タイサンボク(泰山木)の育て方
タイサンボクは庭木として地植えするのが一般的です。販売されているタイサンボクは、ポット苗から高さ2mほどのものまで様々です。価格も千円前後から数万円までと幅があります。育て方や予算にあわせて最適なものを選びましょう。また成長しても高さが5m程度の「リトルジェム」という品種も広く流通しています。
育て方①植える場所
タイサンボクは暑さに強く、あまり環境を選びません。日光を好むので、日当たりがよく充分な広さのある場所に植えましょう。タイサンボクは背の高さだけでなく横幅もかなりの大きさになります。しかも成長が早いので、近隣の迷惑にならない場所を選ぶ必要があります。またタイサンボクによって大きな影ができてしまうことにも注意しましょう。
植える時期
植えつけ時期は厳しい寒さのやわらいだ4月頃が最適です。この時期なら冷たい風にさらされることがなく、夏に向かってスムーズに成長を始められます。春の植えつけが無理な場合は9月頃までなら可能です。タイサンボクは暑さに強い反面寒さにはやや弱い特徴があるので、気温が低い季節の植えつけは避けましょう。
植え替えはしない
タイサンボクは植え替えが難しい植物です。ある程度成長してから植え替えをしても、多くの場合うまく根付かず枯れてしまいます。植え替えはしない前提で、最後まで同じ場所で育てましょう。もしやむを得ず植え替えをする場合は、一年ほど前からスコップなどで幹から離れた場所の根を切り、新しい根を出させる処理が必要です。
育て方②用土
用土はさほど気にする必要がなく、ほぼどんな土でもよく育ちます。基本的に水はけのよい土地を好みますが、あまり乾燥しすぎる土壌は避けたほうがよいでしょう。やせた土地に植える場合は、植えつけの際にあらかじめ腐葉土や堆肥をすき込んでおきます。
育て方③水やり
植えつけ直後からしっかり根付くまでの間は、土の表面が乾いたら水やりをします。完全に根付いてしまえばその後水やりの必要はありません。通常は雨水や土の中の水分だけで充分育ちます。真夏に日照りが続き葉に元気がなくなってしまった場合は、その期間だけ水やりをするといいでしょう。
育て方④肥料
もともと肥沃な土壌であれば、肥料も特に必要ありません。やせた土地なら毎年2月頃に与えましょう。緩効性(効き目がゆっくり)の化成肥料や油かすを使います。肥料を与えすぎるとさらに成長が早くなり、特に庭木の場合は手に負えなくなってしまうことがあります。葉の色や張り、花のつき具合を確認しながら必要な量だけを与えましょう。
育て方⑤病気と害虫
病気
タイサンボクは病気にかかりにくく、特に注意する必要はありません。ですが剪定の際に病気に感染してしまうことがあるようです。剪定後には薬剤で消毒しておけば安心です。
害虫
害虫の心配もあまりありませんが、カミキリムシには注意が必要です。カミキリムシは成虫、幼虫どちらも木を食べるので、見つけたらすぐに駆除しなければいけません。特に幼虫は木に穴を開けて内部から深刻なダメージを与えてしまいます。一匹ずつ手で駆除する方法もありますが、すでに大きく成長したタイサンボクには薬剤の散布が効率的です。
育て方⑥増やし方
タイサンボクは種から増やすこともできますが、発芽率が低いため挿し木で増やすのが一般的です。挿し木を行う時期は春から夏です。
挿し木の方法
ある程度硬くなった若い枝をよく切れる清潔な刃物で切り取ります。切り取った部分をくさび型にカットして、水を含ませた用土に2cmほど挿しましょう。用土には鹿沼土や赤玉土を使います。
タイサンボク(泰山木)の剪定
タイサンボクは何も手を加えなくてもきれいな樹形にまとまります。そのため広さに余裕のある場所では剪定の必要はありません。ですが庭木としてコンパクトに育てたい場合は、毎年定期的に剪定を行いましょう。すでに大きく育った株は業者に依頼するほうが無難です。自分で剪定する場合は安全に注意しながら作業を行ってください。
剪定の時期
剪定を行う時期は花が終わった直後の7月頃が最適です。この時期に剪定することで次の年にも花を楽しむことができます。また3~4月頃には、すでについている花芽を残しながら強い剪定を行うことが可能です。そのほかに秋にも剪定を行うことができますが、この場合次の年に花が咲かないことがあるのであまりおすすめしません。
剪定の方法
芯を止める剪定は3~4月頃、株全体の大きさを調整する剪定は7月頃行います。樹芯を止める場合も枝を切る場合も、必ず枝分かれしている部分のすぐ上でカットします。中途半端に長さを残してしまうと、その部分が腐って株全体を弱らせることにつながります。
まとめ
タイサンボクを植えるなら、育て方による失敗よりもまずは大きさをよく考えることが大切です。場所がよければ一年に80cm近くも成長しますし、剪定を数回さぼっただけでもノコギリでは切れないほど幹が太くなります。せっかく見ごたえのある丈夫な木なので、10年先まできちんと栽培プランを立てて楽しみましょう。
- 1
- 2