ソラマメの育て方:発芽から冬越しまで
ソラマメは秋の季節に種まきを行うため、収穫するまでには冬越しをさせる必要があります。ここでは、発芽したあと、春の季節を迎えるまでの管理方法を紹介します。
間引き
発芽後、本葉が2~3枚までに育ってきたら間引きのタイミングです。生育のいい苗を1本だけ残し、間引きを行ってください。このとき、ポットに種まきをした苗地植えへと植え付けを行います。
植え付け方法
地植えへ苗を植え付ける際も、種まきをしたときの土作りと同様の手順で行います。植え付ける際の株間は30cmとし、根鉢を崩さずに植えていくことがポイントです。植え付けが終わったら軽く土寄せをして、たっぷりと水やりをしてください。
水やり
ソラマメは水はけのよい土が好きです。そのため、苗を植え付けた冬の季節では乾燥気味に育てる必要があります。土の様子を見ながら、暖かい時間に水やりを行うようにしましょう。ただし、植え付け直後から根付くまではたっぷりと水やりをしましょう。
冬越し
ソラマメの苗は冬の寒さにも強いです。特に本葉が4~5枚までに育った苗が強く、寒い冬の季節を越すために、苗を育てておく必要があります。逆に本葉が4~5枚以上ある苗は寒さに弱くなってしまい、霜にあたると枯れてしまうこともあります。種まきをはやい時期に行ってしまうと成長した苗での冬越しになるので、あまりにもはやい時期での種まきは避けるのがおすすめです。
ソラマメの育て方:冬以降の管理方法
春になるとソラマメは生育が旺盛になります。冬では、あまりやることもなかったですが春になってくるとソラマメを管理するためにやることが増えていきます。ここでは、春以降に行う管理方法について紹介します。
水やり
ソラマメが冬を越し、成長してくると冬に行っていたよりは水やりの回数が増えます。土の表面が乾燥していたら水やりの合図だと思ってください。このときに、たっぷりと水やりを行います。
支柱立て
冬を越すとソラマメはぐんぐん成長していきます。そのため、倒れるのを防ぐためにも支柱立てを行います。支柱立てを行うタイミングは、草丈が30cmくらいに育ったときです。3月中旬には草丈が30cmくらいにはなりますので、時期と草丈を目安に支柱立てを行ってください。
支柱に紐をはる
ソラマメが大きくなると、支柱だけでは倒れるのを防ぐのが難しくなってきます。そうなってきたら、支柱を囲うように紐を張り巡らせましょう。紐を張るだけで倒れるのを防ぐことができます。
整枝
4月中旬、草丈が40~50cmくらいに育ったタイミングで整枝を行います。ソラマメは、春になると次々と分枝していくため、混みあってきます。この枝を1株につき、6~7本残す作業が整枝になります。残す枝は大きく太い枝を残すようにしましょう。残さない枝は根元から切り取ってしまいます。整枝をすることにより、風通しもよくなり日光も届くようになります。
追肥
整枝と同じ4月中旬のタイミングで追肥を行います。化成肥料を畝の外側にまいていきましょう。このときに、まいた肥料を軽く土に混ぜ込むように耕しておきます。この後も、果実を実らせるまで、2~3回肥料を与えます。成長すると苗の頃よりも肥料をすぐに吸収してしまうので、果実が実るまで肥料切れを起こさないように注意しましょう。
一緒に土寄せも行う
肥料を与えるタイミングで一緒に土寄せも行いましょう。土寄せをしっかり行うことで、倒れるのを防げます。肥料を与えるさいに土に混ぜ込む必要があり、結果的に土を触りますので、このタイミングで一緒に土寄せを行えばとても楽です。
摘心
4月下旬~5月上旬、草丈が70cmくらいに育ったタイミングで摘心を行います。摘心は茎の先端を切り取る作業で、ソラマメの収穫量を増やすためにも摘心を行います。また、ソラマメは摘心をしないと育ちすぎて背丈が高くなることがあります。背丈が高くなると倒れる危険性も出てきますので、忘れずに摘心するように心がけましょう。
側枝の摘み取り
摘心を行う際に、側枝も一緒に摘み取ってしまいます。側枝をそのままにしておくと、葉に養分を吸い取られ収穫量が減ります。忘れずに側枝も摘み取ってくださいね。
ソラマメの育て方:収穫
そろそろ収穫の時期です。ソラマメの果実には収穫できるタイミングになるとある変化が訪れます。その変化を見落とすことなく新鮮なソラマメを収穫していきましょう。
収穫までの日数と時期
種まきをしてから約半年で収穫できるようになります。時期的には5月中旬~6月中旬です。ソラマメの果実は、はじめは空を向くように実りますが、収穫できる時期になると下を向くようになります。下を向いた(地面と平行になった)ときに果実を触ってみて豆が確認できるようでしたら収穫ができるタイミングです。
収穫方法
ハサミで、果実の根元を切ります。また、ソラマメは旬が短いです。そのため、収穫時期を見逃さないようにしましょう。
ソラマメの育て方:気を付けたい病気・害虫
ソラマメには、いくつか気をつけたい病気と害虫があります。病気は連作を避けることだけで防げるものです。ここでは、ソラマメの病気と害虫について紹介します。
病気
茎腐れ病
地際の茎が茶色くなり、枯れてしまう病気です。土壌伝染の菌が発生源となり、多湿な環境で発病する病気です。そのため、病気に気をつけなければいけない時期は3月~10月と長いです。この病気にかかってしまった株は、処分して土壌を消毒してください。連作を避けるだけでも、この病気は防げます。
立ち枯れ病
立ち枯れ病は、初めのうちは、根が影響を受けるため生育不良のように感じます。症状が進むと、下葉が枯れ、そのうち全体が枯れてしまう病気です。土壌から伝染する病気であり、病気を発病したら病気の株を引っこ抜き、土壌を消毒します。この病気も連作を避けるだけで防げます。
ソラマメの冷害
病気や害虫とは違いますが、ソラマメは冬の寒さや霜にあたり冷害を起こすことがあります。冷害を防ぐためにも、敷き藁などを土に敷いておきましょう。
害虫
アブラムシ
植物の汁を吸うために、葉の裏や茎に群がる害虫です。ソラマメだけではなく、どんな植物にもやってくる害虫です。アブラムシ自体の種類も多く、いろいろな色のアブラムシがいます。アブラムシがソラマメにつくと、汁を吸うため生育が阻害されてしまいます。また、アブラムシはウイルス病などどいった病気の感染源にもなる害虫です。見つけ次第駆除するようにしましょう。
ヨトウムシ
ヨトウムシは、ヨトウガという蛾の幼虫です。昼間に姿を見せることはなく、夜になるとやってくる害虫として知られています。夜にやってきて、葉や茎を食べてしまう害虫です。ヨトウムシは食欲が旺盛な害虫なので、あっという間に葉や茎がなくなってしまいます。予防手段としては、植え付け前に土をよく耕すことです。土をよく耕すことで土の中にいるヨトウムシはサナギの被害を少なくできます。
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