見栄えが悪いドラセナはどう対処する?
観葉植物のドラセナは、育ちすぎて葉がボサボサと見栄えが悪くなったり、ひょろひょろに伸びすぎてひ弱な温床を与えたりすることがあります。日当たりが悪く、重なった下の葉が枯れたように見えることもあるでしょう。「幸福の木」と名前が付けられていることもあり、新築祝いなどで贈られることもあるため、見栄えよく育てたいと考える方も多いです。
伸びすぎたら剪定で対処しよう!
ドラセナが伸びすぎてしまったら、剪定して形を整えられます。不要な葉や茶色く変色して枯れたような元気のない葉を間引くと、風通しや日当たりがよくなります。葉だけではなく、不要な枝を切り戻しするのもおすすめです。あまりに伸びすぎた場合は、根本に近い幹だけを残してすっきりさせるほうがよいかもしれません。
剪定の時期
ドラセナの剪定は、成長期の5月~9月ごろまでにするのが望ましいです。しかしボサボサした茎や枝を大量に切ったり、幹を切り戻したりした場合は、6月の梅雨入り前までに剪定し終えておくとよいでしょう。多少切りすぎて貧弱に見えても、すぐに枝から芽が出て葉が生えてくるからです。盛夏の7月や8月、残暑のきつい9月ごろにずれ込むと、真夏の暑さや光の強さでダメージを受ける心配があります。
観葉植物の多くは、休眠期にあたる秋から冬にかけて剪定をすると、葉や枝が伸びずに枯れたように見える場合があります。ドラセナも例外ではありません。特に切り戻し剪定をすると、丸坊主のまま冬を越すことになり寂しい印象を与えるため注意が必要です。なお、剪定の目安は2~3年に1回で問題ありません。
伸びすぎたドラセナの剪定に必要なもの
園芸用のはさみ
ドラセナの形をすっきりさせるなら、観葉植物の手入れができる園芸用のはさみだけでかまいません。ボサボサの葉や脇芽を剪定する目的なら、芽切りばさみがあればよいでしょう。手になじむからといって、キッチンばさみなどで代用するのは衛生面でおすすめできません。
剪定用のはさみは、よく切れる清潔なものが望ましいです。錆や汚れのせいで切れ味が悪いと観葉植物の枝や茎の組織を押しつぶしてしまい、傷つく恐れがあります。傷から病原菌が入って枯れる原因にもなりかねません。また、あまった枝を挿し木にしようとしてもうまく根が張らず、失敗する可能性があります。
園芸用のはさみを用意する目安
- 剪定用ばさみ:鉛筆程度の茎や枝を切る
- 芽切りばさみ:鉛筆よりも細い枝や茎、葉などを切る
剪定ばさみは消毒する
剪定に使うはさみは、使う前に消毒しておきます。エタノールスプレーを吹きかけておくとよいでしょう。アルコールがない場合は中性洗剤で洗う、もしくは熱湯消毒をするなどして水気を拭いておく方法もあります。
癒合剤(ゆごうざい)
葉を取っただけでは必要ありませんが、茎や枝の剪定をした場合は切り口を保護しなくてはいけません。ドラセナの断面に癒合剤(保護剤や殺菌剤ともいう)を塗っておくと、細菌の感染を防げます。癒合剤はホームセンターやインターネット通販で入手可能です。塗る際にはハケのような道具が必要な場合があるため、事前に確認しておきましょう。
伸びすぎたドラセナの剪定のやり方
手順①変色した葉っぱを取り除く
全体的に変色しているドラセナの葉は枯れているため、もとの青々した様子に戻ることはありません。黄色や茶色に変色した葉を根本からカットして取り除きます。見栄えが悪いため、折れた葉や重なって垂れた葉も同様に剪定しましょう。葉の一部が変色しているだけであれば、黄色や茶色になっている部分だけを取り除きます。なるべく葉の形に沿って葉先が三角形になるように切ると違和感がありません。
ボタニ子
まずは伸びすぎて枯れたり、傷んだりしている葉を取り除くことからね!
手順②伸びすぎた枝を切る
ドラセナは成長するにつれて新しく分岐した枝が出やすく伸びすぎた印象を与えるため、枝や茎を剪定して木の形を整えます。葉が混み合っている部分や茶色く変色した葉が多い場所から手前側の枝を選んで切ると、奥行きが出てバランスが取りやすいです。葉を刈り込みすぎると光合成をしにくくなるため、上部の葉は2~3枚残しておきます。最後に切断した面に癒合剤をぬりましょう。
枝や葉の再利用法
変色していないドラセナの葉っぱを、生花とあわせて飾りましょう。花瓶にいけてもよいですし、ブーケにしても素敵です。葉が元気で青々しているのなら、挿し木にして別の鉢に植え替えるのもおすすめです。
【挿し木にする方法】
- 20cmほど葉のついたドラセナの枝を切る
- 容器に水を張って1を浸ける
- 2に根が出だしたら、土の入った植木鉢に移す
- 水やりをして日陰に置く
- 1カ月して根が付いたら半日陰で育てる
ドラセナの幹だけを切り戻し剪定するやり方
ドラセナの葉が多くなりすぎて根本への日当たりが悪くなったり、風通しが悪くなって害虫が増えてしまったりすることがあります。大きくなりすぎて家の中で育てられないと困ることもありますね。そんなときは幹だけを残して切り戻し剪定する方法も一案です。根本を残して剪定するのは勇気がいるかもしれませんが、切った所から新芽が出てくることが多いですよ。
のこぎりはあったほうがいい?
枝や葉を剪定したときのように、園芸用のはさみや癒合剤は必須です。しかし幹だけを残すのであれば、はさみでは切断できないかもしれません。ある程度の太さがあるため、のこぎりを用意したほうが切りやすいです。目の細かいのこぎりならドラセナにダメージを与えにくいでしょう。
ボタニ子
剪定用ばさみと同様に、のこぎりも消毒しておこうね!
ボタ爺
のこぎりは危険じゃから、軍手を用意するといいぞ。
手順①幹だけ大部分を切断
ドラセナの幹を切る場合、自分の好みの高さにあわせて切るとよいでしょう。節の上に成長点があるため、目安として芽が出て来てほしい所の少し上を切ります。また、ドラセナは節の間が狭いことから、どこを切っても好きな所に芽が出やすいという特徴があります。
手順②幹の切り口を保護して適切な環境へ
剪定後は、幹の切り口部分に癒合剤を塗ります。その後は適切な環境にドラセナを置きましょう。幹だけを残して切り戻し剪定した後は、ドラセナが弱っている場合があります。直射日光を避けたカーテン越しの半日陰、風通しのよい部屋で育てましょう。また、不要な枝は挿し木にして増やすこともできます。
ドラセナの幹がスカスカで黒い場合は?
切り戻し剪定した幹の内部が黒い、外側がブヨブヨして中身がスカスカのときは、ドラセナが枯れている可能性が高いです。自治体に決められたやり方で処分するしかありません。しかし大切に育てたドラセナを蘇らせたいと考える方も多いでしょう。剪定した枝が変色せず中身が詰まっているか、葉が茂っていて元気であるか確認して大丈夫であれば、挿し木にするとよいでしょう。根が張って、新しく枝が伸びてくれば一安心です。
伸びすぎたドラセナは剪定して整えられる
ドラセナが伸びすぎたときや葉がボサボサになったときには、枯れた葉を取ったりいらない枝をカットしたりと、適切な方法で剪定しましょう。思い切って幹だけを残して切断すると、芽吹いて整った形のドラセナになる場合もありますよ。理想的な形を追求してみてくださいね。
出典:写真AC