ソテツとは?
ソテツは九州南部から沖縄にかけて分布する裸子植物の仲間です。南国らしい雰囲気を持った姿で、庭木やシンボルツリーとして植えられるほか、最近ではインテリアプランツとしても人気が高まっています。
名前の由来
「蘇鉄」という名前の由来は諸説ありますが、ソテツの株が弱ったときに、根元に鉄の釘を打ち込むと蘇るからという説が一般的です。実際この方法に効果があるかどうかは不明ですが、植物に釘を刺すというのはあまりおすすめできません。
ソテツの基本情報
学名 | Cycas revoluta |
分類 | ソテツ科ソテツ属 |
形態 | 常緑低木 |
高さ | 3~5m |
開花時期 | 6~8月 |
ソテツ科ソテツ属の植物は、東南アジアやオーストラリアなどにおよそ110種類ほどが知られていて、日本のソテツもそのひとつです。ガーデニングの世界では、比較的近いソテツ綱ザミア科の植物などもソテツの仲間として扱うことがあります。
ソテツの特徴
ソテツは一見ヤシに似ています。南国の植物である点もヤシと共通していますが、ヤシが被子植物なのに対してソテツは裸子植物で、分類上全く異なる種類です。成長はとてもゆっくりで1年に3cmほどしか伸びません。雌雄異株でなかなか花を咲かせない植物ですが、条件がよければ数年ごとに花を見ることができます。
ソテツの育て方
ソテツは丈夫で育てやすく、鉢植えでも地植えでも楽しむことができます。園芸店やホームセンターなどで苗を購入するのが一般的です。鉢の大きさや植える場所の広さ、成長スピードなどを考えて、購入する苗の大きさを選びましょう。成長が遅いといっても5mを超えるほどにまで伸びるので、しっかりとした栽培計画が必要です。
育て方①場所
ソテツは日当たりと風通しのよい場所を好みます。地植えの場合は南向きの場所に植えるのが理想的です。鉢植えの場合は苗より一回り大きな鉢に植えて、日当たりのよい場所で育てます。湿気がこもるような場所は適さないため、地植え鉢植えともになるべくひらけた場所で育てましょう。
育て方②用土
あまり用土を選ばない植物ですが、水はけのよい土が適しています。地植えの場合はやや乾燥気味の土壌を選びます。水はけに不安があるときは、土を30cmほど高く盛ってから植え付けると排水性が確保できます。鉢植えの場合は観葉植物用の培養土を使うか、基本培養土に赤玉土や川砂を混ぜて使うとよいでしょう。
育て方③水やり
一年を通じてやや乾燥気味に管理します。鉢植えの場合は土の中の水分が抜けて、鉢が軽くなってきてから水やりをします。地植えの場合はほとんど水やりをしなくて大丈夫ですが、長期間雨が降らず土壌がカラカラに乾いているようなら水を与えましょう。水やりをしすぎると根腐れの原因となるので注意が必要です。
育て方④肥料
ソテツは環境に対する適応能力が高く、やせた土地でもすくすく育ちます。そのためあまり肥料を必要としません。1年に1回程度与えれば十分です。4~5月頃に緩効性(効き目がゆっくり)の化成肥料を使います。水やりと同様、肥料のやりすぎも株を弱らせる原因となることがあるので、あまり手をかけすぎないのがコツといえるでしょう。
育て方⑤植え替え
頻繁に植え替えをする必要はありません。鉢の大きさにもよりますが、3~5年に1回植え替えるのが目安です。3年目あたりから、鉢の底に根が飛び出していないかチェックするとよいでしょう。植え替え時期は5月以降の温かい季節が適しています。根が張りすぎている場合は、伸びすぎた根を剪定バサミで切ってあげましょう。
育て方⑥剪定
ソテツはこまめに剪定をする必要はありませんが、古い葉を放置しておくと、やがて枯れた葉が垂れ下がって見栄えが悪くなります。古い葉が汚く思えてきたら剪定してあげてください。剪定時期は新芽が出始める初夏がおすすめです。
剪定方法
剪定の方法は下のほうの古い葉を剪定バサミで根元から切るだけです。葉のトゲに注意しながら作業を進めましょう。剪定する葉の数は見た目の好みで決めて大丈夫です。新芽がしっかり出ていれば、今広がっている葉をすべて切り落としても枯れることはありません。
ソテツの冬越し
ソテツにはある程度の耐寒性がありますが、寒冷地の冬越しには対策が必要です。ソテツの耐寒温度は約5℃とされているため、必ずそれ以上の温度をキープしてあげることがコツです。5℃を下回る地域や、霜や凍結の恐れがある場合は防寒対策をしましょう。
防寒対策
鉢植えの場合は室内の明るい場所に取り込んで管理します。地植えの場合は下のほうの葉から全体の1/3ほど切り落とし、ロープで葉をひとまとめにしたあと、藁(わら)などで幹から葉の先まですっぽりと包みます。藁が入手できない場合はブルーシートなどで代用できます。
ボタニ子
次のページではソテツの増やし方や種類について解説します。