タラヨウの用途
用途①庭木
高木種のタラヨウは成長すれば10mを超えます。ただし成長スピードは遅いため、庭木としての栽培は可能です。樹形が乱れにくく、剪定する必要はほとんどありません。広い場所で剪定せずに育てるのがベストです。その点では管理が楽な木といえるでしょう。
用途②公園樹や街路樹
庭木のほかにも、公園樹や街路樹としても用いられています。タラヨウは寒さにやや弱いことを除けば育てやすく、常緑樹のうえに剪定の必要がないため、管理がしやすいからです。雌株は秋になれば観賞価値がある赤い実をつけて、見る人の目を楽しませてくれるところも魅力ですね。
用途③寺社への植栽
タラヨウの葉は文字が書けるうえに、書いた文字が長く残せることから、経文を記録する媒体として利用されていました。また、葉を火であぶると模様が浮かび上がる特徴は、吉凶占いに利用されていたのです。このため経文や占いと関係が深い寺社では、古くからタラヨウを積極的に植栽していました。成長の遅いタラヨウには珍しい大木に育ったものを寺社で見かけられることもあります。
用途④鳥もち
新芽が茶に用いられるタラヨウは、モチノキ科の植物です。ゆえにモチノキと同じく、樹皮からは鳥もちがとれます。昔は狩猟に使うために、モチノキやタラヨウから鳥もちを採取していました。ただし現在は鳥獣保護法によって、鳥もちを使った狩猟は禁止されています。
次のページでは、タラヨウの育て方を見てきましょう!
平安時代初期の高僧・空海(真言宗の開祖)には「タラヨウの葉を使って、文字の勉強をしていた」という伝説があります。