カルセオラリアとは?
カルセオラリアは、実に魅力的な花です。ここでは、カルセオラリアの特徴などをチェックしていきましょう。
カルセオラリアの特徴
ユニークな花形
カルセオラリアはかわいらしいふくらみがあり、個性的な花を開花させます。カルセオラリアの名前の由来は、ラテン語で小さな靴を意味する「calceolus(カルセオルス)」から由来しているといわれています。ぷっくりとした花の形は、小さい子どもが履いている靴のように見えるでしょう。
呼び名もユニーク
カルセオラリアは、他にもいろいろな呼び名をもっています。海外では「スリッパフラワー」や「ポケットブックフラワー」「ポーチフラワー」、日本では「巾着草(キンチャクソウ)」と呼ばれています。どれも形に由来したものばかりです。呼び名の多さは、とても愛されている花であるといえそうです。
南米生まれの春の花
カルセオラリアは、ゴマノハグサ科の植物です。原産国・生息地は、アルゼンチンやチリ、ペルー、ニュージーランドランドなど南米が中心です。葉っぱは卵型で対生しており、茎はやわらかい毛に包まれています。4月下旬から6月中旬に開花する春の花です。高さは10~30cm程度とコンパクトなサイズで、気軽に育てられます。
カルセオラリアの種類
品種は400種類にも
日本に持ち込まれたのは大正時代といわれています。意外に古くから日本で栽培されていたのです。品種改良が盛んに行われており、細かく分類するとなんと400種類にもなるそうです!
ボタニ子
そんなにたくさんあるなんて知らなかったわ!どんな種類があるのか見てみよう!
さまざまな花形や花色
カルセオラリアには、大きさや形の違うものがさまざまあります。開花した花は、丸い球状のものや傘状のもの、長い穂になるものなどバリエーションが豊富です。花の色も黄色やオレンジ、赤、白、紫などとたくさんの種類があります。よく店頭で見かける代表的なものは「ミダス・カルセオラリア」という品種です。花色が黄色で貝のような形が特徴です。他には黄色に赤い斑点があるタイプ、赤に濃い赤の斑点があるタイプなどもあります。斑点のあるものも、ミダス・カルセオラリアと同じく比較的店頭で見かける品種です。
宿根草タイプ
ミダス・カルセオラリアなど店頭によく並ぶ種類は耐寒性がなく、冬越しできないものが多いため、一年草として育てるのが一般的です。店頭にはあまり並びませんが、多年草の品種もあります。多年草とは1年で枯れずに、数年にわたって何度も開花する植物のことです。多年草の一種にカルセオラリア・ビフロアという品種があります。多年草のなかの宿根草という種類で、比較的耐寒性もあります。宿根草は一度花が枯れてしまっても土の中の根が残ることで、また次の年に開花するのです。
低木タイプ
カルセオラリアは草丈が低いものが主流ですが、庭で育てる低木の品種もごくまれにあります。よく市場に出ているのはカルセオラリア・インテグリフォリアという品種です。茎は直立していて、葉っぱは先が尖った卵型をしています。春から初夏にかけて茎の先にたくさん開花させ、比較的耐寒性もあります。鮮やかな黄色の花を開花させるのが特徴です。他の低木のタイプにはカルセオラリアメキシカーナという品種もあり、袋状になった小さい風船のような花を咲かせます。
ボタニ子
こんな珍しくてかわいい花、家で育ててみたいな。どんな風に育てればいいか見てみよう!
カルセオラリアの育て方
魅力的なカルセオラリアはどのように育てればよいのでしょうか。ここでは、カルセオラリアの育て方について詳しく見ていきます。
育てるのに適した環境
温度管理に注意
春になるとミダス・カルセオラリアなどの開花株が、園芸店などに出回ります。苗から育てる人はこのタイミングで買って育てるとよいでしょう。カルセオラリアは温暖で乾燥した気候を好みます。耐寒性はあまりないため、冬は庭に出さず、できるだけ日当たりのよい室内で温度管理をして育てます。温度管理と日当たりに気をつけることで花の付きや色つやもよくなるでしょう。
育てるときは鉢植えで
ミダス・カルセオラリアを中心としたカルセオラリアは、温度管理が必要で場所を選ぶため、庭に植えずに鉢植えで育てるのが一般的です。特に花が大きいタイプは雨があたると花が傷みやすく、鉢植えで室内で育てるのに向いています。庭で育てたいという方は花の小さいタイプを選ぶとよいでしょう。
カルセオラリアの水やり
水の量に注意
カルセオラリアは水やりのしすぎも水ぎれも苦手という敏感な花です。水やりをしすぎると根が腐り、枯れると花がしぼんでしまい、元に戻らなくなってしまいます。水やりは土が湿っている時間は与えず、土が乾いたら与えるようにしてください。水やりでは花や葉っぱの上からかけずに、根元にやさしく与えるようにしましょう。鉢の底から水が流れ出る程度にたっぷり与えるのが水やりのポイントです。
肥料の与え方
肥料は薄めた液肥
肥料は薄めた液体肥料を使用します。濃度が濃すぎると根を傷めてしまうからです。市販で指定されている濃度の半分くらいを目安にしましょう。発芽後、本葉が開いたら週に1度程度与えます。5月以降は、液肥は必要ありません。
ボタニ子
なかなか繊細な花なんだね。こまめに様子を見にいって管理するのがよさそう。植え替えるときのポイントを見てみよう!
出典:写真AC