ヘリオトロープとは
ヘリオトロープは春から秋にかけて紫色の小さな花をたくさん咲かせる植物です。花からはバニラのような香りがすることからハーブとしても活用されています。ヘリオトロープには「献身的な愛」という花言葉もあり、贈り物としても喜ばれるでしょう。
ヘリオトロープの基本情報
草丈 | 10~100cm |
形態 | 多年草、一年草 |
開花時期 | 4月下旬から10月頃 |
花の色 | 紫、白 |
耐暑性 | やや弱い |
耐寒性 | 弱い |
耐湿性 | 弱い |
耐陰性 | 普通 |
ヘリオトロープはペルーとヨーロッパ南部が原産地です。世界に250種類ほどあるといわれていますが、代表的な種類にはコモンヘリオトロープとビックヘリオトロープの2つがあります。草丈は種類によって異なりますが、10cm~100cmです。コモンヘリオトロープは特に寒さに弱く、日本では一年草と扱われることがあります。どちらも寒さに弱く、冬越しの管理が大切です。
ヘリオトロープの特徴
ヘリオトロープは小さな星のような形の花が集まって咲きますが、この花に特徴があります。
開花時期が長い
ヘリオトロープの花は4月下旬~10月頃までと開花時期が長いことが特徴的です。他の花よりも長い期間、花を楽しめるという魅力があります。
バニラのような香り
ヘリオトロープの特徴は甘い香りです。ヘリオトロープの花からはバニラのような甘い香りがするため、ハーブとしても活用されます。ヘリオトロープは香水や石鹸の原材料のほか、ドライフラワーにしてポプリやサシェに使うのです。香りの強さはヘリオトロープの種類によって異なり、コモンヘリオトロープの方が香りが強く、ビックヘリオトロープはほのかに香る程度と違いがあります。
ヘリオトロープの育て方
ヘリオトロープの基本的な管理から冬越しさせるための育て方についてご紹介します。
育て方①水やり
ヘリオトロープは葉をよけて株元へ水やりします。表面の土が乾燥したらたっぷりと水やりをしましょう。ヘリオトロープは水が切れないように管理することが大切です。乾燥すると葉が黒くなり落葉する可能性があります。真夏日は特に水きれしないように、朝夕と2回水やりするなど工夫が必要です。冬は乾燥気味に水やりして冬越しさせましょう。
水きれを起こしてしまったら活力剤を使用する
万が一水きれしてしまっても、すぐに液体肥料を与えてはいけません。まずは活力剤を与えてヘリオトロープを元気にしてから液体肥料を使いましょう。水きれしてから液体肥料を与えてもヘリオトロープが吸収できないことがあるからです。夏場は日ごろから活力剤をときどき与えておくことで水きれしても元気になりやすくなります。
育て方②置き場所
ヘリオトロープは日当たりがよく、水はけがよい場所で育てましょう。寒さに弱いため、鉢植えで育てるほうが管理しやすいです。冬は外に出さず日当たりのよい室内で管理すると冬越しできます。真夏日は直射日光に当たらないように注意しましょう。
育て方③用土
ヘリオトロープの用土に適しているのは水はけ、通気性、保水性がよいものです。赤玉土6、腐葉土3、軽石1などの割合や、市販の花の培養土にパーライトを1割混ぜたものでもよいでしょう。地植えする場合、ヘリオトロープは酸性用土を嫌うため、植え付け前に苦土石灰を使用して中和します。
育て方④肥料
ヘリオトロープに必要な肥料は、緩効性の化成肥料と液体肥料です。最初の植え付け時に緩効性化成肥料を元肥として施し、春や秋ころに液体肥料や置き肥で追肥して、肥料が切れないようにします。一番花が枯れたタイミングで追肥をしてもよいでしょう。
ボタ爺
育て方⑤手入れ
ヘリオトロープの花は長く咲くことから、咲き終わった花や伸びた枝の手入れが必要です。手入れをすることで見栄えをよく、多くの花を咲かせられます。
枯れた花を摘む
ヘリオトロープの花は3日ほどで枯れてしまいます。茶色く枯れた花は花の茎から摘みましょう。枯れた花が残っていると若い花に養分がいかず、花がたくさん咲きません。病気の予防にもなるため、花後は丁寧に手入れしましょう。
ボタ爺
咲き終わった花のことを「花がら」といいます。また咲き終わった花を摘むことを「花がら摘み」といいます。
伸びた枝を切り戻しする
ヘリオトロープは、花が咲いていても枝や茎が伸びて不格好になってきたら、切って形を整えます。切り戻しすることで見栄えもよく、花をたくさん咲かせられるからです。春に花を咲かせやすいため、開花時期が終わったタイミングで一度切り戻しするのもよいでしょう。
ボタ爺
切り戻しは余計な茎の成長を抑えて新しい花や茎への養分となるので、結果的には多くの花を咲かせられます。
育て方⑥植え付け・植え替え
ヘリオトロープの苗が売られるのは春先です。苗を購入して植え付けます。植え付けのとき、ポットから根鉢を崩さないように抜きましょう。植え替えは根詰まり予防のために、ヘリオトロープの成長に合わせて鉢を一回り大きなものに植え替えます。2~3年に1回は植え替えをしたほうがよいです。その際、根をほぐしましょう。植え付けと植え替えの時期はどちらも春と秋の花が咲き終わるころです。
育て方⑦増やし方
ヘリオトロープは挿し木で増やせます。挿し木の時期は春と秋で5~6月、9月頃です。まず新芽を8cmほど切り取り、切り口を1時間ほど水につけてから、赤玉土に挿しましょう。挿し木してから土が乾燥してしまうとうまく発根しません。発根するまでは土が乾燥しないように注意します。20℃前後で管理し、1カ月ほどで根が張ってくるため、その後は成長にあわせて大きな鉢へと植え替えましょう。
ボタニ子
次のページからはヘリオトロープのアレンジ方法について見てみましょう。
一番花とは、1つの植物のなかで最初に咲いた花のことをいいます。