柿渋とは?その種類・特徴や作り方から染め方・塗り方までご紹介!

柿渋とは?その種類・特徴や作り方から染め方・塗り方までご紹介!

柿渋は渋柿の絞り汁を発酵・熟成させて作る日本古来の材料です。作り方は簡単で家庭でも作ることができます。防腐・防虫効果をはじめさまざまな効果があり、現在では完全自然由来の塗料・染料として注目されています。本記事では柿渋について作り方や使い方を詳しくご紹介します。

記事の目次

  1. 1.柿渋とは
  2. 2.柿渋の作り方
  3. 3.柿渋の使い方
  4. 4.柿渋染めの方法
  5. 5.柿渋の塗り方
  6. 6.まとめ

柿渋染めの方法

柿渋染めの方法①手順

柿渋染めの手順をご紹介します。柿渋染めには綿や麻、絹などの天然繊維が適しています。化学繊維も染めることはできますが、天然繊維と比較すると染まりにくいです。

  1. 染めたい衣類・布地の汚れを落とす。(糊や油分がついたままだと色落ちの原因になります。)
  2. 柿渋を水で2倍以上の濃度に薄める。
  3. 柿渋に材料を浸し、よく揉みこむ。
  4. 柿渋がまんべんなく浸み込んだら絞り、乾燥させる。
  5. 完全に乾いたら水洗いする。

柿渋染めの方法②染め方のコツ

材料は柿渋に浸ける前に濡らしておくと染めムラができにくくなります。原液でも染めることができますが、仕上がりが硬くごわついた感じになります。とくに衣類の場合は薄めた柿渋で何度か繰り返し染め、色を濃くしていくほうがよいです。

媒染で色味を変える

媒染とは、薬剤などを利用して染料を繊維に発色・定着させる工程をいいます。柿渋は単体でも色が定着するので定着剤としての媒染は必要ありませんが、媒染剤を使い色味を変えることができます。

  • 鉄媒染…黒みがかった茶色
  • 銅媒染…赤みがかった茶色
  • チタン媒染…黄みがかった茶色
上記のような色味に変化します。

柿渋染めの方法③注意点

柿渋は水溶性のため、一度完全に乾かしてから仕上げ洗いをします。鉄製の器具を使用すると鉄と反応し黒く染まってしまうので、プラスチックやステンレスの器具を使用しましょう。

柿渋染めに必要なもの

  • 鉄・銅製以外のタライやバケツ
  • 手袋
  • 汚れてもいい服装
  • (必要に応じて)箸やトングなど

柿渋の塗り方

柿渋の塗り方①手順

柿渋の基本的な塗り方の手順です。

  1. 表面の汚れを落とし、木材の場合はやすりがけをしてなめらかにする。
  2. 塗りたくないところはマスキングテープで養生する。
  3. 水で薄め塗りやすい濃度にする。
  4. ハケに柿渋をしみこませ塗る。木材の場合は木目に沿うように。
  5. 気泡やムラは手早く布でふき取る。
  6. 重ね塗りをするときは半日程度おいて完全に乾いてから重ね塗りをする。

ボタニ子

ボタニ子

身体に害はありませんが、塗布中はにおいがきついので換気できる場所で作業したほうがよいでしょう。

柿渋の塗り方②塗り方のコツ

塗るときは一定の方向に塗るようにしましょう。木材の場合は木目にそって塗るときれいになります。原液のまま塗ると粘度がありムラになってしまいやすいので、慣れない人は水で希釈して塗りましょう。希釈用の水は水道水で問題ありません。硬水を使用すると成分が分離・沈殿してしまうことがあります。

柿渋の塗り方③注意点

柿渋は服についてしまうと落ちないので、作業をするときは汚れてもいい服でおこないましょう。柿渋は鉄と反応して黒くなってしまうのでプラスチックなど鉄製以外の容器に入れるようにします(ステンレスは大丈夫です)。乾く前の柿渋は水に溶けるので、塗ったあとは完全に乾かして硬化するまでは水に濡らさないようにしましょう。使用した器具はすぐに水洗いしましょう。そのままにしておくと柿渋が固まり使用できなくなります。

ボタニ子

ボタニ子

市販の柿渋を使用するときは注意書きをしっかり読んでから作業するようにしましょうね!

柿渋塗装に必要なもの

  • 鉄製以外の容器(バケツやボウルなど)
  • 水性用のハケ
  • 手袋
  • 汚れてもいい服装
  • マスキングテープ

まとめ

Photo byLoggaWiggler

柿渋について種類・特徴や使い方、染め方・塗り方をご紹介しました。柿渋は歴史のある日本固有の材料で、便利な使い道がたくさんあります。技術の進歩によって最大の難点であったにおいを解消した無臭柿渋や顆粒状の柿渋など、使いやすい種類も登場してきています。柿渋に興味が沸いた、という方はぜひとも生活に取り入れてみてください。

gotsumi
ライター

gotsumi

山生まれの山育ち、植物大好きの主婦です。故郷よりちょっと都会に嫁ぎ、プランター菜園に奮闘中。

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