植物の夏バテとは?
私たちが感じるのと同じように、植物も夏バテのような状態になります。夏バテと聞いて思い浮かぶのは、「だるさ・疲れ」「食欲がなくなる」「よく眠れない」などですね。この記事では植物にも起こる夏バテの原因と注意点、庭・ベランダ・室内それぞれの管理方法を、しっかりと解説していきます。
異常気象で環境が激変
日本の気候は四季がはっきりとしているのが特徴で、夏は梅雨のジメジメとした湿気と強い日差しに、暑さがあわさった「高温多湿」な状態です。地球全体の温暖化もあって、50年や100年に1回といわれる異常気象が毎年のように発生していますね。また現代の住宅は機密性が高く、室内の熱や湿度が逃げにくいのも夏バテの原因のひとつです。
植物の多様化も影響
世界中の植物が手軽に手に入るようになり植物が多様化した反面、原産地と日本の環境の違いから育て方が難しいと感じることもあります。欧米など多くの地域では、夏は気温が高くてもカラッとして空気が乾燥した気候です。温度と湿度・日照時間のズレは、屋外や室内の植物の管理に大きく影響しています。
酷暑の管理方法の問題点
植物が夏バテする原因と注意しておきたい管理方法を、3つのポイントに絞って解説します。屋外や室内で育てている植物の暑い季節の問題点について、その原因と照らしあわせながらみていきましょう。
①高温と熱風
夏に花を咲かせる熱帯性の草花や夏型の多肉植物など、屋外でも高温に強い植物も多いです。視界植物にはそれぞれの育成適温があって、その上限を超えた高温や熱風にあたってしまうと、成長が鈍ったりストップしたりしてしまいます。高温期の屋外での水やりや肥料やりは、植物の根に負担を与えてしまうため、特に注意が必要です。
②強い日差し
植物の光合成に大切な日光は、強すぎると乾燥したり葉焼けの原因になったります。植物が活発に光合成する時間は、主に午前7〜10時だといわれています。光合成に欠かせない夏の水やりは、早朝や夕方以降が最適です。昼間に強い日差しや熱を和らげるために水やりをしたはずが、水滴がレンズ効果となって、葉が黒く焼けてしまうこともありますよ。
③高い湿度・蒸れ
湿地性の植物や葉水を好む観葉植物も、真夏の暑さと蒸れは苦手です。湿地性の植物の多くは、湿原などの標高が高く夜は涼しいところで育ちます。また観葉植物を育てる土質は水はけが大切で、土の加湿は根の成長の妨げになってしまいます。水はけのよい土質と風通しのよい場所が、湿度管理の大切なポイントです。
真夏の庭での高温と蒸れ対策
夏の屋外でのガーデニングは、暑さと雑草・害虫との戦いですね。植物にとって、特に問題なのが「西日」の当たる庭です。日が陰ってからも高温と高熱のダメージが植物に残り、翌朝まで持ち越してしまいます。春のうちにしっかりと肥料を与えて、植物の抵抗力を高めておきましょう。
①切り戻し剪定で風通しよく
真夏の高温と蒸れを解消する管理方法のひとつが、切り戻し剪定です。春に咲いたハーブや草花などは、草丈を半分以上に切り詰めます。剪定する時期は梅雨前が最適で、剪定した後に肥料を与えて栄養を補います。株と株の間隔を空けるのも、風通しよく水はけよく保つポイントです。暑くなる前に、できる対策をしておきましょう。
②鉢上げして日陰に移動
移動できる所があれば暑さに弱い植物を鉢上げして、常緑樹の木陰など明るい日陰に移動するのも夏バテに効果的です。弱った草花には固形肥料ではなく、即効性のある液体肥料や活力液で栄養を補いましょう。薄めた活力液を葉水として、葉や茎にスプレーして与えるのも、おすすめの方法ですよ。
③蒸れ対策は水はけよく
夏の水やりは早朝と夕方以降の、日が陰ってからが最適です。夕方以降の水やりではシャワーやミストで、こもった熱をクールダウンさせるのもいいでしょう。庭や花壇の水はけが悪いと、熱気や蒸れで屋外でも植物が傷みやすくなります。土質を変えるのは難しいですが、土を削って傾斜をつけたり、溝を掘って水の出口を作ったりすることで、水はけ対策が可能です。
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出典:Unsplash