配色の4つのパターン
センス良くみせるには「色」が重要
寄せ植えがセンスよく見える重要なポイントとして「色」が考えられます。花を選ぶときに自分の好きな花やきれいな花を選んで寄せ植えを作ったのになんとなくまとまらず残念な結果になってしまった経験はありませんか?また、どの花とどの花を組み合わせたらよいか迷ってなかなか決められないことはありませんか?そんな時には、下記の「センスよく見える配色の4つのパターン」を覚えておくと失敗がありません。
- 同系色・類似色でまとめる
- トーン(色調)をそろえる
- 反対色を入れる
- 単色にする
色について ミニ知識
「配色4のつのパターン」の説明の前に「色」について少しお話いたします。下図は「色相環」といいます。色相を系統的に環状に並べたものです。この色相環の隣り合う色を類似色といいます。また、環の反対側の色を反対色(正確には補色)といいます。この類似色・反対色を寄せ植えの配色の際に利用します。
①同系色・類似色でまとめる寄せ植え
同系色とは、同じ色で濃淡が違う色のことです。たとえば、濃い紫色と淡い紫色の組み合わせです。類似色とは、色相環の隣り合う色のことです。(上方の12色相環をご参照ください)たとえば、赤と赤紫、黄色とだいだい色といった組み合わせです。大まかにいうと、「似ている色」ということです。同系色・類似色を組み合わせれば、簡単にきれいな配色をつくれます。
青色・紫色の配色例
上の写真は、青色から紫色の同系色・類似色でまとめた配色事例です。ビオラ4種と、白色の花はスィートアリッサム、そして中心にはチューリップが植え込まれています。
同系色・類似色での配色例
- 赤と赤紫
- 黄色とオレンジ
- 青と紫
②トーン(色調)をそろえる寄せ植え
トーン(色調)とは、色の明るさや鮮やかさを組み合わせた色の調子のことをいいます。「調子が似ている色」でそろえるとまとまります。例えば、ビビットカラー(明るく鮮やかな色)でそろえる・パステルカラー(明るく淡い色)でそろえるなどがあります。低彩度のトーンでそろえるという組み合わせもあります。トーン(色調)がそろっていれば、色数が多くても全体にまとまりが出ます。
ディープトーンでそろえる配色例
上の写真は、ディープトーンでそろえたビオラの寄せ植えです。濃い色調でまとめることで落ち着いた雰囲気を出しています。
ライトトーンでそろえる配色例
こちらはライトなトーンでまとめたビオラの寄せ植えの配色例です。柔らかい色でまとめることで春らしい感じを演出できます。
トーンでそろえる配色例
- ビビットカラー
- パステルカラー
- ディープトーン
- ライトトーン
③反対色を入れる寄せ植え
もっと個性的にしたい時は、反対色を入れます。反対色というのは、色相環の反対側にある色のことです。よく使われるのは、紫色と黄色です。この2色を組み合わせるとお互いに引き立てあいます。似たような考え方で、暖色と寒色を組み合わせる方法があります。赤色・黄色・だいだい色などの暖色と、青色・紫色・白などの寒色を対比させる方法です。暖色の花の中に一苗だけ寒色を入れる、あるいはその反対に寒色の中に一苗だけ暖色を入れると、やはり互いに引き立て合うのです。
反対色の配色例
上の写真は紫色と黄色の反対色の配色例です。黄色の小菊に紫色のノコンギクを組み合わせています。
反対色の配色例
- 紫色と黄色
- 暖色と寒色
④単色でつくる寄せ植え
最後のパターンは、単色つまり一色のみの配色です。色は単調になりますから、花の形・大きさ・高さなどで変化をつけます。また、特徴のあるリーフプランツを入れて変化をつけることもできます。
単色の配色例
- 白一色
どんな配色にも合う白い花とリーフプランツ(葉物)
どんな配色にも合う白い花
配色についてご紹介してきましたが、どの配色にも合う色があります。それは、「白色」です。隣り合わせにすると合わない花と花の間に白を入れることによって落ち着きます。困ったときの白色の花です。
どんな配色にも合うリーフプランツ
もう一つ寄せ植えに変化をつけてくれてどんな色にも合う強い見方が「リーフプランツ(葉物)」です。黄緑から深緑さらには赤味がかった緑などさまざまな色のリーフプランツがあります。葉の形も多様です。長く上へ伸びるリーフプランツは勢いを、伸びて下へと垂れ下がるリーフプランツは動きをもらたすというように寄せ植えに変化をつけてくれます。白色の花とリーフプランツを活用してさらにセンスアップしましょう。
寄せ植えに使いたい白い花
寄せ植えでよく使われる白い花に「スィートアリッサム」「バコパ」「ユーフォルビア」などがあります。どれも小花です。中心となる花に添えるだけで可愛い雰囲気になります。「フランネルフラワー」は隣に置くだけでなんだかおしゃれになります。「ロベリア」「ペチュニア」の白も使いやすい花です。
寄せ植えでよく使われる白い花
- スィートアリッサム
- バコパ
- ユーフォルビア
- フランネルフラワー
- ロベリア
- ペニュニア
寄せ植えに使いたいリーフプランツ
「シロタエギク」「アサギリソウ」「ラミウム」「シルバータイム」などのシルバーリーフは、寄せ植えのアクセントになります。「ヘデラ類(アイビー)」もよく使われます。つる性なので鉢から垂れさがり、動きが出ます。ヘデラは種類が多く葉の色や形がいろいろあります。寄せ植えのイメージに合うヘデラを探してみるといいでしょう。また、「グラス類(ススキのように細く長い葉が特徴)」を入れ込むと寄せ植えに勢いが出ます。
寄せ植えでよく使われるリーフプランツ
- シロタエギク
- アサギリソウ
- ラミウム
- シルバータイム
- ヘデラ類(アイビー)
- グラス類
季節を考えた配色
季節によって、よりその季節らしさを感じられる色やその季節に似あう色があります。季節を考えて花の色を選ぶと、より美しく感じられます。ここでは、季節を考えた色の組み合わせについてご紹介します。
春に使いたい配色
春は花が咲き始める季節です。花が咲く喜び、そんな気持ちを表すような明るく優しい色の花をたくさん楽しみたくなります。ピンク色や黄色などパステルカラーのような明るく優しい色が似合います。3月下旬ごろから園芸店に多くの花苗が出回るようになります。まさしく春らしいパステルカラーの花がたくさん並びます。パステルカラーでそろえたり、ピンク色だけや黄色だけででまとめる配色も春らしいです。
夏に使いたい配色
夏の照り付ける太陽の光に負けないような明るく鮮やかな色(赤色や黄色など)が夏に似合います。反対に青色や紫色など寒色系の色は涼しさを演出してくれますので、ぜひ夏に使いたい色です。この二つをうまく組み合わせると夏らしく爽やかな配色になります。初夏から秋にかけて長く咲く「ペチュニア類」はさまざまな種類がありますのでおすすめです。
秋に使いたい配色
秋には黄色・だいだい色・赤色など暖色や落ち着いた色が似合います。また、実のつく植物(チェッカーベリーなどのベリー類・観賞用唐辛子)を一緒に植えこむとさらに秋らしさが増します。秋を感じられる花の種類は「菊類」「ケイトウ」「サルビア」などがあります。「すすきなどグラス類のリーフプランツ」を入れるのもよいでしょう。寄せ植えの中に秋らしい花を加えることで、より秋の雰囲気を演出できます。
冬でも寄せ植えを楽しむ
冬は花が少なく庭に色が無くなる時期です。そんな時期だからこそ、寄せ植えを玄関などに飾って楽しみたいものです。クリスマスやお正月向きの寄せ植えで飾るのもおしゃれです。冬の寄せ植えに使う花は、寒さに強い花であることが一番の条件となります。寒さに強く春まで咲き続ける「パンジーやビオラ」がおすすめです。ほかに、耐寒性の強い花は、「ガーデンシクラメン」「エリカ」などがあります。また、花ではありませんが、「葉ボタン」もおすすめ。特に「ミニ葉ボタン」種類も多く花のように見えて可愛らしいので人気です。
パンジーとビオラの違いについて(ミニ知識)
寄せ植えでよく使われるパンジーとビオラはよく似ていますね。実は花の大きさで区別されています。花の大きさが5cm以上ならパンジー、5cm以下ならビオラ、と聞いていました。ところが、最近は事情が違ってきているようです。毎年新しい品種が生み出されて、もう区別ができなくなっているそうです。
パンジー、ビオラは、ヨーロッパに自生する野生種から育種され、かつては大輪のものをパンジー、小輪で株立ちになるものをビオラと呼んで区別していましたが、現在は複雑に交雑された園芸品種が登場し、区別できなくなっています。
花壇の配色について
花壇は色数を少なくしてまとめる
花壇の配色についてもご紹介しましょう。花壇に植物を植えるときにも、基本的には寄せ植えの配色と同じ考え方で大丈夫です。「同系色・類似色でまとめる」「トーンをそろえる」「反対色を入れる」「単色でつくる」4のつです。ただし、鉢やプランターとは違い面積が広いので、まとめるのが一層難しくなります。できるだけ色数を少なくしてまとめることがコツです。メインにしたい色を決めると考えやすくなります。そして、花壇でも白い花とリーフプランツが活躍します。
まとめ
寄せ植えでセンスよく見える配色についてご紹介しました。4つのパターンをぜひ参考にしてください。まずは、「同系色・類似色でまとめる寄せ植え」から作ってみたらいかがでしょうか。すこし慣れてきたら本やネットなどで見た「これは素敵!」と思う寄せ植えを参考にまねて作ってみるのも勉強になりますよ。ぜひ寄せ植えで玄関や庭を飾ってみてください。