アマチャヅルとは
基本情報
科 | ウリ科 Cucurbitaceae |
属 | アマチャヅル属 Gynostemma |
形態 | つる性多年草 |
学名 | Gynostemma pentaphyllum |
和名 | アマチャヅル、甘茶蔓 |
草丈 | 40~50cm |
植物としての特徴
アマチャヅルはインド、東南アジア、中国、朝鮮半島に分布し、日本全土の山里、林、藪などに広く自生するつる性の多年草です。土中には地中茎、地上部はつるとして長くのびていきます。葉腋から出る巻きひげが近くにあるものにからみつきながら成長します。
葉の特徴
葉は互い違いにはえる互生で、鳥の足跡のような形に3~7枚の葉がつきます。葉の形は、ひし形あるいは細長い楕円形で、縁にはギザギザがみられます。表面は凸凹しており、細い産毛で覆われているのが特徴です。葉を噛むと甘みを感じられることが甘茶蔓という名前の由来です。
ヤブガラシとの見分け方のポイント
アマチャヅルに姿が似ている植物にブドウ科のヤブガラシがあります。ヤブガラシの茎は鮮やかな赤紫色であり、巻きひげが出る位置が葉腋の逆側の茎であること、葉に産毛がないことがアマチャヅルとの見分け方のポイントです。アマチャヅルの葉の方がやわらかいということも見分け方のポイントの一つになります。
花の特徴
アマチャヅルの開花時期は8~9月で、円錐状の房状の花序を出し、黄緑色で直径5mmほどの小さな星状の花をつけます。雌雄異株という特徴を持ちますが、開花するまでは雄雌の判別ができず、花がつくまでは雄株か雌株かの見分け方がありません。
実の特徴
果実は球のような形の液果で、やわらかく水分の多い果肉をもち、果皮は熟しても裂けず、種子はやや硬いという特徴を持ちます。雄株の実は径7mmほどの球状で、成熟すると黒緑色になり、上半分に渦巻きのような横線ができます。この線は萼や花冠が落ちた跡に現れるものです。
アマチャヅルの活用法
洗濯用の洗剤として
山形県のとある農村では、昔からアマチャヅルを洗濯石鹸として使ってきた歴史があります。アマチャヅルの全草を乾燥させ、水につけて洗濯すると泡立って汚れが落ちる働きを利用していたのです。これは含有成分サポニンが水や油で泡立つという特徴を活かした利用法です。
薬草として
中国でも日本でもアマチャヅルの葉は薬草として使われてきました。天日干しにした茎葉そのまま、あるいは軽く焙じてお茶として飲用する、また焼酎につけ込んで薬酒として親しまれてきました。アマチャヅル茶は健康茶としての飲み方がもっとも一般的な利用法として日々の生活に定着しています。
ボタニ子
次のページでは、アマチャヅルのおいしい飲み方や効果・効能について紹介します。
出典:写真AC