ヒメヒオウギとは
ヒメヒオウギは、春になるとピンクやオレンジ色や白の花を咲かせる小さくてかわいい植物です。暖かい地域の道ばたや山野などでみられるだけでなく、ガーデニングでも人気が高いので、お庭の花壇や鉢植えなどでも時折見かけられます。ここでは、そんなヒメヒオウギがどのような植物なのかについて紹介します。
基本情報
学名 | Freesia laxa(Lapeirousia laxa/Anomathe laxa) |
英名 | Anamatheca(アノマテカ) |
和名 | 姫檜扇(ひめひおうぎ) |
属名 | アヤメ科フリージア属 |
原産地 | 南アフリカ |
形態 | 多年草 |
草丈 | 10~30cm |
花期 | 4~6月 |
花の色 | オレンジ・ピンク・白・複色・紫・青 |
耐寒性 | 半耐寒性 |
耐暑性 | 普通(休眠期) |
歴史
ヒメヒオウギは南アフリカ原産の植物ですが、大正時代に観賞用として日本に入ってきました。こぼれ種で増えるくらい繫殖力が強く、雪が降る地域以外の日本各地の山の岩場などに自生するようになっていったとされています。
名前の由来
ヒメヒオウギの名前の由来は、ヒオウギという植物に花の形が似ていてヒオウギよりも小さいことから付けられました。ヒオウギは、剣状の葉を平安時代の貴族たちに使われていた檜扇のように広げることから名付けられた植物です。しかし、ヒオウギはアヤメ科ヒオウギ属でヒメヒオウギとは違う種類に分類されています。
ヒメヒオウギの特徴
ヒメヒオウギには、ヒオウギやヒメヒオウギズイセンなど名前がよく似た植物がいくつかあります。しかし、花や種などに独自の特徴がみられます。そこでここでは、ヒメヒオウギの特徴について紹介します。
特徴①花
ヒメヒオウギの花は花弁が6枚あり、下3枚の花弁の内側に濃い色の模様が付いているのが特徴です。花径は約2.5cmで、草丈が15~25cmくらいまで伸びると開花します。1つの花は3~4日開き、数個ずつ次々と咲かせていくので、長く花を楽しむことができるのも特徴の1つです。
特徴②葉
ヒメヒオウギの葉の形はアヤメのような剣状でヒオウギのように根元から広がって生えます。しかしヒオウギに比べると細くて薄いので成長するとまっすぐ立つことができず、葉先が垂れ下がっているのが特徴です。花が終わると休眠期に入るので葉は枯れてしまいます。
特徴③種
ヒメヒオウギは、花が咲き終わる6月ごろに実をつけます。実は3つの部屋に分かれていて、2mmほどのあずき色の丸い種が1つの実の中に3~7個入っています。この実は「さく果」といって実が熟して乾燥すると実の先が縦に分かれて開き、種を蒔き散らす仕組みのものです。ヒメヒオウギは生命力が強くこぼれ落ちた種からどんどん増えていきます。