タコノキとはどんな植物?
南国のリゾート地でよく見かけるタコノキは、花が咲くとパイナップルによく似た形の果実をつけます。ところがタコノキはパイナップルと種類も違いますし、基本的にタコの実を食べることはありません。そのほかにもタコノキにはこんな特徴があります。
タコノキの特徴①小笠原諸島の固有種
タコノキ科に属するタコノキは、1年を通して温暖な気候が続く南半球(主にアフリカ大陸・ユーラシア大陸・オセアニアなど)で自生する植物です。そのため日本では亜熱帯地域に増する沖縄で多く見られますが、実は小笠原諸島の固有種でもあります。とはいえタコノキの種類は確認されているだけでも520種類あるので、日本で見られるのは数あるタコノキ種の1つといえます。
タコノキの特徴②ビーチ周辺に生育
自生しているタコノキの多くは、温かい地域の海岸付近で見られます。しかも成長しても2m前後の低木樹なので、沖縄では防風・防砂対策としてビーチに植樹することもあります。
タコノキの特徴③観葉植物としても人気
南国のビーチを連想させるタコノキは、観葉植物としても人気があります。寒さが苦手なタコノキですが、基本的な育て方が理解できれば初心者でも簡単に栽培できます。またタコノキが1つあるだけで部屋の雰囲気が南国風になるので、インテリアになる観葉植物として人気があります。
タコノキの育て方
タコノキは温かい気候を好む植物なので、自生しているタコノキを見かける機会は少ないかもしれません。ただし育て方は難しくないので、タコノキの生育環境さえ整っていれば、冬に雪が降る地域でも栽培できます。
タコノキの育て方①用土
用土選びは、タコノキを育てるうえで大事なポイントです。地植えや鉢植えの場合でも、水はけのよい場所に植え付けをするようにします。タコノキ専用の用土を準備する必要はありませんが、赤玉土と腐葉土をブレンドするのがおすすめです。特に初心者の場合、このブレンド方法だと失敗が少ないでしょう。
タコノキの育て方②植え付け
タコノキは、根がつきやすい5月~7月の植え付けが最も適しています。日中の平均気温が25℃を超えると根の成長スピードが上がるので、地域によっては4月下旬でも植え付けができます。ただし気温が高い8月に植え付けをすると、根の成長スピードに水やりのペースが追い付かず、成長が鈍くなる原因となります。
タコノキの育て方③春・秋の水やり
春と秋の水やりは、水やりのタイミングを調整することが育て方のポイントです。乾燥には強い植物なのですが、水分が多すぎると根腐れを起こしやすい特徴もあります。またあまり寒さには強くないので、朝・夜と日中の温度差が大きい春と秋に水やりをし過ぎると、土の温度が下がってしまい葉を枯らす原因になります。そのため土が乾いたタイミングで水やりをするのが、春・秋の水やりの基本です。
タコノキの育て方④夏の水やり
夏の水やりは、土が乾燥しないように毎日行います。朝または夕方のどちらかに土の奥まで水分が届くように、たっぷりと水やりをします。なお日差しが強い置き場の場合は、1日1回の水やりでは土が乾燥してしまうことがあります。このような場合には、1日1回の水やりを1日2回に増やしてもOKです。
タコノキの育て方⑤冬の水やり
冬のタコノキは、ほとんど水やりの必要がありません。乾燥気味の状態をキープしている方が管理がしやすいですし、初心者でもうまく冬越しができます。
タコノキの育て方⑥植え替え
ほとんど手間のかからないタコノキですが、植え替えだけは定期的に行わなければいけません。タコノキは株の成長スピードがとても速いのが特徴なので、手入れをしないと株がどんどん大きくなります。そのため株の成長に合わせて植え替えをするのがポイントです。なお地植えの場合は2年に1度、鉢植えや観賞用の場合は株の成長に合わせて植え替えをします。
タコノキの肥料
温暖な地域では自生もしますが、庭木や観賞用としてタコノキを栽培をする場合は、成長に合った肥料を定期的に使うのが上手に育てるポイントです。
植え付け時の肥料
植え付け時に肥料を入れる場合は、用土に肥料を混ぜておくのがポイントです。ただし根の成長速度が速いタコノキなので、用土に混ぜる肥料は効果がゆっくりと現れる緩効性肥料を使います。
成長期の肥料
植え付けが終わってからの肥料入れは、タコノキが最も成長する春~秋に行います。地植えの場合は2か月に1度を目安に緩効性の化成肥料を使うと、根株が大きく育ちます。なお日かげや屋内で観葉植物として育てる場合は、化成肥料の代わりに液体肥料を使ってもOKです。
植え替え時の肥料
植え替えのときには、用土に肥料を入れることを忘れないようにします。特に株分けのために植え替えをする場合は、根が付くと根株の成長スピードが上がるため、栄養補給のためにも肥料の追加が必要です。なお植え替えた用土に栄養が不足していると、根株の成長が鈍くなります。