そもそもパンノキ(パンの実、ブレッドフルーツ)とは
パンノキの基本情報
パンノキはポリネシア原産の果物で、英語名は「ブレッドフルーツ(bread fruit)」です。まるでパンのように中の実がふわふわしていることからその名がつきました。実は大体10cm〜20cmの大きさで、最大で5kgほどの重さです。樹木は10m以上に成長し、葉も大きく丁度良い影を作ることから街路樹として植えられることもあります。また、この葉を模様にした工芸品もよく作られるほど地元の人に親しまれている植物です。
とにかくよく採れる!
特徴は、1本の木から採れる実の数です。木にもよりますが、なんと50個〜200個という量を収穫できます。1年に数回採れることもあり、それだけ熱帯の地域(ハワイやグアム)ではよく食べられているのです。日本国内では、沖縄で所々に植えられているのが見られます。運が良ければ、実っている姿を見たり写真に収めたりできます。
食べるのは生ではなくきちんと調理してから
パンノキは、じゃがいもやさつまいもと同じく生のまま食べるとお腹を壊してしまいます。必ず、焼く・揚げるなどしてから食べてください。食べ方は後ほどご紹介しますが、どれも加熱しているものばかりです。市販品を食べる場合は何かしらの加工がされているものがほとんどなので心配ありませんが、実から調理をスタートさせる場合は注意しておきましょう。
パンの木は観葉植物としても
日本では、どちらかというと観葉植物としてのパンノキのほうがなじみ深いでしょう。数は少ないものの、通販で比較的簡単に手に入ります。暖かい地方の植物なので寒さに弱く、温度管理に注意が必要です。加えて、葉が大きいということはそれだけ水やりもしなくてはなりません。夏場はこぼれるくらいやるのが適切です。冬は夏ほど水を与えないものの、葉を湿らせて乾かないようにする処置がいります。育てるには少し気を遣わなければいけない植物です。
パンノキのおすすめ調理方法①フライドパンノキ
シンプルに揚げてみる
おすすめ調理方法1つ目は、名付けて「フライドパンノキ」です。その名の通りパンノキを揚げただけのとてもシンプルな料理で、おやつ感覚で食べられます。作り方もとても簡単で、誰でもまねしやすいです。ちょっとだけ南国の雰囲気が漂うスナックをぜひご賞味ください。
作り方
①皮をむき、食べやすい大きさに切る
②熱した油に入れ、色が変わったくらいのところで取り出す
そのまま食べてもいいですが、フライドポテトのように塩を少しまぶしてから食べるとおいしくなります。味付け次第ではおやつにもご飯のおかずにも変わる料理です。一からパンノキを調理するのは初めてという人は、一番簡単なこの方法を試してみてください。
パンノキのおすすめ調理方法②パンノキカレー
カレーのメイン食材としてもおすすめ!
おすすめ調理方法2つ目はパンノキカレーです。先ほども述べたように、食感は芋に近く、煮込み料理に使うこともできます。普段カレーを作るときと同じようにして、他の具材と一緒にパンノキも調理します。じゃがいもとは違う食感なので、ぜひ加えてみてください。
ガラッと雰囲気を変えるために
カレーを作るとき、プラスアルファで隠し味を入れることはありますか?よくあるのはケチャップやすりおろしりんごですが、パンノキカレーにはにんにくとヨーグルトがおすすめです。外国のカレーによくある独特の風味を簡単に出せて、普段とは違う味を楽しめます。
ちなみに
輸入食品を扱うお店では缶詰のパンノキカレーも売っていることがあります。もっと手軽に食べたいのならば、こちらを買うのも一つの手です。スパイスの組み合わせも現地で食べられているものに近いので、ちょっとした外国旅行気分に浸れます。
パンノキのおすすめ調理方法③蒸し焼き
味は石焼きいも?
おすすめ調理方法3つ目は、石焼いものように蒸し焼きにする方法です。こちらも、作り方はシンプルながらおいしく食べられます。アルミホイルで包み、皮が黒く焦げるくらいまで焼くとできあがりです。こちらも特徴の一つである、うっすらさつまいものような不思議な味わいを楽しめます。
焼き方もいろいろ
単に「焼く」といっても、その焼き方は様々です。本当の石焼いものように熱い石の間において焼く方法、バーベキューコンロの上で焼く方法、フライパンで焼く方法などがあります。あまり見かけない熱帯の果物ですが、その食べ方は複雑なものではありません。原始的といえば原始的ですが、その作り方も意外と楽しめるものです。
パンノキのおすすめ調理方法④ブレッドフルーツサラダ
いつもとは少し違う食材で
おすすめ調理方法4つ目は、サラダにする方法です。芋といえばサラダによく使われている食材ですから、もちろんそれに似たパンノキもサラダにできます。これまでご紹介してきた食べ方はどれも形が残っているのが特徴ですが、あえて原型から遠くするのも良いです。
作り方
筆者が時々作るポテトサラダを基に、オリジナルレシピを考えました。
①パンノキを小さめに切り、レンジでしっかりめに加熱する
②ボウルにパンノキ、輪切りのきゅうり、つぶしたゆで卵、切ったハムを加えて軽く塩コショウをかけ、少し時間を置く(味が染みて塩気がちょうどよくなります)
③マヨネーズを適宜加えて混ぜ、盛りつける
お好みでチリパウダーや粉末パプリカを入れてもおいしいです。
パンノキのおすすめ調理方法⑤チップス
時間はかかるが意外とヘルシー
おすすめ調理方法5つ目は、チップスにして食べる方法です。1つ目にご紹介したフライドパンノキとは違い、揚げる前に乾燥させるのが特徴です。そうとなると完成までに時間がかかりますが、容器に詰めておけば保存食として長持ちするので助かります。
作り方
①パンノキの皮をむき、一口大かつ薄めに切る
②バットかざるの上に並べ、数日間天日干しする
③水分がなくなってきた頃に室内に戻し、油でさっと揚げる
④油を切ったら好みの調味料をかける
普通のチップスよりも手間がかかる分おいしく味わえます。ポテトチップスのようにしたいなら塩やこしょう、クッキーやビスケットのようにしたいならグラニュー糖をまぶすとバリエーション豊かなおやつになります。
お土産としても重宝
ハワイなどのスーパーマーケットでは、青果コーナーに他の食材と同じように並べられているほどポピュラーな果物です。また、スナック菓子としても売られていて、ハワイ土産として日本に持ってくる人もいます。ちなみに、ブレッドフルーツはハワイ語で「ウル(Uru)」と言います。現地に出かけたときは、「Uru」と「Breadfruit」の両方を探すと見つけやすいです。
パンノキの栄養価は?
熱帯で育つ果物ということもあり、パンノキの栄養価はとても高いです。一説には、果実一つで一日分のカロリーを摂取できるとも言われています。じゃがいもを主食とする人がいるように、パンノキを主食とする人もいます。しかし、それほどカロリーが高いということも言えるので、くれぐれも食べすぎには注意してください。
まとめ
パンノキの簡単な説明と、そのおすすめ調理方法を5つご紹介しました。なかなか見かけないこともあり、知らない人・食べたことがない人もまだまだたくさんいる果実です。海外旅行の予定がある方は、地元の食材を口にするときにこの食べ物を探してみてください。どうしても食べてみたい人は、旅行予定のある人にお願いして手に入れてもいいでしょう。
出典:写真AC