ベンジャミンの概要
観葉植物の人気品種
ベンジャミンは観葉植物の1つです。光沢がある小ぶりな葉を、こんもりと茂らせる独特の樹形、さまざまな形に仕立てやすい柔軟な枝、強い刈り込みにも耐えられる丈夫さなど、とても扱いやすくて育てやすいことから人気が高く、室内やオフィスのインテリアとして、よく利用されています。風水的にも縁起のよい観葉植物であることから、祝い事の贈り物としても人気です。
ベンジャミンの基本データ
学名 | Ficus benjamina |
科名 | クワ科 |
属名 | フィカス属 |
原産地 | インド~東南アジア |
園芸分類 | 観葉植物 |
樹高・草丈 | 30cm~2m |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
もともと室内インテリアとして利用されることが多い植物ですが、耐寒性が低いので冬の間は室内管理が基本です。
観葉植物は耐寒性が低い品種が多いから、室内で育てるのは栽培管理の点で見ても、理に適っているということだね。
ベンジャミンの特徴
特徴①豊富なバリエーション
種類や品種によって、葉の色や形にさまざまなバリエーションがあります。また、細い幹を三つ編み状に仕立てたり、らせん状に曲げたりと、仕立て方のバリエーションも豊富です。もちろん、自然樹形のまま育てても大丈夫ですよ。強い刈り込みにも耐えるので、剪定で好きな形に整えることもできます。このように好みに応じた姿に加工しやすい点も、ベンジャミンが高い人気を誇る理由でしょう。
特徴②実をつけることがある
ベンジャミンはイチジクの仲間なので、「陰頭花序(いんとうかじょ)」という、実の中で花を咲かせる性質を持っています。ただし、ベンジャミンが実をつける周期は不定期なので、必ず見られるものではありません。実は球形で大きさは直径5mm~6mmほどと小さく、最初は緑色ですが、時間の経過とともに赤く変色します。食用は可能ですが美味しくないので、食べるのはおすすめできません。
特徴③葉が落ちやすい
ベンジャミンは丈夫な植物ですが、急な環境の変化や水切れなどで、葉を落としやすいという弱点があります。特にベンジャミンの鉢植えの置き場所を移動させる際は、徐々に環境に慣らしていくようにしましょう。室内栽培でも同じです。また、室内栽培の場合は乾燥を防ぐために、冷暖房器具の近くに置かないように注意しましょう。
ベンジャミンの種類・品種
フィカス・ベンジャミナ(ベンジャミン・ゴムノキ)
「観葉植物のベンジャミン」といえば、一般的にはこの種を指します。光沢がある緑色の葉と、白っぽい幹とのコントラストが美しく、どんな部屋にも合うため、グリーンインテリアとして人気が高い品種です。幹の柔軟性を活かし、三つ編み状に仕立てた物がよく流通しています。
ベンジャミン・バロック
くるくるとカールした葉という、非常に個性的な特徴を持つ品種です。新芽は明るい緑色ですが、成長するにつれて深緑色に変わります。大きく育てば新芽と成長した葉との緑のグラデーションを楽しめるようになるでしょう。ちなみにバロックとはルネサンス期以降に生まれた言葉です。「自由な葉を持つ品種」という意味で名づけられました。
バロックの語源は諸説あるけど、「歪な形状の真珠や宝石」という意味があるポルトガル語の「barroco」とする説が有名だよ。
ベンジャミン・ブラック
名前が示すように、黒みがかった濃い緑色の葉が特徴的な品種です。卵型の葉の形が濃い葉色とあいまって、とても落ち着いた印象を与えます。シックで大人びた雰囲気の部屋にしたいときのインテリアとして、おすすめの品種です。
ベンジャミン・スターライト
突然変異で誕生した、斑入りの葉を持つ品種です。ベンジャミンの濃い緑色と、縁に入った大きな白い斑模様とのコントラストが美しく、他のベンジャミンよりも部屋が明るく見えるので、観葉植物としても非常に高い人気を誇ります。ただし、他品種と比べると耐寒性や耐陰性が低いので、冬期の管理には注意が必要です。
ベンジャミン・ヌダ
細長い肉厚の葉が特徴的な品種です。ベンジャミンの他品種と比べると耐寒性・耐陰性が高く、しかも葉が落ちにくいという素晴らしい長所を持っています。ただし、他品種よりも生産量が低くて入手しにくいので、購入の際は注意しましょう。肉厚の葉のため枝が垂れ下がりやすく、素朴な雰囲気があります。ナチュラル系の部屋で、自然樹形で楽しむのがおすすめです。
ベンジャミンの花言葉
ベンジャミンの花言葉は「家族の絆」「夫婦の愛」「結婚」「永遠の愛」「融通のきく仲間」「信頼」「友情」です。「家族の絆」「夫婦の愛」は、インドやネパールではベンジャミンを「聖なる木」として大切に扱っていることに影響されてつけられた花言葉だと言われています。よい意味の花言葉が多いのも、ベンジャミンが祝い事の贈り物として重宝されている理由でしょう。
ベンジャミンの育て方
ここからは、ベンジャミンの育て方について紹介します。ベンジャミンは丈夫で育てやすい観葉植物ですが、植え替えや剪定といった作業や、水やりや冬越しなどといった日常の手入れや季節の手入れ法など、育て方のポイントをしっかり抑えて育てることで、より美しく健やかに育てられます。美しいベンジャミンの木を、より美しく育てて、最高のグリーンインテリアに仕立て上げましょう。
ベンジャミンの育て方・一年間の管理スケジュール
行う作業 | 作業の適期 |
植え付け・植え替え | 5月~7月 |
剪定 | 5月~7月 |
肥料 | 5月~10月 |
上記の表は、一年間に行う主な作業と適期を大まかにまとめたものです。ただし適期は、その年の天候・気象条件や栽培環境などによってズレる場合もあります。あくまでも参考程度にとどめておきましょう。この他、日常的な手入れや水やりなどの細かい作業や、栽培に適した土や肥料の種類といった詳しい事柄については下記をご覧ください。
育て方のポイント①栽培環境
日当たりのよさが絶対条件
ベンジャミンは耐寒性・耐陰性が低いため、日当たりがよく暖かい場所が絶対条件です。室内で管理する場合も、窓辺のようなよく日が当たる場所がよいでしょう。気温は5℃以上をキープできれば、どこでも問題ありません。ただし、夏の直射日光に当たると葉焼けしてしまうので、夏は日差しを和らげる工夫を施しておきましょう。急な環境変化にも弱いので、配置換えはできるだけ避けるのが基本です。
生育が鈍る冬の時期も、室内で日当たりがよく、暖かい場所を確保しましょう。
配置換えをする場合は?
急な環境変化に弱いベンジャミンは、置き場所を変えるとすぐに葉を落としてしまいます。そのため、置き場所を一度決めたら移動させないのが基本です。どうしても配置換えする必要が出た場合は、3週間くらい時間をかけて違う環境に慣らしていきます。移動先の環境に合わせて日照量を徐々に増減させ、段階的に移動させていけば、ダメージを抑えて落ちる葉を減らせますよ。
出典:写真AC