はじめに
ジュズサンゴ(数珠珊瑚)の名前の由来は、珊瑚玉のような赤い実が、数珠のように連なり合う姿から、この名前がつきました。開花時期が長く、花持ちがよいのが特徴で、素朴で愛らしい赤い実は、ブーケや切り花としても人気を博している植物です。今回このページでは、ジュズサンゴの上手な育て方、増やし方、剪定方法をご紹介します。
ジュズサンゴ(数珠珊瑚)とは
学名 | Rivina humilis |
科名 | ヤマゴボウ科 |
属名 | リビナ属 |
英名 | Bloodberry |
原産国 | 北米南部~南米、熱帯アメリカ |
開花時期・花色 | 6月〜10月・薄ピンク色から白 |
ジュズサンゴは、半蔓性、常緑低木の植物です。熱帯アメリカ地域が原産で、森や雑木林、道端などで半日陰となる、やや湿り気のある場所に自生しています。性質は基本的に病気などの心配もなく強健です。従来のジュズサンゴの実は、オレンジやレッド系ですが、品種改良した園芸種では黄色や白、ピンク色になるものも流通しています。
ジュズサンゴ(数珠珊瑚)の特徴
ジュズサンゴは、初夏から秋の季節にかけて長い間、花と実が同時に見られるのが特徴となります。丈夫で病気や害虫被害も少ない植物です。光沢のある緑の葉と白い花、真っ赤な実の、色のコントラストは大変に鮮やかで美しく、地植えのお庭などで、ぱっと目を引き付ける印象的な植物です。その見栄えの良さから使い勝手が良く、鉢植えや、寄せ植え、切り枝としても人気があります。
ジュズサンゴの実の特徴
ジュズサンゴは開花時期が長い植物です。花が咲いた後に、直径3mmほどのつややかな小さな実を房状につけます。実の色は、最初は緑ですが、白、ピンクとだんだんとグラーデーションで色づきはじめ鮮やかな赤い実になります。
ジュズサンゴの用途
ジュズサンゴは観賞目的だけにとどまらず、果実には、赤色〜黄色のベタレイン系の色素成分が含まれており、着色料や染料としても使われます。ジャマイカなど、国によっては薬用効果もあるハーブともいわれています。
ジュズサンゴの実は食べられるのか?
ジュズサンゴの赤い実を、鳥は悪影響なしで食べるとされています。海外の動物試験でも、ラットが果汁を食しても体に悪影響はなかったとの報告もあるようです。しかし、動物は大丈夫でも人間には有毒という説の報告が海外であります。あくまで観賞目的に留めて口にはせずに楽しみましょう。
ジュズサンゴの仲間たち
私たちの身近なところでは、市街地などに雑草化してよく見かける植物「ヨウシュヤマゴボウ」「マルミノヤマゴボウ」は、ジュズサンゴと同じヤマゴボウ科の仲間に入ります。きれいな紫色の実を付けて、一見おいしそうですが、全て有毒成分がふくまれているため食べられません。食用として安全性の報告が一般的になるまでは現状、ジュズサンゴも口にせず観賞用として楽しみましょう。
ジュズサンゴ(数珠珊瑚)の開花時期
ジュズサンゴは、白い小花を咲かせた後に、直径3mmほどのつややかな赤い実を房状につけます。開花時期は6月〜10月頃までと比較的長いです。花は、開花時期に、いっせいに咲くというより、次から次へと順を追うように咲きます。そのため花の開花期間中に実も同時に観賞ができる植物です。
ジュズサンゴの花びらは萼片
ジュズサンゴの開花時期に見る、花びらと思われがちな白い部分は、じつは花弁ではなく萼片(がくへん)です。萼片が4枚あり、薄ピンク色から白色をしているので、まるで花弁のように見えます。
次のページでは、ジュズサンゴの上手な育て方をくわしくご紹介します。