カルダモンとはどんな植物?
カルダモンの原産地は?
カルダモンとは、学名をElettaria cardamomumと言い、ショウガ科の多年草の植物で、原産地はインドやスリランカ、マレーシアあたりだといわれています。
ショウガの仲間
ショウガの仲間なので、地下茎は太く育ち、細長い笹のような葉を持ち、環境が良いと草丈2~3メートルまで成長します。自生地は標高500m以上の高地で半日陰、雨や霧が多く湿潤な気候のところです。なお、利用する部分は未成熟な種子で、地下茎は通常使用しないとのことです。
主にスパイスとして知られる
スパイスとして、多くの効能がある薬として、世界中で愛されている
カルダモンは、日本では植物としてよりも、スパイスとして有名です。爽やかで少し樟脳を思わせつつもフルーティーな香りは脳をリフレッシュし、集中力を高めるなど、多くの効能を持つことから世界中で愛され、パウダーのものはカレーのスパイスとして使用されています。そのほか、そのままのものはチャイやコーヒーに入れたり料理に使用したり、多くの摂取方法が編み出されています。
カルダモンの栽培方法は?
日本での栽培は難しい
種も苗もあまり流通していない
園芸店には年間を通して多くの植物の苗や種が販売されていますね。しかし、カルダモンの苗、種をごらんになったことはありますか?ごくまれにインターネットショッピングで見ることはできますが、ほぼ、入手が不可能だと思います。需要がない、というより、日本の気候が生育には不向きなため、とても難易度の高い植物なのです。
それでも、育てる魅力はあるもの
それでも、あの良い香りのスパイスが自分で育てて収穫することができると思うと、ガーデナーにはとても魅力的ですね。自分で育てて収穫したカルダモンで入れるカルダモンコーヒーなんか、飲んでみたいとおもいませんか?
寒さは苦手
インドやマレーシアが原産のカルダモンですから、寒さが苦手です。常に20℃以上を維持できる環境が必要ですので、温室などがないと少し難しいですね。どうしても育てたい時は冬は室内に取り込み、新聞やエアパッキンなどで鉢を覆い、昼間はよく日の当たる場所に置いてあげましょう。
強い日差しも苦手
一方、夏の暑さには強いですが、強い日差しは得意ではなく、葉焼けをおこすことがあります。春から夏は、あまり日差しが強いところではなく、木漏れ日が当たるような場所を選んであげましょう。寒冷紗やよしずなどを使って日差しを和らげてあげるのも効果的な方法ですね。
水切れには注意が必要
カルダモンは乾燥に弱いので、水切れには注意が必要です。春から秋は鉢の表面が乾いたらしっかりと水を与えましょう。温室がない場合、冬は気温が下がり、生育が緩やかに、また、休眠状態になりますので、やや控えめにします。
カルダモンの害虫と病気
カルダモンは病気の発生は少ないですが、葉が乾燥するとハダニが付きやすくなります。水を与える際は葉の裏側にもしっかりと水分が行き渡るようにかけてあげましょう。シャワーや霧吹きの水をしっかりとかけることで、ハダニを落とすことができます。ハダニはほかの病気を引き起こすウイルスを運ぶこともありますが、このように簡単な方法で落とせますので、ぜひ試してみてくださいね。
肥料はほかの植物と同様に
肥料は植えつけ時に遅効性肥料を混ぜ込みます。その後、春~夏に固形肥料を1~2回、肥料を大量に欲しがる植物ではないので、薄めの液肥を月に一回程度施しましょう。
スパイスとしてのカルダモンとは?
その効能が古来より認められ、利用されてきたスパイスの一つ
人類とは古いおつきあい
カルダモンと私達人類とのつきあいは長く、何と3000年以上前より生薬、スパイスとしてインドや中国、中近東で使用されてきました。そのままであったり、パウダーにしたり、素晴らしい香りや、脳の血流を促し、少量摂取するだけで集中力を高めたり口臭を予防したりするその効果から、古来より様々な方法で大切に使われ続けているのですね。
シルクロードを渡り、世界に広まる
その後ヨーロッパに伝わり、「スパイスの女王」との名前を冠し、サフランやバニラ、コショウと並び、高価で貴重なスパイスとして貴族の間で大切にもてはやされていたということです。多くの国で愛用され、コーヒーなどの飲み物や料理、アロマテラピーに、さまざまな摂取方法が編み出され、現在に至っています。
3種類あるカルダモン
①グリーンカルダモン
日本のスパイスコーナーで気軽に入手できるのは薄黄緑のサヤに包まれたグリーンカルダモンですが、ブラウン(ブラック)カルダモンという倍ほどの大きさの茶色いものもあります。
②ブラウン(ブラック)カルダモン
ブラウンガルダモンはグリーンのカルダモンとは違う品種(近縁種)になり、表面がややザラザラとしています。香りもやや野性味を帯び、グリーンカルダモンよりは苦味が強くなります。
③ホワイトカルダモン
このほかにホワイトカルダモンといわれるものもありますが、これはグリーンカルダモンを脱色したものです。それぞれの摂取方法に大きな違いはなく、少量で脳をすっきりとさせ、集中力を高めることができるようです。
出典:写真AC