テーブルヤシの巨大化を防ぎたい!
テーブルヤシとして100均ショップや生花店で販売されている観葉植物は、ヤシ科のなかでも小型の「エレガンス」という品種です。テーブルヤシの成長はゆっくりなので、室内でも育てやすいです。それほど大きくなる品種ではないものの、肥料や日当たり、水分量などの条件が揃うと2m~3m程度まで大きくなる場合もあります。テーブルヤシをミニサイズに保つように、育ててみましょう。
テーブルヤシの巨大化対策【植え替え】
鉢の大きさ
テーブルヤシは地上部の成長はゆっくりですが、根の成長が意外とはやいです。2年に1回あるいは鉢底から根が出ている場合は、植え替えをしてください。根詰まりをおこすと水揚げができなくなり、枯れる原因になります。大きくしたい場合は植え替えの際一回り大きな鉢を使用しますが、テーブルヤシとしてミニサイズを保つ場合は今までと同じ大きさの鉢を使いましょう。
ボタニ子
ボタ爺
テーブルヤシの根が水を吸い上げきれずに、根腐れする原因になるぞ。
植え替えの時期
テーブルヤシの植え替えの時期は、5月~9月です。特に5月~7月にかけては成長期なため、植え替え後の用土や植木鉢などの新しい環境に慣れやすいのでおすすめです。猛暑が続く8月は植え替えを避け、9月頃に暑さが一段落してからにします。冬は休眠期に入るので避けたほうがよいでしょう。植え替え終わったテーブルヤシは、1週間ほど明るい日陰で管理してください。
根の処理
テーブルヤシを植え替える際、大きくしたい場合は根はそのままでよいですが巨大化させない場合は処理が必要です。同じ大きさの鉢に植え替えるためそのままの根では、根詰まりを起こし枯れる原因になります。伸びすぎた根や枯れている根などを含め、もとの大きさの半分くらいまでカットしましょう。同じ大きさの鉢に植え替えたら、葉の数を減らして根にかかる負担を少なくします。
ボタニ子
テーブルヤシは成長が穏やかな観葉植物だけれど、実は根の成長はとてもはやいのよ。
ボタ爺
ミニサイズでも根は鉢の中にびっしり、なんてこともあるの。鉢底を見て根が出ていたら、植え替えて根をカットしてあげよう。
株分け
テーブルヤシの株が密集してきたら、植え替えを兼ねて株分けをしましょう。株分けは一般的なテーブルヤシの増やし方で、種での増え方もあります。株が密集してきて風通しが悪くなると枯れたり病気にかかったりするので、根を優しくほぐして株分けします。その場合も植え替える鉢の大きさは変えず、小さい株ができているときは鉢を小さくするのもミニサイズで保つコツです。
ハイドロカルチャーで育てる
テーブルヤシはもともと成長がゆっくりな観葉植物ですが、ハイドロカルチャーで育てることによりさらに成長速度を遅くできます。土を使わないため、部屋を汚す心配もありません。ハイドロカルチャーに使用するハイドロボールは水を吸い込み蓄える性質があるので、水やりの頻度も低くなりより育てやすくなるでしょう。水の量をよく観察して、根腐れには注意してください。
テーブルヤシの巨大化対策【肥料・水やり】
肥料の量
テーブルヤシを大きくしたい場合は10日に1回くらいの割合で液肥を与えるか、1ヵ月~2ヵ月に1回緩効性化成肥料を置き肥するとよく成長します。ミニサイズに収めたい場合は、肥料の量や与える頻度を半分にするか肥料を与えない方法があります。葉に元気がなくなったり葉色が悪くなったりした場合は、通常よりも少ない量の肥料を与えましょう。
水やりの頻度
テーブルヤシは水を好む観葉植物です。用土が乾き切ったら、植木鉢の下から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりします。ミニサイズに育てる場合は、水やりの頻度を通常よりも抑えて与えましょう。あまりにも水やりをしないと枯れるので、様子を見て回数を減らす程度にしてください。葉水を1日~2日に1回程度すると適度な湿度を与えられ、害虫防止にもなります。
ボタニ子
水やりは量を少なくするのではなく、回数を減らすようにしましょうね。
ボタ爺
水やりの回数を減らして、水の量はしっかりたっぷり与えよう。
テーブルヤシの巨大化対策【剪定】
剪定の時期
テーブルヤシを剪定するのに向いている時期は、5月~10月です。特に5月~7月にかけては成長期なため、剪定しても新しい葉が展開します。休眠期に入る晩秋前までは剪定できますよ。古い葉や大きくなり過ぎた葉、枯れかけている葉などは剪定しましょう。気温が40℃を超えるような猛暑日や真冬は、剪定を避けるのをおすすめします。
ボタニ子
剪定や根を切る作業は、人に例えると手術を受けたようなものなの。成長期であれば、傷の治りがはやいのよ。
剪定の注意点
テーブルヤシは葉のつき方がほかの観葉植物と違うため、剪定する場合は少し注意が必要です。普通の観葉植物のように、剪定した場所の前後から新しい葉が出てくるわけではありません。テーブルヤシの新芽は、すでに生えている葉の内側や茎と茎の間から展開してきます。新芽を確認せずにバッサリと茎の根元から剪定すると、新しい葉が展開しなくなり枯れることがあります。
剪定する場所
テーブルヤシの剪定する場所は、枯れた葉の部分、古くなって変色した葉先、新芽が出なくても樹形を整えるためにカットする茎です。基本的には葉の部分を剪定すれば、新しい芽を摘んでしまう心配はありません。葉の根本から剪定したい場合は、よく観察して芯のような新芽が出ていないところを切りましょう。新芽が出ていてもそこを避ければ、剪定しても大丈夫です。
テーブルヤシの巨大化対策【大きくなってしまったら】
テーブルヤシが巨大化してしまった場合、そのままでは小さくなりません。大きくなったテーブルヤシを楽しむこともできますが、小さくしたい場合は手を加えてあげましょう。
株分けする
テーブルヤシの増やし方でもある株分けは、巨大化したテーブルヤシを株で分けて、小さいサイズに仕立て直す方法でもあります。株分けした中の小さい株は、ハイドロカルチャーや小さい植木鉢に植え替えて育てましょう。大きな株は根を半分程度にカットし、葉の部分も水分の蒸発を防ぐために短くカットしてから、小さめの鉢へ植え替えてください。
強剪定する
株分けや植え替えをせずに、巨大化したテーブルヤシを小さくしたい場合は、枯れる危険性もありますが強剪定する方法もあります。中心から伸びかけている新しい芽を数本残して、外側の葉を地面の近くから強剪定します。その際葉を全部落としてしまうと光合成ができなくなるので、ある程度残しておきましょう。中心から伸びてきた新芽が展開してから、大きな葉を剪定します。
ボタニ子
この方法は株の生命力頼みな部分があるので、できれば株分けでミニサイズに仕立てる方法をおすすめするわ。
ボタ爺
株分けでサイズダウンさせた方が失敗が少ないし、もし失敗しても株がいくつもあるから安心だの。
テーブルヤシをミニサイズのまま楽しもう
涼やかな葉が魅力のテーブルヤシは、簡単な工夫をするだけで巨大化させずにミニサイズで楽しめます。耐陰性もある程度あるので、あまり日当たりのよくないオフィスのデスクや書斎などに置いても、グリーンの潤いのある空間づくりに一役買ってくれるでしょう。育て方も難しくないので初心者の方でも気軽に挑戦できますし、100均ショップで安く購入できます。ミニサイズのテーブルヤシを育ててみてください。
テーブルヤシを大きくしたいからといって、植え替えの際の鉢を大きすぎるものにするのはよくないわ。