桔梗(キキョウ)とはどのような花?
桔梗(キキョウ)は、星形の青紫色の花を咲かせる植物です。秋の七草にも数えられ、多くの人が名前を知っている身近な花ではないでしょうか?しかし、昔から自生している桔梗は環境の変化から激減しているため、流通している品種は園芸用に改良された桔梗です。そこで今回は、桔梗の特徴と育て方、上手な管理の仕方や挿し木による増やし方などを詳しく解説します。
基本情報
学名 | Platycodon grandiflorus |
科名・属名 | キキョウ科・キキョウ属 |
和名 | 桔梗(キキョウ) |
英名 | balloon flower |
分布 | 日本全土、朝鮮半島、中国、東シベリア |
草丈 | 50~100cm |
開花時期 | 6月~9月 |
花色 | 青紫、白、ピンク |
花言葉
桔梗の花言葉は「永遠の愛・誠実・清楚・従順」です。風にそよぐ青紫の花は、控え目で奥ゆかしさを感じさせます。戦に出た恋人や夫を待つ心境を歌に詠んだり、武士の家紋に使ったりなど身近な植物であったと考えられます。どの花言葉も桔梗の花の印象をよく表しているのでなないでしょうか。
桔梗の特徴
桔梗は、日本や中国、朝鮮半島に分布する多年草で、冬の寒さに耐えられる強さをもっています。日本では古くから日当たりのよい山野に自生していましたが、現在は環境の変化から自生種が激減しています。真っすぐ伸びた茎に咲く星形の花、球根とは異なる根の形が特徴です。ここでは桔梗の花や葉、茎や根について詳しく解説します。
特徴①花
桔梗の開花時期は、6~9月です。分枝した茎の頂部に花径4~5cmほどの釣鐘型の花を咲かせます。中央に5本の雄しべと雌しべがあり、花冠は5裂した星形です。雄しべが花粉を出すと雌しべの先端が5つに開きます。花色は青紫が多いですが、白地に紫の絞り模様が入る品種などさまざまな種類が流通しています。花が咲いた後にできる黒い種を採取して、春の種まきに使いましょう。
桔梗は雄しべと雌しべが両方存在している「雌雄同花」です。青紫の花の中央に、白い小花が咲いているように見えますね。
特徴②葉
桔梗の葉は、長さ4~7cmの長卵形で縁に鋭いぎざぎざがあり、茎に互生します。茎は真っすぐ伸びて分枝させて、風船のような蕾をつけます。草丈は50~150cm程度ですが、矮性種(わいせいしゅ)は20cmほどの丈で扱いやすい大きさです。茎や葉を傷つけると白い液が出るため、手につかないように気をつけましょう。冬の間は地上部を枯らせて過ごし、春に再び芽を出します。
特徴③根
桔梗は、根が地中深くに真っすぐ伸びる直根性の植物です。丸い球根ではありません。黄白色で太い牛蒡(ごぼう)のような形をしています。この根にはサポニンが含まれており、乾燥させたものは「桔梗根(ききょうこん)」と呼ばれ、漢方薬としても利用されています。桔梗の根が硬いことから、桔梗根を音読みで「キチコウ」と呼び、これが変化して「キキョウ」と呼ばれるようになりました。
次のページで「桔梗の育て方」を解説します。
出典:写真AC