カンガルーポーとは?アヤメにも似た花の特徴や育て方をご紹介!

カンガルーポーとは?アヤメにも似た花の特徴や育て方をご紹介!

カンガルーポーはオーストラリア原産の多年草で、アニゴザントスとも呼ばれています。切り花としてはポピュラーですが、鉢植えで育てるには置き場所や水やりに工夫が必要です。この記事ではカンガルーポーの花の特徴や育て方について詳しくご紹介します。

記事の目次

  1. 1.カンガルーポーとは
  2. 2.カンガルーポーの特徴
  3. 3.カンガルーポーの育て方
  4. 4.カンガルーポーのお手入れ
  5. 5.カンガルーポーの病気
  6. 6.カンガルーポーの増やし方
  7. 7.まとめ

カンガルーポーとは

Photo by tracie7779

カンガルーポーは春から初夏にかけて個性的な花を咲かせるオーストラリア原産の多年草です。ひょろりと長い茎の先に独特な姿をした花が咲くので、花束やフラワーアレンジメントのアクセントに使いやすく、またドライフラワーの素材としても盛んに用いられています。

カンガルーポーの基本情報

学名 Anigozanthos
別名 アニゴザントス
分類 ハエモドルム科アニゴザントス属
原産地 オーストラリア
形態 多年草
花の時期 4~6月
花の色 黄色、オレンジ、赤、緑、白

カンガルーポーは学名をそのまま使ったアニゴザントスの名前でも呼ばれています。現在は品種改良によってたくさんの種類が作られ、花の色のバリエーションも豊富です。

名前の由来

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カンガルーポーという名前はカンガルーのポー(paw=前足)という意味です。花の形がまるでカンガルーの前足のように見えることからこの呼び名が付きました。カンガルーに例えるところはさすがオーストラリアという感じですが、たしかに細かい毛に包まれた黄色系の花はカンガルーを連想させます。

花言葉

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カンガルーポーの花言葉は不思議、驚き、可能性、陽気などです。どれも見た目の印象をそのまま表現したような言葉であるとともに、ポジティブなニュアンスを持っています。

ブラックカンガルーポーとは

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カンガルーポーによく似た姿で、茎が真っ黒なブラックカンガルーポーという種類がありますが、こちらはマクロピディア属の植物です。両者をまとめてカンガルーポーと呼ぶ場合もありますが、アニゴザントスとは別の属だということを覚えておきましょう。

カンガルーポーの特徴

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カンガルーポーは西オーストラリアの温かく乾燥した土地に自生し、地面すれすれからアヤメに似た細長い葉っぱを放射状に茂らせます。株の中心から伸びる花茎は長いもので2mに達し、一直線に伸びるものもあれば途中で二股に分かれるものもあります。また花茎には細かい毛が密に生えています。

花の特徴

Photo bysandid

花にも茎と同様に細かい毛がびっしりと生えています。花は細長い筒のような形をしていて、やや片側にカーブしています。花の先端部分がギザギザと6つに分かれていて、これがちょうどカンガルーの爪のように見えます。

花のカーブの理由

カンガルーポーの花がカーブしている理由は、蜜を吸いに来た鳥を使って効率よく受粉するのに都合のいい形だからだと考えられています。

カンガルーポーの育て方

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カンガルーポーの栽培は鉢植えが一般的です。地域によっては地植えできますが、日本の夏の湿気や冬の寒さに弱いため適しているとは言えません。園芸店などでは通常花の付いた状態のものが販売されています。花の咲く時期は春から初夏ですが、海外から輸入されたものが秋に出回ることもあります。

育て方①置き場所

Photo byljlabarthe

カンガルーポーにとって日本の気候は育ちやすいものではありません。季節や天気によって置き場所をこまめに変えることで、カンガルーポーが元気に成長できる環境を作ってあげましょう。

夏の置き場所

カンガルーポーが育つためには充分な日光が必要なので、明るい場所に置くというのが基本です。ですが真夏の直射日光は強すぎて株が弱ってしまうことがあります。また高い湿度を嫌うため、夏の間は屋外の風通しのよい半日陰がベストな環境です。梅雨時期や雨が長く続くときは、ぬれてしまわないように軒下や室内に取り込んであげましょう。

冬の置き場所

冬はかならず5℃以上をキープできるように室内の明るい場所で管理します。ここでもある程度の風通しがあったほうがよいですが、エアコンの風が直接あたらないように注意してください。

育て方②用土

Photo byFree-Photos

なるべく水はけのよい土が適しています。市販されている多肉植物用の培養土や、山野草用培養土を使う方法が手軽でおすすめです。自分でブレンドする場合はピートモス、川砂、赤玉土をだいたい同じ比率で混ぜたものを使います。

育て方③水やり

Photo byPublicDomainPictures

カンガルーポーは1年を通して乾かし気味に管理します。ですが決して水の嫌いな植物というわけではなく、むしろ成長するためにはたくさんの水分が必要です。季節ごとに最適な水やりを心がけましょう。

夏の水やり

花が終わってから夏の間は、カンガルーポーの株がひと休みする期間です。土の表面が乾いたら、1日ほど待ってからたっぷりと水やりをしてください。水やりは夕方以降に行い、風通しのよい場所で蒸れを防ぎましょう。

冬の水やり

冬の寒い時期は水を控えめにします。こうすることで耐寒性を上げる効果があります。

Photo by mripp

春と秋の水やり

人間にとって快適な春と秋は、カンガルーポーにとっても過ごしやすい季節です。水やりの頻度を増やして株を元気に育てましょう。特に春は花を咲かせるために、普段より多くの水分が必要です。しおれてしまわないように、こまめに水やりをしてください。

注意点

葉っぱの上から水をかけないようにしてください。蒸れて腐ってしまう原因となります。かならず土に水やりをして、地上に出ている部分はなるべくぬらさないようにしましょう。

育て方④肥料

Photo byAntranias

固形肥料なら緩効性(効き目がゆっくり)のものを月1回、液体肥料なら月2回が目安です。ただし夏の間は肥料を控えてください。夏に肥料を与えすぎると株を弱らせてしまうことがあります。

育て方⑤植え替え

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株が大きく成長して根が詰まってきたら植え替えをします。植え替えは暑さがやわらいだ秋に行うといいでしょう。カンガルーポーは背が高く伸びるので、倒れないようにバランスを考慮した鉢選びが大切です。

ポイントおさらい

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カンガルーポーはとにかく過湿を嫌う特徴があります。そのため栽培の最も大切なポイントは置き場所と水やりです。鉢の大きさや使う用土によっても条件が変わってきますので、土の乾き具合や株全体の湿り気、葉っぱのしおれ方などをこまめに観察して、そのつど管理を工夫してあげましょう。

カンガルーポーのお手入れ

Photo by brewbooks

花が終わったあとは長く伸びた花茎を根元から切り取ってあげましょう。また枯れてきた葉っぱもまめに取り除いてあげます。株全体の風通しをよくすることで蒸れを防ぐとともに、株の負担を減らし見栄えをよくします。

カンガルーポーの病気

病気

出典:写真AC

カンガルーポーの栽培で気を付けるべき病気はインク病です。インク病は葉っぱが黒く変色してやがては枯れてしまうカビ病です。おもに温かい時期の過湿が原因なので、まず変色した部分をすべて取り除き、置き場所や水やりの方法を見直す必要があります。

害虫

害虫の心配はほとんどありませんが、屋外で育てているとナメクジに食べられてしまうことがあります。見つけたらすぐに駆除しましょう。またナメクジの発生も湿度が高いことを示すサインです。インク病と同様に管理の仕方を変えましょう。

カンガルーポーの増やし方

Photo by Alexandre Dulaunoy

カンガルーポーは株分けで増やすことができます。大きく成長した株なら植え替えのタイミングで株分けを検討してみてもよいでしょう。ただ株分けをすると少なからず植物に負担をかけてしまいますので、カンガルーポーの栽培にある程度慣れてから挑戦することをおすすめします。

株分けの方法

株分けは植え替えと同様、秋に行います。株全体を鉢から取り出したら、根についている用土をきれいに落としましょう。根がきれいになってほぐれたら、ナイフや手を使って株を分けていきます。このとき分けたそれぞれの株に、かならず新芽がついていることを確認してください。株を鉢に植えたらたっぷりと水やりをします。根が落ち着くまでしばらくは、日陰で管理しながら様子を見ましょう。

まとめ

Photo byDrawnByShaun

カンガルーポーの栽培には水が大きなカギを握っています。水やりと湿度管理のコツさえつかめれば、毎年個性的な花をたくさん咲かせてくれるでしょう。うまく育てられるようになったら、いろいろな観葉植物や多肉植物と一緒に寄せ植えにしてみるのもおすすめです。

ぬーとりあん
ライター

ぬーとりあん

植物も動物も大好きな生き物ライター。自然への好奇心が尽きません!

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