八重咲きってどんな咲き方?意味や特徴を解説!一重咲きとはどう違う?

八重咲きってどんな咲き方?意味や特徴を解説!一重咲きとはどう違う?

八重咲きの花はその美しい外見から人気が高く、多くの八重咲きの花が品種改良で作られました。その意味や特徴、一重咲きのとの違いをご紹介します。花見の代表である桜だけではなく、切り花として人気の高いユリや花壇に植えるベゴニアの八重咲きもご紹介します。

記事の目次

  1. 1.八重咲きとは
  2. 2.八重咲きの咲き方
  3. 3.八重咲きと一重咲きとの違い
  4. 4.八重咲きが美しい花
  5. 5.八重咲きが評価されない花とは
  6. 6.まとめ

八重咲きとは

Photo byshell_ghostcage

画像は八重咲きの桜です。

八重咲きとは、花の咲き方の1種で花びらが何重にも重なって咲く咲き方のことを言います。花びらは通常1列で重ならずに並ぶ一重咲きが基本です。更にもう1列花びらが重なると二重咲きと呼ばれます。その先は花びらの重なりが多くなっていくごとに半八重咲き、八重咲きと呼び方が変わっていきます。それよりも多いものなると超八重咲きなどと呼ぶこともありますが、呼び方は地域や人によって異なります。

八重桜の定義

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八重咲きと聞いて日本人がまず思い浮かべるのは春の花見の席などでも時折見かける八重桜ではないでしょうか。しかし、「八重桜」という品種があるわけではなく、桜の八重咲きのものを総称して八重桜を呼んでいるのです。桜の花びらは通常5枚ですが、それを越えるものを八重桜と呼びます。八重桜は百人一首に登場したり、平安時代の装束(しょうぞく)の名前にも使われるほど、日本人になじみの深い桜です。

八重咲きの咲き方

Photo bypixel2013

画像はバラの花です。

八重咲きは花びらがくるりと一周あるだけではなく、更に重なって咲く咲き方のことです。バラの花のような形、というと分かりやすいですが、バラも本来は一重咲きです。八重咲きは花の外周に一周花びらがあるのに加えて、普通の花であればめしべやおしべのある花の真ん中の場所、場合によってはがくのある場所にまで花びらがあるので、一見すると花びらだけで花が構成されているようにも見えます。

八重咲きの意味

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野生種の花は一重咲きが基本です。一部の例外を除き、野生種に八重咲きはあまり存在しません。あったとしてもそれは奇形種として存在します。それでも多くの種の花に八重咲きであるのにはどんな意味があるのでしょうか。その見た目の華やかさから八重咲きは人気があり、品種改良によってほとんどの園芸種で八重咲きが作られました。それは、人間が花の美しさを追求した結果なのです。

八重咲きの特徴

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八重咲きは、何と言っても見た目の華やかさが特徴です。しかし、八重咲きの花はめしべやおしべが花びらに変化してしまっていることが多いため、種や果実をつけることができません。八重咲きの花は種ではなく株分けで増やすことが多いのです。また、花びらの元になる子葉が重なって多数存在することや、花びらが小さな頃に裂けることによって数が増えるという増え方もあります。

八重咲きと一重咲きとの違い

Photo byshell_ghostcage

こちらは一重咲きの桜です。

一重咲きは花びらが重なることなく、くるりと一周程度あるもののことです。八重咲きは、花びらが一重咲きよりも重なって咲いているものを言うのです。その分、花びらの数も増えています。例えば花見の代表である桜は基本の花びらの数は5枚ですが、それ以上花びらが重なっていれば八重咲きの桜となります。

八重咲きとキク科の集合花との違い

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キク科の花の八重咲きは、他の花の八重咲きと少し事情が変わってきます。見た目に大きな違いはないように見えますが、キク科の花の花びらはその1枚1枚がめしべとおしべを持った小さな花であることが多く、それらが寄り集まっている「集合花」と呼ばれるのです。タンポポを見れば分かりやすいですが、種もたくさんでき、種で増えていきます。めしべやおしべが花びらになる他の八重咲きとは異なります。

八重咲きが美しい花

Photo by kanonn

画像はトルコキキョウです。

八重咲きの花はとても華やかで、品種改良によって花びらの数も様々になっています。「バラのような」という意味のある「ロゼット咲き」と呼ばれるものもあり、本当にバラと見間違ってしまうようなものもあります。八重咲きと言われて思い出す花といえば、花見の桜や贈り物のバラ、カーネーションなどが身近ですが、ここではその他の八重咲きの品種についてご紹介しましょう。

八重咲きが美しい花①ユリ

Photo by kanonn

画像はイザベラです。

切り花として人気のユリの花にも八重咲きは多く、シエラ、イザベラなどピンク色の花や、マイウエディングという名前の真っ白いユリもあります。ユリの八重咲きもおしべやめしべがある中央部分まで花びらになっています。ウェディングブーケの定番は同じ純白のユリである一重咲きのカサブランカですが、どちらにしても白いユリは花嫁のイメージにぴったりです。

八重咲きが美しい花②ベゴニア

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画像はホワイトです。

花壇に植える花の定番であるベゴニアにも八重咲きがあります。有名なのはダブレッドという品種で、色も赤色からピンク、ホワイトもあります。画像だけだと、バラと見間違ってしまいそうなほどバラのように美しい外見ですが、花のサイズはバラよりも小さく、葉の形も違います。こちらもまた、花の中心まで花びらになっています。

八重咲きが評価されない花とは

Photo byPexels

人気の高い八重咲きの花ですが、実は、西洋ランはあまり花びらの数を増やすことを重視していません。これは、花びらの形自体が美しさの要素であるため、花びらをより大きく、美しくする方向へ品種改良が進んだためです。逆に東洋ランの世界では珍しいものが価値のあるものとされたため、花びらの数が多いものもあります。

まとめ

Photo by yoppy

いかがでしたでしょうか。切り花や鉢花、庭植でも、八重咲きはその美しさを見せてくれます。それはそのまま人間の美というものへの探求心を感じさせます。それはこれからも衰えることなく、更に美しい花を咲かせるために努力を積み重ねていくことでしょう。あなたの家にも、八重咲きの花を迎えてみてはいかがでしょうか。先人の努力をまとった華やかなその姿は、きっと、あなたの癒しになってくれますよ。

Yukari
ライター

Yukari

バラや山野草も育てています。最近少しハーブ寄りです。自家製ハーブで化粧水やらポプリやらを作っている時の魔女っ子気分が大好きです。

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