タラヨウの育て方
ここからはタラヨウの育て方について紹介します。寒さに気をつける以外、これといった注意点は少ないですが、育て方のポイントを押さえることで、より健やかに育てられますよ。庭木として育てるなら、常緑性高木種のため、シンボルツリーとして広い場所でのびのびと育てるのがおすすめです。
1年間の管理スケジュール
おもな作業 | 適期 |
開花時期 | 5月~6月 |
肥料 | 1月~2月 |
剪定 | 1月~2月、10月 |
上記の表は、1年間に行う主な作業と作業の適期を大まかにまとめたものです。しかし適期は栽培する地域やその年の気候条件などでズレが生じます。また、栽培に必要な作業は表にあるものだけではありません。この表は、あくまでも目安程度にとどめておきましょう。
育て方のポイント①栽培環境
日当たり
日当たりのよい場所、または明るい半日陰が適しています。完全な日陰では成長が悪くなってしまうため注意しましょう。ただし、日当たりのよい場所といっても、根元まで直射日光があたるような場所は向いていません。タラヨウは根の張りが浅く、乾燥に弱いからです。直射日光が強くて乾燥しやすい場所は避けましょう。また、寒さにも少し弱いので、暖地での栽培がおすすめです。
用土
タラヨウは湿潤な気候を好むため、適度に湿り気がある肥沃な土壌が理想的です。植え付けの際は堆肥や腐葉土を混ぜ込んで、土の状態をよくしておきましょう。乾燥を嫌うため、乾燥しやすい地域の場合は植え付け後にワラなどを敷いておくと、土壌の乾燥を防げます。
育て方のポイント②植え付け
植え付けの適期は5月と9月です。早過ぎたり遅過ぎたりすると、寒さでダメージを負ってしまうため注意しましょう。植え付け場所は事前に耕しておき、堆肥や腐葉土を混ぜ込んで土壌改良しておくと、なおよいです。根の大きさよりも一回り~二回り大きい植穴を掘って苗木を植え付けます。苗木が安定するように、支柱を立てておくとよいでしょう。植え付け後は根付くまで水やりします。
育て方のポイント③水やり
根付いた後は、基本的に水やりする必要はありません。ただし、日照りが続いたときなど、乾燥がひどく水切れを起こす恐れがある場合は水を与えましょう。その際は早朝や夕方など、気温の低いときに水やりします。午前中などの気温が高くなる時間に水を与えると、地中で水温が上がってしまい、根にダメージを与える可能性があるからです。
育て方のポイント④肥料
丈夫な植物のため、肥料はそれほど必要ではありません。冬に寒肥として有機質肥料を施しておけば十分です。やせ地の場合は木の状態を見て、春~夏に緩効性肥料を少量施すとよいでしょう。
育て方のポイント⑤剪定
タラヨウは成長が遅く樹形が乱れにくい木です。そのため剪定の必要はほとんどありません。混みあった枝を整理したり、飛び出ている枝を切ったりするだけの軽めの剪定で十分です。作業は1月~2月、または10月に行います。
育て方のポイント⑥病気・害虫対策
カイガラムシに注意が必要です。カイガラムシの吸汁による生育障害も厄介ですが、カイガラムシの排泄物はすす病の原因になります。春に薬剤を散布して、予防と駆除に努めましょう。また、一度駆除しても、その後再び発生することもあるため、普段から株をしっかり観察するようにしましょう。
まとめ
タラヨウは、はがきの語源にもなった記録媒体としての役目だけではなく、お茶の代用品になったり、鳥もちがとれたりと、昔から人々の生活にいろいろな影響をもたらしてきました。どこかでタラヨウの木を見かけたら、そんな歴史を振り返りながら、ゆっくり鑑賞してみてはいかがでしょうか。広い庭があれば、シンボルツリーにタラヨウを植えるのもよいですよ。
タラヨウは地植えが基本の植物だから、植え替えする必要はないんだよ。