ヨウシュヤマゴボウの毒性
ブドウに似た果実の実らせ方をするヨウシュヤマゴボウですが、実は全体に毒性があります。ここでは、ヨウシュヤマゴボウの毒性について紹介します。
どこに毒があるか
ヨウシュヤマゴボウには毒性があります。どこの部分に毒性があるかというと、全体に毒性があります。根が一番毒性が強く、葉にも毒性があります。果実の中に入っている種子も毒性が強いです。
間違って食べたらどうなるか
間違って食べてしまうと、腹痛・ 嘔吐・下痢を起こします。食べた量が多いとけいれんや意識障害、呼吸障害、心臓麻痺を起こすこともあり、最悪の場合はそのまま死亡してしまいます。根については、皮膚に触れただけで強い刺激を受けることがあるので、絶対に素手では触らないようにしましょう。
ヨウシュヤマゴボウを食べている人もいる
ヨウシュヤマゴボウは海外では「ポークルート」と呼ばれ食べられることがあるそうです。しかし、食べられているものは毒抜きをしています。毒抜きに失敗すると最悪中毒死してしまうこともあるので、正しい手続きを踏んだもの以外は食べないようにしましょう。
実は果実にはほとんど毒はない
果実はヨウシュヤマゴボウの中では、毒性が低い、もしくはほとんどないとされています。なによりも、この果実は鳥類がよく食べます。果実には毒性はほどんどありませんが、果実の中に入ってる種子には強い毒性があります。なので種子を砕いたりしなければ、鳥類は問題なく食べることができるそうです。それならば、食べることができるのでは?と思われがちですが、鳥類とは身体の中の作りも違います。食べないようにしましょう。
染料に使われる果実
ヨウシュヤマゴボウの果実は草木染めの染料として利用されます。果実は毒性が低いので触る分にはそれほど影響は出ませんが、果実の中に入っている種子には注意が必要です。しかし肌が敏感な人は、果実からでた汁によって皮膚トラブルが出ることもあるようです。危険性を理解し、決して子供の目や手のどとかないところに果実を置くようにして、草木染めを楽しんでください。
間違いやすい他の植物
ヨウシュヤマゴボウは、よく他の植物と間違えて食べてしまうということがあります。ここでは、ヨウシュヤマゴボウを誤食しないために、どのような植物に似ていて、誤食されているのか紹介します。
ブルーベリー
ブルーベリーとヨウシュヤマゴボウも、植物全体を見れば似た植物ではありません。ですが果実は似ているので、ヨウシュヤマゴボウの果実をブルーベリーと間違って食べてしまうことが起こるそうです。もちろん、ブルーベリーには毒性はなくおいしく食べることができますが、ヨウシュヤマゴボウは食べてしまうと死亡することもあるので、間違っても食べないでください。
ブドウ
ブドウとヨウシュヤマゴボウは果実のつきかたが似た植物です。ですが、植物自体の姿形はまったく似ていません。果実がブドウに似ているからといって、食べるのは絶対にやめましょう。ブドウはもちろんおいしく食べることはできますが、ヨウシュヤマゴボウはおいしく食べるところか最悪死亡してしまいます。
モリアザミ
モリアザミとヨウシュヤマゴボウは姿だけを見ると似た植物ではありません。ですが、このモリアザミですが「山ごぼう」として根が漬物などに加工されて販売されています。モリアザミはヨウシュヤマゴボウとは分類も違い、キク科に属しています。山ごぼうという名前で販売はされていますが、アザミの仲間です。モリアザミには毒性がなく食べることができます。
販売されている「山ごぼう(モリアザミ)」は食べることはできますが、ヨウシュヤマゴボウは食べてはいけませんよ!
ヨウシュヤマゴボウの分布と駆除方法
セイヨウからやってきた帰化植物のヤマゴボウ、ヨウシュヤマゴボウは駆除することができます。ここではヨウシュヤマゴボウがどんなところに生えていて、どのように駆除すればいいのかを合わせて紹介します。
ヨウシュヤマゴボウは外来種
ヨウシュヤマゴボウは北アメリカ原産の外来種です。そのため「洋種山牛蒡」「アメリカヤマゴボウ」といった名前で呼ばれています。日本には薬用として明治時代に入ってきたとされ、現在は全国的に帰化しています。
ヨウシュヤマゴボウの分布
ヨウシュヤマゴボウは「山」という名前が入っていますが、山だけでなく身近にその姿を確認することができます。道端、空き地、溝などといったいたるところで見かけることのできる植物です。もちろん子供の通るような通学路や学校にも生えていることがあります。見かけても触らないようにしましょう。
ヨウシュヤマゴボウの駆除方法
ヨウシュヤマゴボウは繁殖力が強いです。ですが、駆除することはできます。その駆除の方法を紹介します。
とにかく引っこ抜く
ヨウシュヤマゴボウは根が深くなる植物ですが、10~30cmくらいの背の低いものなら簡単に引っこ抜くことができます。そのため背の低いものだけなら、引っこ抜く駆除方法を繰り返し行っていけば完全に駆除することができます。
引っこ抜くときの注意点
引っこ抜いて駆除する方法を行う場合、素手では行わない方がいいでしょう。手袋をして長袖を着て、少しでも素肌が触れる場所を少なくして駆除してください。
除草剤を使う
10~30cmのヨウシュヤマゴボウは引っこ抜く駆除方法を紹介しましたが、それ以上に成長し高くなったものには引っこ抜くという駆除方法はおすすめできません。高く成長したものヨウシュゴボウの根は深いので、引っこ抜こうとしても途中で根だけが残ってしまい、また生えてきてしまいます。
除草剤を使う時の注意点
もちろん、除草剤で駆除する場合でも素肌がヨウシュヤマゴボウに触れないような服装で駆除を行ってください。
まとめ
ヨウシュヤマゴボウは全体に毒性があり、街中のいたるところに生えています。食べたり、触ったりすると中毒症状が現れますが、見ているだけでは大丈夫です。毒性があるからといって、怖がるのではなく正しく理解する必要があります。見ている分には特徴的な野草なので、ヨウシュヤマゴボウのことを理解しうまく共存して生活していきましょう!
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ヨウシュヤマゴボウは大人よりも子供の方が影響が出やすいといわれています。そのため、もし間違って誤食してしまったり、皮膚トラブルが起きてしまったときは病院を受診しましょう。