ツチアケビの特徴
アケビに似ていると言われているツチアケビですが、どのような特徴を持った植物なのでしょうか。花や実の形についてご紹介します。
葉を持たない植物
ツチアケビには葉がありません。通常、植物は光合成で養分を生成しますが、ツチアケビは葉緑体を持たないので、自ら養分を生成できません。そのためツチアケビは他の植物(主にナラタケ)に寄生し、太い茎を通して養分を得ています。そのような植物を腐生植物といいます。
腐生植物とは
腐生植物とは、植物そのものに自ら光合成をする能力がなく、菌類と共生(寄生)することで栄養を得ている植物のことをいいます。多くが葉緑体をもたず、森林で生息しています。葉緑体を持たないので、植物自身の色は真っ白なものや真っ黒なものが大半です。日本に存在する腐生植物の多くは、単子葉植物に分類されます。
ツチアケビの見つけ方
ツチアケビはどこで見つけることができるのでしょうか。一般的に落葉樹林の山中や笹の藪の中などで見つけることができ、他にも家の庭に生えていたという報告もあります。自分で光合成ができず、栄養を作り出せないため、栄養が豊富な腐食土が堆積している場所によく自生しています。
花の特徴
ツチアケビの開花時期は初夏で、花の色は黄色です。花の大きさは約3cmほどで大型です。見た目は同じラン科のシンビジウム(シンビジューム)にも似ています。花は枝の先端に複数咲くのが特徴です。
シンビジウムの花とは
シンビジウムはアジアやオセアニア原産のラン科の花です。草丈は30cm~80cmで、開花時期は12月~~4月と春にピークを迎えます。ツチアケビの花の色と似た黄色以外にもピンク色、オレンジ色や白色など複数の色の種類があります。
実の特徴
ツチアケビは植物のアケビのように実がはぜることはありません。どちらかといえばウィンナーソーセージに似ていますね。収穫時期は秋で、実の長さは10cmほどになり、色は朱色です。
実の味は?
ツチアケビの実は糖度が高いのですが、その甘味を人間が感じることはほぼありません。むしろツチアケビの実にはお茶やワインなどにも含まれているタンニンが多いため、苦味や異臭を感じることがあります。
アケビとの違い
ツチアケビの名前の由来とされているアケビとは、どのような果物なのでしょうか。ツチアケビとアケビの違いをご紹介します。
①基本的な違い
アケビの種属はアケビ属ですが、一方のツチアケビは「アケビ」という名が付くもののラン属の植物で、まったく異なる植物です。他にも名前の由来通り、ツチアケビは土から直接実をつけますが、アケビはつるを木々に絡ませて育ち、そこから実をつけます。見た目が少し似ているようでも、調べてみると異なりますね。
②味
ツチアケビはタンニンが果実に含まれているため苦く、生食には不向きです。食用にするには、ひと手間加えることが必要となります。反対にアケビは生食をすることが多いです。熟すと皮が割けるため、中にある乳白の果実を食します。アケビの果実は甘みが強く、果皮を天ぷらにしたり、新芽を食したりもします。
ボタ爺
次はツチアケビの食べ方を紹介するぞ!