リコリスの仲間
同じヒガンバナ科で、違う属に分類されるものもご紹介します。
スパイダーリリー
スパイダーリリーという名前の通り、蜘蛛が脚を広げたような白い花を咲かせます。学名はHymenocallis speciosa Salisb(ヒメノカリス・スペシオサ)で、ヒガンバナカ科のヒメノカリス属です。別名はササガニユリ(笹蟹百合)といいます。
ダイヤモンドリリー(ネリネ)
ダイヤモンドリリーは、花に光が当たるとダイヤモンドのように光輝くことからこう呼ばれます。ヒガンバナ科ネリネ属で、品種により、ピンクや紫、オレンジや白の花を咲かせます。開花時期は10〜12月頃ですが、彼岸花とは違い、開花期間が1ヶ月ほどと長く、花もちもよいので切り花に向いた花です。
リコリスの育て方
品種にもよりますが、基本的には土手にも生えているように、丈夫で育てやすい花です。育て方もそれほど神経質になる必要はありませんが、球根なので植え付け時や増やし方には少し気を付けましょう。
植え付けと植え替え
植え付け場所は日当たりが良く、土はやや湿り気があり水はけのよい土が良いでしょう。半日陰でも育ちますが、葉が出ている時期は日がよく当たる場所の方がよく育ちます。根が地中深く伸びて育つため、植え付け前に土は深くまで耕します。植え付ける時期は6月下旬〜8月頃で、球根を乾かせないためにも、入手したらすぐに植え付けましょう。球根が乾燥していたら、植え付け後に注意して水やりをします。
植え替えは4〜5年に一度
定期的に植え替えをするよりも、植えっぱなしの方がよく育ちます。植え替えは球根の間隔がキツくなってきたとき、だいたい4〜5年に一度で大丈夫です。むしろその頃のほうが綺麗な花を咲かせるでしょう。数年植え替えしなくてすむためにも、球根が混雑しないように植える場所はよく考えましょう。鉢植えの場合、深さのある大きいものを選びます。
水やり
植え付け直後は乾燥させないように気を付けますが、それ以外はやや乾燥気味で大丈夫です。むしろ加湿を嫌うので、水のやりすぎで球根を腐らせないように注意しましょう。庭など地植えの場合は、極端に乾燥しない限り水やりの必要はありません。鉢植えの場合は土が乾いたら水を与えますが、この場合もあげすぎには気をつけましょう。
肥料
肥料はなくても育ちますが、与えると育ちが良くなります。用土に堆肥や腐葉土を混ぜておくか、追肥するなら化成肥料を与えましょう。
増やし方
彼岸花などの種子ができないリコリスは、どんな増やし方で繁殖するのでしょうか。リコリスの増やし方は分球といい、球根が新しく子球を作り増えていくもので、放置しておいても土の中で自然に球根が子球を作り増えていきます。植えたままでも勝手に増えていくため、球根が混み合ってきたら掘り起こして植え替えをします。
リコリス(彼岸花)とは違うリコリス
彼岸花を代表とするリコリスですが、同じくリコリスと呼ばれる植物が存在します。彼岸花のLycorisと違い、こちらはLiquoriceと表記します。別名スペインカンゾウともいわれるマメ科カンゾウ属で、漢方にも使われる甘草(カンゾウ)の仲間です。北欧などの海外では、このスペインカンゾウの根の成分を原料としたリコリス菓子が親しまれています。菓子の種類にもよりますが、日本人の口にはあまり合わない独特の味をしていると評判です。
まとめ
お気に入りのリコリスは見つかりましたか。彼岸花というとそのイメージから敬遠されがちですが、墓地に生えるその理由を知ると、頼もしく親しみを感じないでしょうか。リコリスには、その仲間も含めてそれぞれ違った魅力があります。お彼岸の時期に見かけたときは、思い出してみてください。
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