ヘゴとは
ヘゴという植物をご存知ですか?葉の形がとても美しい植物で、野生のヘゴは8m〜15mほどまで大きく成長するため「ヘゴの木」とも呼ばれています。剪定を行い小さく管理すれば、観葉植物として室内で育てられる植物です。また「ヘゴ棒(支柱)」というヘゴの幹の部分を利用した支柱も作れる魅力もあります。そんなヘゴの育て方やヘゴ棒の立て方、管理のコツなどをご紹介します。
ヘゴの基本情報
科名 | ヘゴ科 |
属名 | ヘゴ属、シアテア属 |
別名 | ヘゴの木 |
特性 | 常緑性 |
耐暑性 | 普通 |
耐寒性 | 弱い |
ヘゴの特徴
ヘゴの若芽は先がうずを巻いており、わらびやぜんまいによく似ています。若芽の頃は、丸くてかわいらしい姿を鑑賞できるのが魅力です。次第にしっかりとした硬い茎になり、濃い緑色の葉をたくさん付けます。若葉は柔らかく少し毛が生えていて、成長すると葉の裏に「胞子のう」ができ、この中にある胞子が地面に落ちて繁殖していく植物です。
ヘゴの名前の由来
属名が2つあり、ヘゴ属またはシアテア属に分類されます。この「シアテア」とは「コップ」を意味する言葉です。ヘゴの葉は、裏側に「胞子のう」という胞子を入れておくオレンジ色の袋が付いています。この胞子のうがコップのように見えたため、付けられた属名です。
ヘゴの育て方
ヘゴは野生の場合8m〜15mほどまで大きく成長しますが、家庭で育てるときには剪定を行ったり、小さな品種を選んだりすれば育てられる植物です。庭植えで屋外で育てると耐寒性が弱く枯れてしまう恐れがあるので、鉢植えにして冬場は暖かい場所へ移動させるのがおすすめです。そんなヘゴの水やりや植え替え、肥料などの育て方や剪定方法についてご紹介します。
育て方①置き場所
ヘゴは直射日光を浴びすぎると葉焼けを起こしてしまい、美しい葉が台無しになってしまいます。耐暑性は普通ですが、あまり強い日光に当たらない置き場所を選んでください。多湿を好むため、半日陰など午前中だけ太陽の光が優しく当たるような場所が適しています。あまり風通しのよすぎる場所で育てると、乾燥により根から枯れ込んでくるので注意してください。
育て方②用土
ヘゴは、水もちのよい用土を好みます。水はけがよすぎる用土では上手に育たないので、赤玉土の小粒を多めに配合し、少し腐葉土を混ぜ込んだ用土がおすすめです。軽石や川砂など、砂利質のものは使用しないでください。
育て方③植え付け
植え付けは5月上旬〜7月中旬に行います。ポットに入った苗の状態で購入したヘゴは、根鉢をくずさないようにポットから優しく取り出すのがポイントです。苗の2倍程度の大きさの穴を掘っておき、ポットの土ごと植え付けます。
育て方④植え替え
植え替えも、植え付けと同じ5月上旬〜7月中旬に行ってください。植え替えを行う場所はしっかりと用土改善しておきます。根を傷付けてしまわないように気をつけて掘り起こし、新しい場所に植え替えます。植え替え後は、根付くまで水やりを欠かさないように育ててください。
育て方⑤水やり
ヘゴの水やり方法は、他の植物と少し違っていくつかポイントがあります。まず、株元にだけ水を与えるのではなく、幹の先からたっぷりとヘゴ全体に水がかかるよう、雨を降らせるイメージで水やりを行います。次に、土の表面が乾かないようにたっぷりと水を与えてください。追加でこまめに葉水を与えても構いません。水切れを起こすと株元から弱ってくるため、植え付け時や植え替え時から、水やりには注意が必要です。
育て方⑥肥料
成長期に合わせて、5月上旬〜9月下旬に肥料を与えます。リン酸、カリ、チッ素が同じ量ほど配合された液体肥料が適しています。また、室内で観葉植物として育てている場合には液体肥料の臭いが強いため、観葉植物専用肥料や固形肥料を施しても構いません。元肥として緩効性肥料を混ぜ込んでおくのもおすすめです。
育て方⑦剪定
剪定は成長が落ち着いた頃、冬越し前の9月〜10月に行います。基本的には、葉が枯れて見栄えが悪くなった部分や、伸びすぎた枝を剪定してください。樹形を好きな形に整えても構いません。剪定をして葉を減らすと、葉から蒸発する水分量を減らせるため、みずみずしい葉を楽しめる利点もあります。
ボタニ子
次のページでは、管理のコツや活用方法、ヘゴの品種などをご紹介します。