナッツを積極的に取りたいですね。
ボタニ子
ダイエット中に不足しがちな栄養素を、バランスよく摂取してキレイに痩せたいね!
ボタ爺
無理なダイエットは禁物じゃ!ナッツを適量、他の食材と食べることで健康的に痩せることへも繋がるぞ!
食べ合わせで効能がUP
食材に含まれる栄養素には、単体でとるよりも他の食材との食べ合わせで効能がUPする場合があります。カシューナッツに含まれる亜鉛は「ビタミンA」と一緒に取ることで、効能UPが期待できますよ。
ボタニ子
今日はお昼の「にんじんサラダ」にカシューナッツをトッピングしようかな!おやつは、シリアルにラズベリーとカシューナッツをトッピング!
ボタ爺
ボタニ子…。食べすぎには気をつけるんじゃぞ!
1日の適正摂取量
カシューナッツの最適な1日の摂取量は、20g(10粒くらい)程度です。ナッツ類の中でもカロリーが低いカシューナッツですが、20gでおよそ115kcalになるので、1日の食事とのバランスを考えて食べすぎないように気をつけましょう。
食べすぎには注意
油分も含まれるカシューナッツを食べすぎてしまうと、お腹がゆるくなってしまう可能性があります。また、脂質も含むため、適量範囲を大きく超えてしまうと逆に太る原因にもなってしまいます。食べすぎに注意して、野菜などと一緒にバランスよく食べましょう。
カシューナッツの食べ方
カシューナッツは、すでに加熱処理されているものや生の状態のままのものなどが販売されていますが、おすすめは生の状態のものを購入して自宅で炒めたり、焼いたりして加熱調理をする方法です。カシューナッツを生のまま食べないほうがいい理由や、簡単にできるローストカシューナッツの作り方をご紹介します。
生食は避けましょう
生のカシューナッツや、その他のナッツ、雑穀などには、芽が出て生育できる時期が来るまで発芽をしないよう、成長酵素を抑制するための物質を持っています。その抑制物質を摂取し続けてしまうことで、消化不良や、体のだるさ、免疫力の低下などの症状を引き起こしてしまう恐れがあるので、生食はあまりおすすめしません。
ローストカシューナッツ
生のカシューナッツを加熱することで栄養成分が減ったりしないのか気になりますよね。確かに少量の減りはあるものの、栄養成分がガクリとおちるわけではありません。熱に弱いと言われるオレイン酸も、150℃くらいの低温で加熱する分には壊れにくいのです。ただ、加熱した後は、ナッツに含まれる油分は酸化しやすくなるので早めに食べ切るようにしましょう。
ボタニ子
香ばしくて美味しいローストカシューナッツの作り方をご紹介!
ローストカシューナッツの作り方
ローストカシューナッツの作り方は簡単です。オーブン(トースター)やフライパンでもローストできるので、ぜひ試してみてくださいね。塩分なども自分の好みで調整できるので、おすすめです。
- 天板に生のカシューナッツを広げ150℃に予熱したオーブンへ入れる
- 時間を15分にセットする
- 5分ごとに火通りが均一になるよう混ぜる
- ほんのり色がついたら完成
ボタニ子
フライパンの場合は油を引かずに、弱中火で10〜15分炒って好みで塩をふってね!
まとめ
カシューナッツの効果や効能はおわかりいただけましたか?小さい一粒にもたくさんの栄養成分が詰まっていますね。ビタミンB1やミネラルなどを多く含み美容効果やダイエットにはもちろん、風邪を引きやすい、健康的な若々しさを保ちたい人も積極的にとりたいナッツですね。ただ、お腹を満たすため大量に食べすぎてしまうのはカロリーオーバーになるので気をつけましょう。また、加熱しても栄養成分が大幅に減ってしまうわけではないので、簡単にできるロースト方法をぜひ試してみてくださいね。
出典:写真AC