ミモザは巨木になるって本当?
ミモザとはマメ科アカシア属の総称で品種が非常に豊富です。種類にもよりますが一般的にミモザは黄色い花とシルバーリーフが特徴であり、庭木やシンボルツリーとしてだけでなく切り花やリースなど花材としても人気があります。そんな人気の高いミモザですが、実は成長がとても早くて巨木になりやすいものが多く、庭に植える際には注意が必要です。
ボタニ子
ボタ爺
ミモザは大きくなりやすいんじゃが、小さく育てる方法もあるんじゃよ。さっそく見て行こう!
ミモザを小さく育てるには
①鉢植えで管理する
ミモザを小さく育てるには「鉢植えで管理する」のが手軽でおすすめです。鉢植えで管理することで根の成長範囲が調整でき、同時に全体的な成長もゆっくりになります。ただしいつまでも同じサイズの植木鉢で管理していると根詰まりを起こし、最悪の場合枯れることがあり注意が必要です。鉢いっぱいに根が成長したタイミングで一回り大きめの植木鉢に植え替えましょう。
ボタニ子
庭木として植えるのが難しい場合は、大きめの鉢植えで育てて鉢ごと庭に置くのもいいかもね!
鉢植えで育てる場合の注意点
ミモザは苗木や若木のうちは幹が細く折れやすいこともあり、支柱を立てて育てるのが一般的です。鉢植えで樹高を低く育てる場合は幹も太くなりにくく安定しないため、幹がある程度の太さに成長するまでは継続して支柱を立てましょう。日当たりが悪いと幹や枝がひょろひょろの状態のまま、なかなか太く成長しないことがあります。日当たりがよく強風に当たらない場所で管理してください。
ボタ爺
鉢植えもいいんじゃが、やっぱり庭に直接植えたい人も多いじゃろう。ちゃんと方法があるから、あきらめなくても大丈夫じゃぞ!
②品種を選ぶ
ミモザを小さく育てたいのなら、購入前にしっかり品種選びをしましょう。なぜならミモザは品種によって「樹高が異なる」からです。例えばヨーロッパの庭によく植えられている「フサアカシア」は大きくなると20mを超える場合があり、日本の庭のサイズにはあっていません。比較的小さいタイプの品種を選んでおけば、成長速度が早くても成長しすぎても安心です。
コンパクトなミモザのおすすめ品種
品種名 | 樹高 | 特徴 |
スノーウィーリバー | 3~5m | 花つきがよく剪定に強い |
ゴールデントップ | 2~4m | 花はおおぶりで成長が緩やか |
サンカクバアカシア | 2~4m | 三角形の葉がスタイリッシュ |
パールアカシア | 3~5m | 真珠色の葉が魅力的 |
ハーフムーンアカシア | 2~4m | 葉は半月状で日陰でもよく育つ |
オールリーフワトル | 2~4m | 花つきがよく四季咲き |
③剪定して樹高を保つ
「すでに樹高が高くなるミモザを植え付けてしまった」「どうしても庭木にしたいミモザの品種が樹高の高いタイプだ」のような場合に有効なのが剪定です。ミモザは剪定に強いものが多く、しっかりと剪定することである程度樹高を保てます。ただし、やみくもに剪定すると「花が咲かない」「枝がひょろひょろに伸びてしまう」などのトラブルを引き起こすことがあり注意が必要です。
ボタニ子
木を弱らせたり枯らせたりしないためにも、正しい剪定時期や方法を知っておこうね!
ミモザを小さく育てる剪定方法【時期と必要なもの】
剪定時期
ミモザの剪定適期は花が終わった後の5月~6月ごろです。8月を過ぎると枝に花芽をつけ始めるため、遅くても7月までには剪定を済ませてください。花芽が出て以降に剪定すると花芽も一緒に切り落とすことになり、翌年花が咲かなくなることがあります。5月~7月の3カ月を過ぎると、枝が伸びて込みあっても剪定ができなくなります。剪定期期には強めにカットしましょう。
ボタニ子
梅雨はミモザの挿し木に適した季節だから、タイミングがあえば剪定時に切った枝を使って挿し木にチャレンジしてみよう!
ボタ爺
ただしミモザの挿し木はなかなか難易度が高いぞ。
必要なもの
必要な道具
- 植木ばさみ
- 剪定ばさみ
- ノコギリ
- 癒合剤(ゆごうざい)
ボタ爺
樹高が高くなってきたら脚立も必要になる場合があるぞ!ケガをしないためにも、安定感のあるものを準備するんじゃよ!
ハサミとノコギリ
植え木ばさみはグリップが輪になっていてストレート刃が2枚あわさっているタイプが主流で、6~7mmまでの比較的細い枝を切る際に使います。剪定ばさみは切刃と受刃が異なる形をしており左右のハンドルの間にバネがあるものが主流で、15mmほどまでの太めの枝のカットに必要です。剪定ばさみで切れないほどの太さ(硬さ)の枝を切る場合にはノコギリを使いましょう。
ボタニ子
ミモザの剪定に使うだけなら小さめのノコギリで大丈夫!剪定ばさみで対応できる場合も多いから、枝のどこを切るかで使い分けてね!
癒合剤
癒合剤とは、樹木を剪定した際にカット面を早く癒すために塗る薬剤のことです。切り口を癒合剤でフタすることで、傷口からの水や養分の流出を抑制できます。また傷口から入り込みやすい雑菌の侵入予防にも効果的です。必ずしも使う必要はありませんが、塗っておくと「傷む」「腐る」「弱る」などのトラブルを事前に防げておすすめです。
ミモザを小さく育てる剪定方法【種類とやり方】
ミモザの剪定方法は「芯止め」「透かし剪定」「間引き剪定」の3種類あります。それぞれ剪定の目的は異なりますが、いずれも小さく育てるには効果的な方法です。やみくもに切ると弱ったり枯れたりするトラブルを引き起こすことがあるので、それぞれやり方とポイントを把握しておきましょう。
ボタニ子
枝の「どこを切るか」が特に重要だよ!それぞれの剪定方法を見て行こう!
①芯止め
小さく育てるには「芯止め」と呼ばれる剪定方法が効果的です。育てたいサイズより少し大きくなったころを目安に芯止めしましょう。やり方は簡単で、上に上に伸びていく主幹の頂点部分(図の水色の線の部分)をカットするだけです。芯止めすると上への成長に必要だった栄養が木全体に行き渡るようになることから、ひょろひょろと細い幹や枝を太く丈夫にするのにも効果的です。
ポイント
- キープしたい高さより少し高くなるまでミモザを育てる
- 主幹に近い場所に葉が多くついた枝が残る位置で切る
- 切り口が大きくなることが多く、癒合剤を塗るのがおすすめ
②透かし剪定
透かし剪定は主に通気性をよくする目的でされますが、強く剪定できることから小さく育てたい方にもおすすめです。主に込みあっている部分の枝(図の水色の線部分)を根元からバッサリと切り落としてください。幹から伸びたひょろひょろと細い枝、内側に伸びる枝、枯れている枝なども一緒に切り落としましょう。余計な枝をカットすることで、樹形が整い成長もよくなります。
ボタニ子
ミモザは成長とともに枝数が増えて枝葉が茂りやすくなるよ!毎年剪定時期には透かし剪定をして整えてあげてね!
ポイント
- 左右のバランスを見てどこをカットするか決めてから作業に入る
- 上から下へと順番に剪定するとやりやすい
- 枝は根元から切り落とす
ボタ爺
枝は根元から切らんと枯れたり腐ったりするんじゃ。気をつけての!
③間引き剪定
間引き剪定は不要な枝を切り落として枝数を押さえるための剪定方法で、樹形を整えコンパクトに仕上げられる点が魅力です。若くて短い枝を残し、古くて長い枝を枝分かれしている枝の付け根からカットしましょう(図の水色の線部分)。枯れた枝や病気の枝、ほかの枝に絡まっている枝などがあれば、枝分かれしている根元部分から切り落としてください。
ポイント
- 葉がないと枯れるため、残す枝に葉をつけた状態でカットする
- 若い枝は切らずに残す
- 枝は根元から切る
ボタニ子
透かし剪定と同じように、枝を途中で切ると枯れたり腐ったりしちゃうよ!根元から切ることを忘れないでね!
ミモザを小さく育てるには剪定が大事!
ミモザを小さく育てる方法はいくつかありますが、ある程度まで育ってから樹高や大きさを保つには「剪定」が効果的でおすすめです。剪定によってある程度小さく育てられるようになれば、場所を選ばずどこに植え付けても安心です。花が咲き終わった後には紹介した図解を参考にして、ぜひ剪定にチャレンジしてみてくださいね。
庭木にミモザを選びたいんだけど、庭がそんなに広くないから巨木になるのは困るな。それでも植えたいときはどうしたらよいのかしら?