ガガイモの種類
①ハートカズラ
ハート型の葉がかわいらしいつる性の多肉植物です。「ラブチェーン」と呼ばれることもあり、恋が実るといわれています。窓際や棚の上に飾るとつるが垂れさがり、ハート型の葉を鑑賞しやすくなるのでおすすめです。
②ディスキディア・ペクテノイデス
ディスキディア・ペクテノイデスは木につるを巻きつけて育ちます。貯水のうをもち、その中にアリが巣を作りますが、このようにアリと共存する植物を「アリ植物」といいます。「フクロカズラ」や「カンガルーポケット」と呼ばれることもあり、「平和」という花言葉がつけられていますが、葉のかたちがハートマークに見えることが由来です。
③デュメリ
やわらかい角と、発色のよい緑色が特徴の多肉植物です。ヒトデのような形状で、深い赤色の花を咲かせます。育て方が難しくなく、増やしやすいことや、小さめの種類なので飾りやすいことで観葉植物として人気です。花が咲くと、独特な匂いを放ちます。
④オキシペタラム
「ブルースター」という別名をもっています。青い花を咲かせることからこの別名がつけられていますが、オキシペタラムの特徴は花の色を変えることです。咲き始めは、紫に近い青色から、枯れるころにはピンク色になります。小ぶりな花や、変わっていく花色を楽しめる種類です。
⑤マダガスカルジャスミン
マダガスカルが原産です。かわいらしくて真っ白な花を咲かせます。花は、春から夏まで開花していて、長い間楽しめるのでガーデニングで需要のある種類です。小さいうちの育て方は、鉢植えで可能ですが、大きくなるとつるが伸びて硬くなる(木質化する)ことが特徴なので、花壇で育ててあげましょう。
⑥ミギウルティヌス
ミギウルティヌスは、育て方や増やし方が難しく繊細な植物ですが、丸いかたちをしていることが特徴で、見た目が珍しく、かわいらしいことから観賞用として人気があります。ミギウルティヌスの花は独特な臭いを放つので、屋外で育てましょう。
よく似た植物
ヘクソカズラ
ガガイモとヘクソカズラは見た目がよく似ていますが、見分けるポイントはいくつかあります。ガガイモは、つるが右方向に巻かれていますが、ヘクソカズラは左方向に巻かれています。また、ガガイモに切れ目を入れると白い乳液が出てくることがポイントです。葉の形状もガガイモの方が大きめなので、よく観察してみましょう。
ガガイモの特徴
ガガイモは発芽から枯れるまで、変化があるので観察することが楽しい植物です。種子・花・実、それぞれ特徴があるので、その特徴や、使い方をご紹介していきます。
特徴①種子
ガガイモの種子は、大きめの白い綿毛(種髪)がついていることが特徴です。実の中にぎっしりと詰まっていて、実が割れることで外に出てきます。ふわふわしているので風に乗りやすく、遠くに飛べることが、自生している範囲が広い理由です。昔、この綿毛は綿の代用品として重宝されていました。また、ガガイモの種子は「羅摩子(らまし)」という漢方に使われることがあります。
特徴②花
ガガイモの花は、ヒトデのようなかたちをしています。花の大きさは約1cmです。アーチを描くように花の先端がまるまっていることと、細い毛が全体的に生えていることから、柔らかい印象があり観葉植物として人気があります。花を咲かせると、腐ったような独特な匂いを放つことが特徴です。
特徴③実
ガガイモの実は貴重で、花と同じ数の実をつけるわけではありません。実は細長く、中央部分がふくらんでいるような形状をしています。約10cmほどの大きさで、実の内側が白く、光っているように見えることが魅力的です。若い実は緑色、熟したものは茶色に変化して、秋の終わりころに実が割れて種子を出します。
古事記に登場
ガガイモの実は古事記に登場しています。内容は、少名毘古那(すくなびこな)という小さな神様が、大国主命(おおくにぬしのみこと)を助けに行くときにガガイモの実の船に乗って現れるというものです。古事記では船のことを「羅摩船(かがみぶね)」と記載されていますが、ガガイモの古名「カガミ」が由来されています。
次のページでは「ガガイモの育て方」についてご紹介しています。