ヨウシュヤマゴボウとは?
ヨウシュヤマゴボウとは、ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属に属する多年草の草本です。原産地は北アメリカで、現在は日本全国に帰化植物として生育しています。果実がブドウに似ており、特徴的な果実の実らせ方をします。
基本情報
学名 | Phytolacca americana |
分類 | ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草 |
別名 | アメリカヤマゴボウ |
分布 | 日本全国に帰化している |
花期 | 6月~10月 |
葉の特徴
葉は、茎に対して互い違いにつく互生で、長楕円形の形をしています。葉の先はとがり、葉の長さが長いのも特徴で、10cm~25cmにもなり、長いものでは30cmにもなります。葉の表面裏面ともに毛は生えておらず、色は緑色をしています。葉の縁にはギサギサとした鋸歯もありません。秋になると紅葉するのも特徴です。
葉に鋸歯がないのがわかります。
葉が互い違いについてますね!これが互生です。
茎の特徴
茎は太く、紅色に染まるのが特徴です。茎の長さは、大きくなるものでは高さ1~2mにもなります。茎も葉と同じで毛は生えていません。茎の形は円柱形をしています。さかんに枝分かれするのも特徴です。
花の特徴
花期は6月~10月で、茎から総状に花序を出し、花をつけます。花は両性花で白色の花、もしくは淡い紅色の花を咲かせます。ヨウシュヤマゴボウの花には花弁がないのも特徴で、花弁のように見えるものはがくです。がくは5個あり、花の大きさは7mmほどでそこまで大きくはありません。
花序は花期が進むと徐々に垂れ下がり、果実が実るころには完全に垂れ下がります。また、花弁のように見える白いところががくです。
果実の特徴
果実は液果で、楕円形に似た形の果実を実らせます。熟していない果実は緑色をしていますが、熟すと黒紫色になります。この果実の実らせ方はブドウのような果実の形をしていて、実際にブドウと間違えられ食べてしまうことがあるそうです。果実の中には種子が10個はいっています。果柄は紅色に染まっており、果実が落ちたあとも残っているのが特徴です。
果実からは汁がでる
果実をつぶすと紅紫色の汁が出てくるのも特徴です。この汁はインクとして使われていたこともあり、服につくと洗っても落ちません。
その他の特徴
アレロパシー
ヨウシュヤマゴボウにはアレロパシーがあるとされています。アレロパシーというのは、植物が他の植物を抑える物質出すことで、動物や微生物を防いだり、あるいは引き寄せたりする効果のことを言います。ヨウシュヤマゴボウはこのような効果を出す成分を出しています。
C4植物
ヨウシュヤマゴボウは、C4植物と言われています。このC4植物というのは、光合成効率がとてもいい植物のことです。ヨウシュヤマゴボウは他の植物よりも効率的に光合成を行っているのです。
ヨウシュヤマゴボウの由来
ヨウシュヤマゴボウは漢字で書くと「洋種山牛蒡」です。なぜこのような名前がつけられたのでしょうか。名前の由来や花言葉・花言葉の由来を紹介します。
名前の由来
ヨウシュヤマゴボウは漢字で書くと「洋種山牛蒡」です。ヨウシュヤマゴボウの名前の由来は案外そのままで、根がゴボウに似ていることからヤマゴボウと呼ばれました。さらに原産地が日本ではなく西洋であることから、西洋(セイヨウ)が洋種に変換され「西洋(セイヨウ)から来た山牛蒡(やまごぼう)」で「洋種山牛蒡」と名付けられました。
別名はアメリカヤマゴボウ
別名でセイヨウヤマゴボウではなく、「アメリカヤマゴボウ」と呼ばれることがあります。この由来も原産地が北アメリカということに由来しています。
ヨウシュヤマゴボウの花言葉
花言葉は「元気」「野生」というのがつけられています。なぜこの花言葉になったのかは諸説あるそうですが、一説としては野生で元気に増えていくのが由来となって、この花言葉がつけられたそうです。
その他の花言葉では「内縁の妻」という花言葉もあるそうです。
次のページから毒性について紹介します。
出典:筆者撮影