クチナシとは
甘い芳香をもつクチナシの英名はガーデニアです。ガーデニアの香りは香水やフレグランスとして世界中で人気を集めています。クチナシは香りのほかにも多くの特徴や用途をもちます。そんなクチナシについて詳しく見ていきましょう。
基本情報
園芸部類 | 庭木 花木 |
形態 | 常緑低木 |
樹高・草丈 | 2~3m |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 庭木 鉢植え 生薬 着色料 食用 花に強い芳香をもつ 果実は薬用、食用、着色料などに用いる |
栽培の可否 | 可 |
名前の由来
クチナシの名前の由来は諸説あります。果実が熟しても裂けないことから、口がないを意味してクチナシ(口無し)と呼ばれるという説がそのひとつです。また果実の上部の萼(ガク)を口に、果実本体を梨(ナシ)に見たてたともいわれます。
花言葉
クチナシの花言葉は「とても幸せ」や「喜びを運ぶ」などです。アメリカでは男性が女性をパーティーに誘うときにくちなしの花を贈る習慣があり、そのときの女性の気持ちを表す「とても幸せ」「喜びを運ぶ」などの花言葉につながったと考えられます。
クチナシの使い方
使い方①薬用
乾燥したクチナシの果実は、漢方薬の生薬のひとつです。クチナシの果実の生薬はさまざまな薬効ともち、山梔子(サンシシ)または梔子(シシ)という生薬名で呼ばれます。10~11月に赤~オレンジ色に熟した果実を収穫し、天日干しまたは陰干しで乾燥させたものを生薬として使用します。サンシシをパウダー状にするとサンシシ末です。
使い方②着色料
着色料、染料はクチナシの果実の代表的な利用法のひとつです。クチナシの色素は布や食品を美しく染める染料として活躍します。
日本の伝統色
クチナシの果実は、布を染める染料として古くから用いられています。平安時代にはクチナシで染めた布は梔子(シシ)色と呼ばれ、十二単(ジュウニヒトエ)にも使われました。
食品の色づけ
クチナシの実の黄色い色素はたくあん、和菓子などの食品の色付けにも使用されます。おせち料理の栗きんとんやさつまいもの黄色を美しくするための天然の色素です。インスタントラーメンなど加工食品のラベルには「クチナシ色素」「カロテノイド」「カロチノイド」と書かれています。
黄色以外の色素
クチナシの色素にタンパク質分解物やアミノ酸等を加えることで、青や赤の色素を作りだせます。クチナシの色素は、一般的に使われる食品添加物です。この色素は熱や酸に強く、価格も安いので食品添加物としてキャンディーやグミなどのお菓子にも多く使われます。
使い方③食用
甘い香りをもつクチナシの花は、食用としても楽しめます。萼(ガク)の部分を取り除いて、花びらだけをさっと湯通しして、三杯酢で食べるのがおすすめです。また、花はシロップ煮にしてデザートとして味わえます。クチナシの葉を焙煎すれば香ばしいお茶になります。
使い方④花材
クチナシの美しい白い花は、生け花やフラワーアレンジメントの花材として重宝されます。クチナシの花は可憐な姿、白い花と濃い緑の葉のコントラストが美しく、加えて甘い花の香りを楽しめる人気の花材です。
使い方⑤香料
クチナシの花には、ジャスミンにも似た強い芳香があります。クチナシは英語でガーデニアと呼ばれ、香水などにも使われる人気の香料です。クチナシの学名はGardenia jasminoides(ガーデニア ジャスミノイド)で、ジャスミンに似たガーデニアという意味です。
クチナシの効果・効能
効果・効能①炎症をおさえる
サンシシの代表的な効能は炎症をおさえることです。口内炎や肝炎、かゆみなどの症状に有効といわれ、茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)などの漢方薬に配合されています。民間薬ではサンシシ末で湿布薬を作り、捻挫や腰痛などの外傷に使用されます。
効果・効能②熱を冷ます
サンシシには熱を冷ます効果があります。熱をもつことでおこる精神不安や不眠などの症状に対して、サンシシを含む黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)、温清飲(ウンセイイン)が効果的といわれます。ひびやしもやけにすりこむのも使い方のひとつです。
効果・効能③精神を安定させる
サンシシにはストレスなどによってイライラした心や神経を鎮め、不安や不眠に悩む場合に有効といわれます。神経が高ぶって眠れないなどの悩みに対して、安眠を導くといわれるクコの実の摂取がおすすめです。
クチナシの食べ方
食べ方①クチナシ酒
材料(450mL瓶)
- クチナシの花(無農薬):45g
- クチナシの実:3個
- 氷砂糖:145g
- ホワイトリカー:220mL
作り方
- 瓶を煮沸消毒する
- クチナシの花は丁寧に水洗いして、水気をふきとる
- 瓶にクチナシの花、実、氷砂糖、ホワイトリカーを加える
- 瓶ごと軽くふって空気を抜く
- 表面をラップで覆い重しをおいて、空気に触れないようにする
- 冷暗所において氷砂糖が溶けたら花と実をとりだす
食べ方③芋きんとん
材料(4~5人分)
- サツマイモ:1本
- クチナシの実:1個
- 砂糖:大さじ3
- みりん:大さじ1
作り方
- さつまいもは厚さ1~2cmほどの輪切りにして、皮を水にさらす
- クチナシの実はお茶パックに入れ、軽くたたいてつぶす
- 鍋にお湯をわかし、サツマイモとクチナシの実をゆでる
- 色がついたらクチナシの実の袋を取り出す
- サツマイモがやわらかくなったらボウルに移し、砂糖とみりんを加えてよく練る
- ラップに包んで形を整える
食べ方③クチナシご飯
材料(4人分)
もち米:3合
黒豆:約50~70g
クチナシの実:2個
ぬるま湯:300mL
酒:大さじ2
塩:小さじ1
作り方
- 黒豆を洗って鍋に入れ水で浸し、一晩おく
- 鍋を強火にかけ、沸騰したら弱火にしてアクをとりながらやわらかくなるまで煮る
- 水が減って豆が水面からでたら水をたして、豆がお湯にひたるようにする
- もち米は洗ってザルにあげる
- クチナシの実を割りつぶしてぬるま湯につける
- 水が黄色く色づいたら茶こしでこす
- 炊飯器にもち米、クチナシの実の黄色い水、酒、塩と水をあわせて炊く
- 炊き上がったら黒豆を加えて混ぜ合わせる
クチナシのおすすめ通販
おすすめ通販①クチナシの実
クチナシの実
参考価格: 300円
くちなしの実は完熟したクチナシの果実を乾燥させたものです。さつまいもや栗、たくあんなどをおいしそうな黄色に染めるために使います。くちなしの実を2つに割って水につけると、クロシンという黄色い色素が溶け出します。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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価格 | 300円 |
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おすすめ通販②天然クチナシ色素緑
天然 クチナシ色素 緑
参考価格: 221円
天然クチナシ色素緑は、クチナシから取った天然色素です。クチナシから抽出した青と黄色の色素をまぜることで緑色の色素ができます。アイシングの色付けやお菓子作りにおすすめです。加熱にも強いので、焼き菓子にも適しています。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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価格 | 211円 |
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おすすめ商品②タマノハダシャンプー004ガーデニア
タマノハダ シャンプー 004 ガーデニア
参考価格: 1,386円
タマノハダシャンプー004ガーデニアはクチナシの花の香りが楽しめる贅沢なシャンプーです。植物性の洗浄成分をメインに、上質の精油を配合したノンシリコンのシャンプーが髪に潤いを与え、サラサラに洗い上げます。上質な香りがトップからミドル、ラストへと奥行きのある香りが続きます。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
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価格 | 1386円 |
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おすすめ通販②エッセンシャルオイルガーデニア
エッセンシャルオイル ガーデニア
参考価格: 3,850円
エッセンシャルオイルガーデニアは、白いクチナシの花の香りの精油です。天然のクチナシの花のみから抽出されている精油なので、クチナシの花のフローラルな甘い香りを楽しめます。香りでリラックスしたいならクチナシの精油がおすすめです。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
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価格 | 3850円 |
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まとめ
クチナシは、花や果実が食用、薬用として用いられるほか、染料や香料としても利用される有用な植物です。多くの食品にクチナシの色素が使われているので、食品を購入するときにラベルをチェックしてみてください。ルームフレグランスや化粧品などでガーデニアの香りとあれば香りを試してみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC