クマガイソウの育て方
クマガイソウ(熊谷草)は野草のため、環境によっては育てることが難しく、また、鉢植えの場合は植え替えや株分けを行う必要があるため、園芸初心者がうかつに手を出すと、最悪の場合は枯らしてしまう可能性が高いです。そこでこの章では、クマガイソウを失敗せずに育てるポイントや、植え替え時期や肥料の与え方など、いくつかご紹介していきますので、ひとつずつ押さえていきましょう。
地植えの場合
クマガイソウの育て方のおすすめは、地植えにすることです。クマガイソウの多くは野山などに自生しているため、その環境と同じか、もしくはそれに近い環境で栽培すると失敗しにくいはず。具体的には、直射日光を避け、日の当たらない場所に植えます。水やりは土が完全に乾いてから行えば、根腐れの心配もありません。
地植えなら、ほとんど世話はいらず、夏の暑ささえ乗り切れる環境下なら、冬に落ち葉などをかけてあげるだけで丈夫に育つので、クマガイソウの地植えは、初心者におすすめの育て方といえますね。
クマガイソウの地植えのポイントまとめ
- 直射日光の当たらない日陰に植えましょう
- 水やりは土が乾いたら行いましょう
- 冬は落ち葉をかけるなどして、凍結に注意しましょう
鉢植え(プランター栽培)の場合
クマガイソウを鉢植えで育てるポイントは、鉢を置く場所です。鉢植えのメリットは、地植えのように固定されていないので、好きな場所へ移動できるところです。こう聞くと「鉢植えのほうがよさそう!」と思うかもしれませんが、根詰まりを防ぐために、植え替え作業を行う必要があるため、こまめに世話ができる人でないと失敗しやすいのが、鉢植えのデメリットといえますね。
育て方のポイントは、できるだけ水はけの良い土に植えることと、水やりはほどほどに。あとは根詰まりに気をつけて、日陰かつ風通しの良いところで育てれば、丈夫に長持ちしてくれます。肥料は「ハイポネックス」がおすすめです。4〜6月、9〜10月ごろの気温が安定している時期に、月3回程度、液体肥料を与えましょう。
ただし、液体肥料のハイポネックスは、薄めて使うものなので、パッケージ裏の注意書きをよく読みながら適切な分量を薄めて使用してください。
クマガイソウの鉢植え(プランター栽培)のポイントまとめ
- 日陰で風通しのよい場所で育てましょう
- 根詰まりに気をつけて、大きくなったら植え替えを行いましょう
- 水やりはほどほどに。液体肥料は月3回
- 冬は室内の温かい場所へしまいましょう
クマガイソウの植え替えで失敗しないポイント4つ
クマガイソウ(熊谷草)は地下茎が長く伸びる性質のため、2年に1回は植え替え作業を行いましょう。大変ですが、コツを掴み、慣れてしまえば誰にでもできます。この章では、クマガイソウの植え替え作業で、失敗しないためのポイントをいくつか挙げていきます。
植え替えの時期はいつがベスト?
クマガイソウを植え替える時期は、秋ごろか、花芽がしっかりしてくる1〜3月ごろが適切です。暑さに弱い植物なので、くれぐれも夏の炎天下に植え替え作業を行わないように気をつけてください。また、1〜3月と記載しましたが、極寒期に植え替えるのもクマガイソウにとっては過酷なので、この時期でもできる限り、気温が安定した日に行ってください。
根を切らないように注意しよう
クマガイソウを植え替えるときは、根を切らないように、細心の注意を払いながら行いましょう。スコップなどを使って、できる限り優しく掘り出してくださいね。この際、掘り出した株に絡まっている土は、不要なのできれいに洗い流してください。
洗い流したあとは、スコップにぶつかって傷んだ根を清潔なハサミで切り取りましょう。傷んだ根をそのままにしておくと根腐れを起こす原因になりますので、ハサミで切った切り口には消毒剤を塗っておくと安心ですね。
植え替えるときは株分けしよう
クマガイソウを植え替えるタイミングで、株分けも同時に行いましょう。クマガイソウは株分けで増える植物なので、2年に1回の植え替え時期に株分けをしておくとよいですね。株分けする際は、根を引きちぎらないように、優しく手でほぐすように行いましょう。
きれいな新しい土に植え替えよう
クマガイソウに限らず他の植物にも言えることですが、植え替えるときは必ずきれいな新しい土を使用してください。というのも、古い土をそのまま使うと、土の中に潜む虫や菌にやられてしまう可能性があるからです。植木鉢も新しいものを用意してください。
まとめ
クマガイソウは絶滅危惧種のひとつでもある、たいへん貴重な植物です。そのため、実物を目にする機会は少ないかも知れませんが、その特徴的な姿形は、武将の後ろ姿から付いたという、奥の深い歴史とロマンを感じる花なのですよ。
ですので、クマガイソウの自生地へ足を運んだ際には、ぜひとも、その「武士のごとく凛々しい佇まい」を、ゆっくりと観察してみてくださいね。
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出典:写真AC