春のシンボル福寿草
福寿草(フクジュソウ)は、どの植物よりも早く春の訪れを知らせてくれる植物です。日本全国に自生しており、黄色いかわいらしい花を咲かせる多年草です。近年では園芸品種としても人気があることから、「一重咲き」「半八重咲」「八重咲」の品種があります。
基本情報
学名 | Adonis ramosa |
和名 | フクジュソウ(福寿草) |
その他の名前 | 元日草(がんじつそう)、朔日草(ついたちそう) |
科名 / 属名 | キンポウゲ科 / フクジュソウ属 |
園芸分類 | 山野草 |
形態 | 多年草 |
原産地 | 北海道~本州 |
草丈/樹高 | 20~30cm |
開花期 | 2月~4月 |
花色 | 黄色 |
耐寒性/耐暑性 | 普通/普通 |
特徴
福寿草は北海道~九州に分布し、自然下では山野で多く見られます。短い茎の上に黄色い花を咲かせた後、葉や茎が伸びるのが特徴です。太陽が昇ると花びらが開き、沈むと閉じる性質を持ちます。また、全草に毒性があるのも大きな特徴です。見た目のかわいらしさから想像しづらいかもしれません。取り扱いには十分な注意が必要です。
ボタニ子
福寿草の開花時期
「お正月を彩る植物」ともいわれているため、福寿草は1月に咲いていると思われがちです。しかし、実際の開花時期は旧正月の2~4月ごろです。
福寿草の花言葉
黄色くかわいらしい姿、雪の下から春の訪れを告げる様子から、福寿草の花言葉には幸福感あふれるものがあります。花の姿から連想される花言葉か多いことを実感するでしょう。しかし、幸福に満ちた花言葉だけでないのが、福寿草の面白い一面といえます。
幸福感あふれる花言葉だけではない
福寿草の花言葉
- 幸せを招く
- 永久の幸福
- 祝福
- 悲しき思い出
黄色いかわいらしい福寿草の花姿から連想されるのは、幸福の訪れでしょう。それにふさわしい「幸せを招く」「祝福」など、ポジティブな花言葉がつけられています。一方で、福寿草と似合わない「悲しき思い出」というネガティブな花言葉も持っています。
ボタニ子
福寿草は多年草で毎年同じ場所で咲くから、「永久の幸福」っていう花言葉がぴったりね!
悲しい花言葉の由来
「悲しき思い出」という花言葉は、ギリシャ神話に由来するといわれています。「アドニス」という青年が殺されてしまい、青年を愛していた「アフロディーテ」はたいそう悲しみました。悲しみの涙が青年の血と混ざり、福寿草が生まれたのです。福寿草の誕生の経緯から「悲しき思い出」という花言葉がつけられました。
ボタニ子
英語では「sorrowful remembrance」というの。「悲しい思い出」という意味ね。
ボタ爺
海外では、黄色い花は悲しい花言葉や怖い花言葉がつけられやすいんじゃ…!
ギフトシーンでは注意
悲しい花言葉がある福寿草のため、鉢植えを贈るときは注意が必要です。贈る相手によっては、ネガティブな印象を受ける可能性があります。トラブルを避けるために、幸せいっぱいの花言葉のメッセージカードを添えて贈ると安心ですよ。
色別の花言葉は?
一般的に黄色い花をイメージされることが多い福寿草ですが、濃いオレンジや白、紫色の花を咲かせる品種もあります。花色が豊富であるものの、色別の花言葉はつけられていません。
福寿草の名前の由来
由来①おめでたい花
ほかの植物が休眠しているなか、真っ先に咲くおめでたい花という意味をこめて福寿草と名づけられました。かつては、お正月ごろ(旧正月)に咲く花として「福告げ草」と呼ばれていたようです。この名前が少しずつ変わっていき、幸福の「福」、長寿の「寿」を使った福寿草になりました。
由来②ギリシャ神話
福寿草の「Adonis amurensis」という学名は、花言葉にも登場したアドニスの神話が由来しているといわれています。また、アドニスの血とアフロディーテの涙から生まれたのは「アネモネ」だという説もあるようです。
福寿草の品種
品種①キタミフクジュソウ
「キタミフクジュソウ」は、北海道の東部に自生するフクジュソウです。葉や茎は細かい毛に覆われ、1本の茎に1つの花を咲かせます。
品種③白花系フクジュソウ
黄色いイメージの福寿草には、白い花を咲かせる品種があります。中国原産の「中国白花福寿草」や「白寿」「白宝」などの美しい名前の付けられた園芸品種は、野趣的な印象と繊細な美しさをあわせもつのが魅力です。
品種③秩父紅
通常の福寿草よりも、花色が濃く、オレンジ色に近いのが「秩父紅」です。その名のとおり、秩父に分布する珍しい品種です。近年は、園芸店でも流通しています。
福寿草を見かけたら花言葉を思い出そう
ほかの花が休眠しているときに見られる福寿草は、雪の下からひょっこりと黄色い花を咲かせるとてもかわいい植物です。いち早く春の訪れを告げる健気さも、福寿草の魅力といえます。福寿草を見つけたら、幸せいっぱいの花言葉を思い出しましょう。春はもうすぐそこまで来ていると実感できますよ。
食べられるフキノトウとまちがえて、福寿草を採取してしまったということも…。福寿草は見て楽しんでね!