育て方のポイント②栽培方法
湿地性は地植え向き・畑地性は鉢植え向き
草丈が高い湿地性カラーは地植えに適しています。耐寒性もあるので、地植えのまま冬越しも可能です。ただし球根が凍ると枯れてしまうので、腐葉土などでマルチングして、土が凍結しないようにすれば、安心して冬を越せます。一方、畑地性カラーは耐寒性が低く地植えでの冬越しが難しいので、鉢植え・プランターでの栽培がおすすめです。日当たりのよい場所に置き、真夏は涼しい半日陰に、冬は室内へ移動させるとよいでしょう。
育て方のポイント③植え付け・植え替え
植え付け・植え替えに適した時期は?
植え付けの適期は3月~4月です。日当たりと風通しのよい場所が絶対条件ですが、湿地性カラーは乾燥を嫌うので、土が乾燥しないように注意しましょう。カラーは長い間同じ場所で栽培していると、土の質が悪くなったり、カラーの生育が悪くなったりするので、3~4年に1度の周期で植え替えます。植え替えに適した時期は、植え付けと同じく3~4月です。
植え付け・植え替えの仕方は?
鉢植えの場合、大きくなりやすい湿地性の球根は8号鉢に1球が植え付ける目安です。深さは球根の頭が地表と同じくらいの位置にくるように植え付けましょう。深植えは厳禁です。畑地性の球根は、6号鉢に対して2球が目安になります。球根の頭が土の表面から2~3cm下くらいの深さになるように、土をかぶせておきましょう。地植えは株同士の間隔を20~30cmほど空け、深さ5cmの位置に球根を植え付けていきます。
植え替えの適期と仕方は、植え付けの適期と仕方と同じだよ。ただし、植え替える際は、球根に殺菌剤をまぶしてから作業に入ってね。
植え替える球根、つまり栽培して数年が経過している球根は病気にかかりやすくなっています。そのため、殺菌剤で消毒する必要があるのです。
続いては、④水やり⑤肥料⑥病害虫⑦剪定
育て方のポイント④水やり
湿地性カラーの水やり
湿り気のある環境を好む湿地性カラーの水やりは、土の表面が乾きかけたときに水を与えるのが基本です。乾燥が続くと花が咲かなくなってしまうので注意しましょう。特に水分の蒸発が激しい真夏の時期は要注意です。鉢植えの場合は、受け皿に水を張っておくのもよいでしょう。休眠期にあたり冬の時期も、湿地性カラーは乾燥し過ぎない程度に水やりします。
畑地性カラーの水やり
多湿を嫌う畑地性カラーは、水やりし過ぎると根腐れを起こして枯れてしまう恐れがあります。土の表面が乾いたところで、水やりするのが基本です。休眠期にあたる冬の時期は、乾き気味に管理します。
育て方のポイント⑤肥料
カラーはあまり肥料を必要とする植物ではありません。この点は湿地性も畑地性も共通しています。最初の植え付けの際に、土に緩効性化成肥料を混ぜ込み、追肥として4月~6月に月1回のペースで固形肥料を適量置き肥するか、週1回のペースで液体肥料を施せば十分です。休眠期の冬は必要ありません。
肥料が多いと株が徒長して、見た目が悪くなる、株が倒れるといった生育障害が起こってしまいます。与え過ぎないように注意してくださいね。
育て方のポイント⑥病気・害虫対策
注意すべき病気は?
畑地性カラーは「軟腐病」に注意が必要です。軟腐病とは球根が腐ってしまう病気で、高温多湿な環境で起こりやすいとされています。発病すると薬剤で防除できなくなってしまうので、予防法が重要となります。まずは球根を濡らさず、植え替えの際はしっかり消毒することです。そして使用する用土や鉢は、常に清潔で雑菌の少ない新しい物を用意します。梅雨時など高温多湿な時期には特に注意しましょう。
注意すべき害虫は?
アブラムシに注意が必要です。アブラムシは植物の汁を吸い、生育障害を引き起こす害虫ですが、ウィルス系の病気の媒介虫となることがあります。ウィルスを持ったアブラムシがカラーにつくと、たちまち病気にかかってしまいます。普段から株をよく観察し、発見次第薬剤で駆除しましょう。
育て方のポイント⑦剪定・球根の管理
通気性を確保するためにも枯れた葉や花は迅速に、丁寧に取り除きましょう。ただし、葉は球根に養分を送り、成長させる役目があるので、黄色くなるまでは切らずに置くのが基本です。反対に葉が茂り過ぎた場合は、葉や花芽を摘んで整理しておきましょう。
葉が茂り過ぎると風通しが悪くなるし、株元が混み合ってきて茎が倒れる原因にもなるから、きちんと整理しようね。
花が終わったら?
花が終わったら冬越しの準備に入ります。耐寒性の低い畑地性カラーの球根は、葉が枯れた後に掘り起こしましょう。枯れないように湿らせた水苔に包み、5℃以上の場所で、植え付け・植え替えの適期が来るまで保管します。湿地性カラーの球根は土が凍らない温暖な地域なら、そのままでも冬越し可能です。鉢植えの場合は室内や温室に移動させましょう。
まとめ
個性的な花姿が美しく、素敵な意味の花言葉が多いカラーは、タイプの違いに気をつければ、意外と育てやすい植物でもあります。きれいな切り花を買うのもよいですが、お家で育てて美しく育った姿を眺めるのもよいですよ。ぜひお庭で健やかに育て上げて、美しい花姿を存分に堪能してくださいね。
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出典:写真AC