フウロソウ科とは?
フウロソウ科とは、鮮やかな花を咲かせる、全世界に広く分布する被子植物のひとつです。園芸種などが品種改良によって多く作られており、約750種類の品種があります。日本に自生する種類も十数種類あり、道端や公園などに咲いていることもある身近な植物です。
フウロソウ科の基本情報
学名 | Geraniaceae |
分類 | 被子植物 |
分布 | 温帯・亜熱帯 |
フウロソウ科の植物は、「Geranium」「Pelargonium」「California」「Erodium」「Hypseocharis」「Monsonia」「Sarcocaulon」の7つの属に分けられ、約750種類の品種が存在します。日本には7つの属のうちフウロソウ属と呼ばれる「Geranium」のみが10種類程度自生しています。
フウロソウ属の名前の由来
フウロソウ科のうち、フウロソウ属の学名である「Geranium」はギリシャ語で「鶴」の意味をもち、花が散ったあとに出来る果実が、鶴のくちばしのように見えることから由来しています。
フウロソウ科の特徴
フウロソウ科の植物は、鮮やかな花が美しい非常によく目立つ植物です。このフウロソウ科の植物は、属や品種によって葉や花、枝などの特徴が異なります。葉・茎や花、果実、種子について、種類による違いや共通する特徴などを詳しくご紹介します。
葉・茎の特徴
フウロソウ科の植物は種類によって、1年草のもの、多年草のもの、常緑低木のものがあります。葉のつき方は互生の種類と対生の種類があります。葉の形は手のひらの形のように3~7つに分裂して縁はギザギザとしており、葉柄と葉の間に、葉柄が伸びて出来た托葉があるのが特徴です。葉には香りがあります。
花の特徴
フウロソウ科の植物が咲かせる花は共通して、白・薄ピンク・ピンク・紫色などの花色です。花びらは5枚に分かれており、テンジクアオイ属と呼ばれる「Pelargonium」のみ、花の形が左右対称になっています。虫などによって花粉を広めて子孫を残すため、目立つ派手な色の花を咲かせる種類が多いです。
果実・種子の特徴
フウロソウ科の植物は、花が散った後果実をつけます。この果実は蒴果となり、3~5つに分裂して反転しますが、この分裂した果実の形が、学名の由来にもなっている鶴のくちばしのような独特な形です。蒴果が分裂したそれぞれに1~2個の種子が含まれおり、この裂片を飛ばすことで種子を遠くに散らして子孫を残します。
ボタニ子
それでは次ページから実際のフウロソウ科の種類を見ていきましょう。