クロユリの花言葉
クロユリはとても素敵な花言葉と、とても怖い花言葉の2つの花言葉を持っており、プレゼントには向きません。素敵な意味の花言葉は「恋」「愛」です。これは、アイヌ民族の言い伝えが由来していると言われています。もう1つの怖い意味の花言葉は「呪い」「復讐」です。こちらは、日本に伝わる古い伝説からつけられました。クロユリの花言葉の由来についてご説明します。
一般的にイメージされる白い花を咲かせるユリの花言葉は「純粋」「無垢」「威厳」です!
「恋」の由来!アイヌ民族の言い伝え
クロユリの花に願いを込めて自分の好きな人の近くに気づかれないように置き、好きな人がそれを手に取れば恋が叶う、という言い伝えがアイヌ民族には伝わっています。アイヌ民族の人たちにとってクロユリは恋が叶う象徴の花とされており、この言い伝えからクロユリに「恋」「愛」という花言葉がつきました。
「呪い」の由来!黒百合伝説
「恋」の花言葉を持つ神秘の花とも呼ばれるクロユリですが、「呪い」「復讐」という怖い花言葉のほうがよく知られています。クロユリは、日本では人との仲を裂く不吉な花とされています。「呪い」「復讐」の花言葉の由来になった黒百合伝説は、嘘の情報を信じた勘違いから生まれた悲しいお話です。
黒百合伝説…殺害された早百合の呪い
物語は戦国時代に実在した「佐々成政」が、妻の「早百合」が浮気をしたという嘘の情報を信じ、早百合とその一家全員を殺害してしまうところから始まります。殺害される前に早百合は「立山に黒百合の花が咲くとき佐々家は滅亡する」と言い残しました。
黒百合伝説…佐々家の滅亡
早百合の死後、佐々成政は「豊臣秀吉」に取り入るため、秀吉の妻である「ねね」に黒百合の花を贈ります。ねねは珍しい黒い花のユリを、側室であった「淀の君」に自慢しに行きますが、事前にねねが黒百合の花を贈られることを知っていた淀の君は、黒百合の花を大量に集め、生け花として飾っていました。それを見たねねは、「こんなにたくさん手に入るような花を珍しいと贈るなんて!」と怒ります。
黒百合伝説…果たされた早百合の復讐
ねねの怒りを買った佐々成政は秀吉に取り入ることができず、お家断絶となり、責任を取らされる形で切腹しました。佐々家が滅亡したとき、立山には黒百合が咲いていたと言われています。これが日本に伝わる黒百合伝説です。佐々成政に殺害された早百合の遺した言葉が現実になったことから、「呪い」や「復讐」の花言葉がつけられました。
次のページではクロユリの育て方、水やり・肥料・剪定などの管理のコツ、増やし方についてご説明します!
クロユリの育て方
クロユリは日本の北海道や中部地方より北の高山帯に分布する植物のため、高温多湿の環境が苦手です。寒さには強いですが、日本の夏の環境では育てにくいとされており、特に地植えで育てるのはかなり難しいです。そんな育てるのが難しいクロユリの上手な育て方について、植え付け時期や水やりの方法など、詳しくご説明します。
クロユリを育てる環境
クロユリは、鉢植えでも地植えでもどちらでも育てることが可能です。多年草のため、一度植えれば何年かは植え替えをしなくても翌年花を咲かせます。高温多湿を嫌うため、夏場は室内に取り込める鉢植えでの育て方がおすすめです。地植えする際は、夏場でも風通しがよく涼しい環境で育てるか、夏が来る前に株を掘り上げて球根を保存しておく必要があります。
準備物と用土
ミヤマクロユリと比べると、クロユリの方が比較的育てやすく、花つきもよいです。初めての方はミヤマクロユリではなく、クロユリの球根の栽培がおすすめです。クロユリは50cmほどまで大きく成長するので、鉢植えで育てる場合はある程度大きめの鉢を準備しておきましょう。用土は山野草向けか草花用の培養土を使用し、排水性がよくなるようにパーライトを入れたり鉢底石を敷いたりと工夫してください。
植え付け時期と方法
クロユリの球根を植え付けるのに最適な時期は、6~9月です。鉢植えで育てる場合は、5号鉢に3~4球を目安に植え付けます。小さな球根なので、球根と球根の間が狭くなりやすいですが、間を10cm程度空けて余裕をもって植え付けるようにしてください。クロユリの球根の鱗片がはがれないよう注意しながら植え付けます。芽が出たらなるべく日の当たるところで管理をしてください。
水やりの方法
クロユリの球根を植え付けたらたっぷりと水やりをします。茎や花がついていない時期は、表面に変化が現れないため分かりにくいですが、地面の下では球根が根を張るため活発に動いいるので、しっかりと水やりをしてあげることが重要です。特に球根は乾燥のしすぎに弱いため、休眠期以外はたっぷり水やりをして管理しましょう。
地植えと鉢植えそれぞれの水やりの仕方
地植えでの育て方と鉢植えでの育て方では、水やりの仕方が変わります。地植えで育てる場合は、雨が降らない日が続かない限り、特別水やりをする必要はありません。乾燥がひどくなったと感じたら水やりをする程度のペースで十分です。鉢植えで育てる場合は、生育期には土が乾燥しないようこまめに水やりをして管理します。休眠期には、水やりの頻度はやや少なめでも大丈夫です。
出典:BOTANICA