ノウゼンカズラとは
学名 | Campsis grandiflora |
分類 | ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属 |
漢字表記 | 凌霄花 |
ノウゼンカズラという名前を知らなかったとしても、夏の庭先に揺れるピンクとオレンジ色が混ざったようなラッパ型の美しい花を見かけたことがある人は多いでしょう。この記事ではそんなノウゼンカズラの育て方や剪定方法などをご紹介します。
原産は中国
「凌霄花」の表記からも分かるように、ノウゼンカズラの原産は中国です。平安時代の書物『本草和名』に「乃宇世宇(のうせう)」として登場しており、そのころにはすでに日本の庭に育っていたことがわかります。
ノウゼンカズラの品種
有名なノウゼンカズラの品種としては、以下のようなものがあります。
- 「アメリカノウゼンカズラ」…花は小ぶりながら赤の発色が美しい。
- 「アメリカノウゼンカズラ’フラバ’」…「アメリカノウゼンカズラ」の園芸品種。オレンジ色の花をつける。
- 「マダム・ガレン」…ノウゼンカズラとアメリカノウゼンカズラの交配種。さらに濃いオレンジ色の花をつけ、育てやすい品種として人気。
- 「オランジュ・タカラヅカ」…「マダム・ガレン」とノウゼンカズラとの交配種。小型で鉢植え栽培も可能。
落葉性のツル性の植物
ノウゼンカズラは「ツル性」の落葉低木の1種です。藤のように太い幹から次々とツルが伸びていき、他の植物や建物などに吸着しながら上へ上へと伸びていきます。ツルの長さを合わせると樹高は3mから、長いものだと10mほどになります。
花期は7~8月
ノウゼンカズラの花期は真夏です。ツルの先端につぼみをつけ、下に垂れ下がるようにしてラッパの形をしたピンク色とオレンジ色が混ざったような花を次々につけます。花の中には密がたっぷりつまっており、アリやチョウなどの虫はもちろん、メジロなどの鳥も集まってきます。
ノウゼンカズラは夏の季語
夏の花といえば、朝顔やひまわりですが、実は夏に咲く花というのは思いのほか少ないことをご存知でしょうか。真夏の結婚式は花が少なく苦労する、とまで言われています。ノウゼンカズラはそんな夏に咲く数少ない花の1つで、俳句でも夏の季語になっているほどです。
ボタニ子
ノウゼンカズラの育て方
うだるような暑さの真夏に花を付け、青空とのコントラストが大変美しいノウゼンカズラですが、育て方にポイントはあるのでしょうか。いくつかの項目に分けてみていくことにしましょう。
育て方①植え付け
地植えの場合
植え付けは冬から初春にかけての3~4月が望ましいです。根が十分に入るほどの穴を地面に掘り、掘りだした土の1/3~1/2は腐葉土に入れ替えてやります。先述したようにツル性の植物ですので、ツルを伸ばしていくための支柱やオベリスクなどを用意してやりましょう。
鉢植えの場合
鉢植えの場合は水はけのよい用土をブレンドしてやります。赤玉:腐葉土が3:1くらいになるのがよいでしょう。鉢植えに適した小型品種(「オランジュ・タカラヅカ」など)を育てるのがおすすめです。こちらの場合も支柱の用意は必要です。
育て方②日当たり
ノウゼンカズラは日当たりがよい場所を好みます。やがて花をつけるツルも日が当たる方向へ伸びていく性質がありますので、東や南側に影があるような場所は避けるのがベターです。鉢植えで育てる場合は、日に当たる場所に移動します。
湿気の多い場所は避けよう
育てやすいノウゼンカズラですが、育て方で大切なポイントは植え付ける場所です。日当たりがよく、水はけのよい場所が最も適しています。じめじめとし、水はけが悪くいつも湿気が多くなっているような場所では育っても花があまりつかないこともあります。
育て方③水やり
地植えの場合は、根がしっかりつくまでは定期的な水やりが必要です。根がついたあとはさほど水やりはしなくても育っていきます。鉢植えでは土が乾いたときにこまめに水をやるようにしましょう。
育て方④肥料
日当たりさえよければさほどの肥料は必要ありません。やるのは年に2回ほどで十分です。春に向けての力を蓄えるために2月ごろに寒肥を、芽が吹き出す4~5月に緩効性化成肥料を与えてやります。
育て方⑤挿し木
ノウゼンカズラの増やし方として、挿し木があります。枝(ツル)をよく観察してみましょう。気根といって枝から根のような細長い組織がひょろひょろと出ているものがあります。この枝を切ってそのまま地面や水に挿しておくと気根から簡単に発根させることができます。
育て方⑥冬越し
比較的耐寒性があるノウゼンカズラではありますが、地面が凍って霜柱が出るような地域では対策をしてやるのがよいです。株元に腐葉土を足してやり、その上から藁を敷いてやりましょう。
ボタニ子
ノウゼンカズラの基本的な育て方を確認した後は、気になる剪定方法やツルの始末の方法を見ていきましょう。
ノウゼンカズラについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧くださいね。